ASTERIA Warpを導入
売上実績データの自動連携とマーケティング活用

2012年春、京都水族館とすみだ水族館が相次いでオープンしました。この両施設を運営するオリックス不動産様(以下、オリックス不動産)は開業に際し、1回のレジ入力だけで会計システムへ連携できる"ワンライティング"の販売管理システムを検討。水族館全体のシステム構築を担当したパナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)は、システム間の橋渡しとしてデータ連携ミドルウェア「ASTERIA Warp」を活用し、高い連携性を実現しました。
課題
  • “ワンライティングシステム”で販売管理業務を効率化したい

  • 複数施設の経営分析を行いやすくしたい

解決
  • 毎日膨大な量の売上実績データを自動連携

  • 蓄積した売上データをマーケティングに活用

“ワンライティングシステム”で販売管理業務を効率化したい

近年、全国的に水族館のオープン・リニューアルラッシュが続いています。2012年には、3月に京都水族館、5月にすみだ水族館が相次いで開業しました。一方は日本初の内陸型大規模水族館であり、また一方は、日本の新たなランドマーク・東京スカイツリー(R)のふもとに位置する都市型水族館。どちらもいきものをより身近に感じ、学ぶことができる「総合エデュテインメント(Edutainment)※型施設」として、日を問わず多くの来場者が訪れています。

この両施設を運営しているのがオリックス不動産株式会社です。2つの水族館を開業するにあたって、オリックス不動産は「水族館業務全体のシステム化」を目指しました。「チケットカウンターやショップ・カフェなどのフロントオフィス、そして団体予約受付・現場運営・経理といったバックオフィス。それぞれの業務をシステムで有機的につなぐことにより業務を効率化し、事業分析にも活用しようと考えました」と、オリックス不動産の室 千穂子氏はその狙いについて語ります。

※ エデュテインメント(Edutainment):エデュケーション(Education:教育)とエンターテインメント(Entertainment:娯楽)を組み合わせた合成語。近年、博物館や美術館などで楽しみながら学習する手法を表現する用語として認知されている。
なかでも販売管理においては、一度データを入力すればそのまま会計システムへ連携できる“ワンライティングシステム”が必須要件でした。というのも、集客施設の料金体系は通常料金に加え、団体割引、年間パスポート、さらにはコンビニエンスストア・鉄道・バス・ホテルとの提携割引プランなどたいへん多岐に渡っています。入力の手間は最低限に抑えることが絶対でした。また経営分析に役立てるため、2つの施設の販売管理を同一基盤上で行うことも目標のひとつだったといいます。

システム構築を担当したパナソニックISは、このようなご要望に対し、チケット発券、団体予約や財務会計などの各システムをEAIで柔軟につなぐ構成を設計。データ連携ミドルウェア「ASTERIA Warp」を活用することで、高い連携性を実現しました。

毎日膨大な量の売上実績データを自動連携

水族館のシステム企画にあたり、オリックス不動産が最も重視した点は「お客さまに心から楽しんでいただくこと」。お越しくださるお客さまにご迷惑をお掛けしないことが第一でした。水族館運営を支える信頼性の高いシステム構成について、パナソニックIS ソリューションビジネス本部 システムソリューション事業部の横地 朋洋は次のように語ります。

「このシステムが運営業務の要となるため、オリックス不動産様からは新規開発ではなく実績のあるシステム群を組み合わせて構築してほしいというご要望をいただいていました。そこでできるだけパッケージソフトを利用し、販売管理の各システムをつなぐ役割としてASTERIA Warpを活用することにしたのです。当社は10年以上ASTERIA Warpを取り扱っており、これまでの導入実績から十分なノウハウを蓄積しているので、構築には自信を持っていました」。

“ワンライティングシステム”を実現するためにASTERIA Warpが担った役割は大きく2つ。1つは、販売管理の各システムに存在するマスタデータを同期させること。もう1つは、チケット発券システムやレジシステムで毎日処理される売上・在庫データを、会計システムへ連携することです。

「販売管理を担うシステム群にはパッケージソフトを利用しているため、2つの水族館と本社の各拠点でデータベースを持つ構成となっています。ここにASTERIA Warpを活用することで各データベースのマスタデータを整備し、拠点間のカベをなくしました。今後、施設数が増えた場合のデータ連携も想定しています。また売上データについては毎晩バッチ処理を行い、会計システムで読み込める形式に自動変換しています」(横地)。

京都水族館・すみだ水族館は開業以来、ともに大変な人気を博し、休日には1万人を超えるお客さまが訪れることもあるとのこと。お客さまのチケット購入実績やオリジナルグッズの売上実績など、数千件にのぼるデータを日々連携しています。

蓄積した売上データをマーケティングに活用

こうした連携性の高いデータ基盤を構築したことで、本社システムには今後のマーケティングに有用な情報が日々蓄積されるようになっています。

「どんな年代の方がよく来られているか、チケットの券種ごとの売れ行きはどうか、といった情報分析が可能です。オリックス不動産様ではこの情報をもとにオリジナルグッズの見直しをされていますが、今後さらなる経営戦略立案に向けて、当社もシステム面からお手伝いをしていけたらと考えています」(横地)。

ほぼ同時期に開業した京都水族館とすみだ水族館ですが、それぞれ異なるコンセプトを持ち、展示にも独自の工夫が凝らされています。「施設はオープンしてからも成長していきますし、我々も成長していきたいと思っています。これからも末永く支え続けてくれることを期待しています」と笑顔で話してくれた室氏。パナソニックISは、オリックス不動産様のビジネス展開をこれからもサポートしてまいります。

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当社担当からひとこと

横地 朋洋
オリックス不動産様の京都水族館、すみだ水族館をはじめ、全国各所の集客施設ソリューションの提案/設計/導入を担当。2012年5月には、すみだ水族館を含むスカイツリータウン3施設の同時期オープンにおいてSEチームを指揮、非常に多くのご来場者が押し寄せる中、チケッティングシステムを中心とする各システムと関連機器を無事稼働させた。
取材︓2012年10月16日 
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