集配管理ソリューションを導入
電話の不通や折り返しがなくなり2倍以上の効果

株式会社ファルコバイオシステムズ(以下、ファルコバイオシステムズ)では、長年の課題である集配担当者不足を改善するために業務の見直しを実施。そこで課題として明確化したのは、「毎日必ず訪問する」という従来の集配スタイルや、インフォメーションセンターと集配担当者との連絡方法でした。これを受け、同社はパナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)製コールセンターパッケージ「eSmileCall」のカスタマイズをはじめとするシステム化を決断。業務の効率化を実現されました。
課題
  • 「毎日訪問」の集配スタイルを改善したい

  • インフォメーションセンターから集配担当者への連絡を効率化したい

解決
  • 集配担当者用のスマホアプリを導入し、ワンタッチで連絡できるようになった

  • 「毎日訪問」をスリム化する足掛かりができた

「毎日訪問」に業務改善の余地あり

ファルコバイオシステムズは臨床検査事業で国内トップクラスの顧客数を誇りますが、その一方で慢性的な集配担当者不足に悩まされていました。将来的にも克服が難しい中、「今あるムダをいかになくすか」が至上命令になったと臨床営業本部 名古屋営業部 部長代行の横根 正人氏は語ります。

「集配担当者は1名につき約40施設の医療機関のお客さまを受け持っており、既定のコースに従って客先を訪問し、検体をお預かりしています。集配依頼のあるなしに関わらず毎日必ず訪問するというのが基本スタンスだったのですが、訪問しても検体がないケースも少なくありませんでした」。

統計を取ったところ、名古屋第一営業所の担当する約800施設の顧客のうち、約3割は週に1,2回しか検体が出ないことが判明しました。そこで「毎日訪問」を「検体がある日だけ訪問」へゆるやかに転換できるようなしくみ作りを検討し始めたのです。
株式会社ファルコバイオシステムズ
臨床営業本部 名古屋営業部 部長代行
横根 正人 氏

つながりづらい電話連絡を他の方法に変えたい

従来より、集配依頼は同社のインフォメーションセンターで受け付けていましたが、受付後の集配担当者への連携は電話で行われていました。そのため、集配担当者が顧客訪問中で電話がつながらないケースも多かったと臨床営業本部 名古屋営業部 名古屋第一営業所 所長の小島 泰三氏は語ります。

「ここの連絡を電話以外の確実な方法に変えたいと考えました。インフォメーションセンター側のコールセンターシステムはパナソニックISの『eSmileCall』を利用していましたので、その延長線上でシステム化できないかとパナソニックISに相談したのです。信号の絵を描いて、赤が集配依頼、黄色が確認、青が集配完了。これができないかと」

思い描いているイメージをベンダーと共有できるか否かはシステム発注の難関のひとつですが、パナソニックISの提案は「当社の業容を深く理解したもので、課題にマッチしていた」(横根氏)といいます。

こうしてパナソニックISにシステム構築をお任せいただき、現場発の業務改善プロジェクトがスタートしました。
株式会社ファルコバイオシステムズ
臨床営業本部 名古屋営業部 名古屋第一営業所 所長
小島 泰三 氏

スマホアプリとWeb窓口を追加

システムには大きく2つのポイントがありました。1つは、集配担当者用のスマホアプリ。もう1つは、Webにも集配依頼の受付窓口を設けたこと。eSmileCallのカスタマイズに加え、アステリア株式会社が開発するモバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」とEAIツール「ASTERIA Warp」、そしてオープンソースのECサイトシステムを組み合わせて構築されました。コース表データや集配依頼データなどはすべて裏で連携されています。

先述したインフォメーションセンターと集配担当者との連携はeSmileCallとスマホアプリで行う形に変わりました。こちらには、毎日の定期集配予定のほか、インフォメーションセンターと集配申込サイトで受け付けた集配依頼が表示されます。さらに、現在のステータスも確認可能です。臨床営業本部 名古屋営業部 名古屋第一営業所の垣内 建児氏は、現場の反応を次のように振り返ります。

「皆さん1週間ほどで慣れてくれました。人的ミスは今では皆無に近い状態ですね。集配申込サイトは、『ログイン後、4クリックで集配依頼が終わるので非常に便利』とお客さまからご好評いただいています」。
株式会社ファルコバイオシステムズ
臨床営業本部 名古屋営業部 名古屋第一営業所
垣内 建児 氏

インフォメーションセンターでは、eSmileCallで集配依頼の電話受付や集配担当者への連絡を行う
集配担当者用のスマホアプリ(Platio)。集配予定がステータス付きで表示される

電話の不通や折り返しがなくなり、2倍以上の効果が

それでは、今回の課題であった「業務改善」について効果はあったのでしょうか?小島氏は「まだ一部拠点の導入に過ぎない」としながらも「削減の効果は大きい」と手ごたえを語ります。

「従来、インフォメーションセンターで受け付ける電話のうち、集配に関する電話は約3割を占めていました。その分だけ集配担当者への電話連絡も発生し、不通や折り返しで二度手間になることもしばしばだったのですが、ワンタッチで済むようになったので2倍以上の効果が出たと言えます。集配担当者側もスマホさえ見れば集配依頼が分かりますしね。お客さまからの集配に関する電話自体も、集配申込サイトをご利用いただくことにより大きく減少しています。現状は毎日の定期訪問を続けていますが、ゆくゆくはコース編成を見直してスリム化することも可能と考えています」(小島氏)。
同社は今後、東海、関東、関西と順次導入拠点を広げる予定。京都営業部 京都営業課 課長の井上 由紀夫氏は期待をにじませます。

「現在少しずつでも数値が出ていますから、全国に適用すればさらに大きな改善効果が得られると考えています。また、『容器発注』の対応も進めたいです。当社は集配依頼と同時に、検査容器のご注文をいただくことも多いのです。実は最初の時点で、パナソニックISからは容器発注も含めたシステム提案をもらっていました。こちらの情報を常にキャッチしてくれる姿勢には助かっています」(井上氏)。

「パナソニックISは、単なる処理ではなく、より良いヒントを得られるようなコミュニケーションを取ってくれます。当社の職員じゃないかと思うくらい(笑)。これからも末永くお願いしたいですね」(小島氏)。
株式会社ファルコバイオシステムズ
京都営業部 京都営業課
井上 由紀夫 氏

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当社担当からひとこと

藤淵 泰匡
本プロジェクト一番のポイントは、「こう業務改善したい」という明確なゴールをお客様がお持ちであったことだと思います。
0ベースでシステムを作っていく中で、現場のお客様が運用イメージをはっきりと描かれておられたので、機能的な制約が発生した際もスムーズに対応策を両社整合することができ、予定期間内での稼働ができたと感じております。
今回の経験を活かし、お客様の意図を明確にくみ取り、更に踏み込んだ+αのご提案ができるよう取り組んで参りたいと思います。
取材︓2020年10月15日 
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