チケット販売業務の大幅な効率化を達成
それから10月29日の開館まではほんの数ヵ月。日程的にはかなりタイトだったものの、作業自体は非常にスムーズだったといいます。「サポートしていただきながらではありましたが、金額・券種のマスタ登録などの設定はスムーズに行うことができました。現在では特段のサポートがなくても、現場できちんと対応できています」(安部氏)。
そしていよいよ新館オープンに合わせて稼働した新システムについても、安部氏は「大きな効果が見て取れました」と強調します。竹田氏も「土日祝、特に午前中には観光バスやシャトルバスが一度に到着するため混み合うのですが、スムーズにチケット販売ができるようになりました。レジ締めも券種のチェックなどがすぐにできるので、非常に楽に早くできるようになりましたね。繁忙期は、1時間くらいの短縮につながっているかもしれません」と笑顔。
以前と違ってすぐに発券状況がわかるため、旅行代理店から発売状況に関する問い合わせがあった際にもすぐ回答できるようになったのだそうです。
また、安部氏はオープン後の裏話をひとつ明かしてくれました。
「実は、QRコードをタッチしてからゲートが開くまでに、少し時間がかかることが新システム稼働後にわかったのです。わずか1秒ほどのことですが、お客さまの体感時間としては長いので修正をお願いしたところ、すぐ直していただくことができました。ゲート側の問題だったのですが、システムとゲートの連動部分など見えない部分でパナソニックISにも素早い対応をしていただいたと聞いて、非常に頼もしく感じています」(安部氏)
正面受付:写真中央 発券端末
新館オープン効果もあって2010年度の来館者数は新記録となる59万人を達成した足立美術館。今後の展開について安部氏は「現在、日本庭園が8年連続で日本一の評価をいただいています。今後もこの維持をめざします。また、これまでの当館のコレクションは横山大観をはじめとした近代日本画を中心としていましたが、新館では現代日本画を展示していきます。今後はその魅力もアピールしていきたいですね」と語ります。
創設者・足立全康氏は、創設当時、美術館の庭園を日本一にすること、そして年間来館者数50万人、100万人という夢を持っていたといいます。
「当時は誰も信じなかったのです。 50万人を達成したのは創設者が亡くなる直前の1990年のことでしたが、その知らせを聞いて、大変喜んだそうです。100万人の来館者は簡単な目標ではありませんが、日本庭園は、創設者の願いどおり日本一を実現することができました。思いは通じるということだと思うのです。来館者数100万人も信じてやっていきたいですね」と、安部氏。
竹田氏も「お客さまから『来てよかった』『すごかったよ!友達も誘ってまた来るね!』などとお声がけいただけると本当に励みになります。これからもがんばっていきたいです」と語ります。パナソニックISも、新たなステージを歩みはじめた足立美術館の夢の実現に向け、これからもお手伝いを続けてまいります。