わずか3か月で開発完了
SAP Concur・OBIC7をシームレスにデータ連携

環境防災や都市再生といった専門工事に特化し、社会インフラの整備に貢献する日特建設株式会社。同社は、経費精算システム「SAP Concur」の導入を機に、ASTERIA Warpを活用し、基幹システム「OBIC7クラウドソリューション」とのデータ連携に着手しました。パナソニック インフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)と進めたSAP ConcurとOBIC7の連携、そして現在進行中のSalesforceとの連携についてお話を伺いました。
導入のポイント
多様なデータ形式に対応した仕訳業務自動化。人的負担や時間ロスを大幅に効率化

豊富な導入実績と確かな技術力。データ連携を熟知した速やかな対応
次ステップの取引先マスタ・Box連携の早期着手。連携の拡張にも柔軟に対応
課題
  • 異なるシステムを活用・連携したいが、データ形式が異なる

  •  手作業の連携は工事案件の件数が多く、負担と時間を要する

  •  将来的に多様なシステムを使えるよう、データ連携を柔軟にしたい

解決
  • 複雑な変換条件に対応、仕訳業務を自動化

  • ASTERIA Warpによる連携を実現、負担や時間ロスを削減

  • 連携基盤を構築することで、各種システムと柔軟に連携

システム導入を機にASTERIA Warpの活用を見直し

――以前から使っていたASTERIA Warpの活用方法と、活用の見直しした経緯を教えてください。

松浦氏 もともと、スクラッチで構築した基幹システムとExcelのデータ連携を行うために、7~8年前にASTERIA Warpを導入しました。導入当初は内製でデータ連携を行っていましたが、その後、基幹業務システムをリプレースすることを機に、ASTERIA Warpの活用機会が減少。さらに、運用・保守・メンテナンスコストの削減のため、社内システムをオンプレミスからクラウドへ移行を進めており、人的リソースの最適化と業務効率化のためにBPO(Business Process Outsourcing)へ業務スタイルを移行したことで、ASTERIA Warpを使う機会はほぼなくなっていました。

改めてASTERIA Warpの活用を見直すきっかけとなったのは、工事現場の従業員が使う経費精算システムとして、SAP Concurを導入することになった時でした。SAP Concurを使うには、すでに導入していたOBIC7クラウドソリューションとの連携が必須。さらに、別で開発を進めていたSalesforceもOBIC7とつなげることを考えていました。
こうした状況を踏まえ、ASTERIA Warpを改めて必要となり、2023年に再び活用することを決めました。

日特建設株式会社 管理本部 情報システム部 次長 松浦 宏尚 氏
――今回はパナソニックISにASTERIA Warpの導入と連携支援を依頼されています。その経緯をお聞かせください。


松浦氏 もともとASTERIA Warpは内製の経験があったものの、SAP Concurとの連携には新たな技術的知見が必要で、短期間で進める必要があったこと、さらにBPOを推進していることもあり、今回はベンダーに依頼することに決め、ASTERIA Warp提供元であるアステリア社から紹介いただいたのがパナソニックISでした。
パナソニックISとは今回が初めての取引となるものの、アステリア社からは知見と実績が豊富なベンダーと紹介され、不安はありませんでした。さらに、Salesforceとの連携も視野に入れていたため、ASTERIA Warp上で効率的に連携するためのSalesforceアダプターをパナソニックISが開発・提供している点も、大きな決め手にとなりました。
こうしてパナソニックISに、ASTERIA Warpのサブスクリプションと連携支援をお願いすることになりました。

パナソニックISの連携支援で人的負担や時間のロスを解消

――SAP ConcurとOBIC7クラウドソリューションとの連携プロセスと、具体的な連携内容を教えてください。

松浦氏 パナソニックISと契約してすぐ、ASTERIA WarpによるSAP ConcurとOBIC7クラウドソリューションとの連携から開始し、約3か月で連携開発は完了しました。連携にあたっては、SAP ConcurとOBIC7クラウドソリューションのデータ構成が大きく異なっていたため、思いのほか苦労しました。

具体的にいうと、OBIC7クラウドソリューションに取り込むためには仕訳形式にする必要がありますが、SAP Concurは仕訳形式ではありません。このため、さまざまなパターンに応じた条件を設定して対応しました。
さまざまなパターンを大きく分類すると、①経費、②商社からの請求書、③立替金④プロジェクトコードの4つがあります。

まず、①経費については、現場で行う経費精算のことです。現場では状況に応じて近場のホームセンターで物品を購入するなど、急遽、経費精算が必要になることがあり、現場で使うSAP ConcurからOBIC7クラウドソリューションに連携しています。

次に②商社からの請求書は、その名の通り商社からの請求書データのことです。これもSAP Concur経由でOBIC7クラウドソリューションに連携しています。

③立替金は、商社からの請求金に対し、協力会社の分を立て替える費用のことです。後日協力会社から送金、もしくは協力会社への支払金額から控除することがあります。そのためにデータを分ける必要があるため、ASTERIA Warpの中で、請求書データからデータ作成を行い、OBIC7クラウドソリューションに連携できるよう、構築しました。

最後に④プロジェクトコードは、OBIC7クラウドソリューションからSAP Concurへプロジェクトコードというマスターデータを連携する処理であり、他の連携とは逆方向からの連携を行います。SAP Concur側で入力作業を行うためにプロジェクトコードが必要なため、常に必要な連携です。


ASTERIA Warp連携図
―――ASTERIA Warpの導入効果はありましたか。

松浦氏 以前、わずかな期間ですが、Excelを介し人の手によるデータ連携を行ったことがあります。作業自体はそれほど難しいものではないとはいえ、工事案件の件数が多いため、「出力 → 変換 → 取り込み」の手作業に多くの時間を取られていました。限られた人的リソースを考えると、業務効率は悪いと言わざるを得ません。ASTERIA Warp導入後自動で連携が可能人的負担や余計な時間のロスがなくなり、大きな効率化を図ることができました。

取引先マスターデータとBoxをSalesforceに連携

――現在のフェーズはSalesforceとの連携と伺っています。

松浦氏 今年度は、Salesforceのプラットフォームを使って開発した新工事管理システムの連携に着手しています。新工事管理システムは案件管理の仕組みを有しています。受注に対する予算管理やその進捗管理に加え、協力会社に発注した内容の検収用データを作成し、原価管理を行うといった機能を備えています。

現在、ASTERIA Warpで開発している連携のひとつは取引先マスターデータの連携です。もともと取引先マスターデータはExcelで作成しており、OBIC7クラウドソリューションとはASTERIA Warpを活用する以前からマクロなどを使って連携していました。今回はこのExcelの取引先マスターデータを新工事管理システムのデータベースにも連携させるため、ASTERIA Warpを活用しています。

もうひとつはクラウドストレージBoxとの連携です。新工事管理システムに申請があった際、承認後は添付の申請データをBoxの特定フォルダに保存するフローがあるのですが、これをASTERIA Warpで自動連携する仕組みづくりに取り組んでいます。

この2つはほぼ完成しており、間もなく本稼働する予定です。ほか、新工事管理システムを参照してSQL上のデータを更新する仕組みづくりにも取り掛かっています。新工事管理システムとOBIC7クラウドソリューションとの連携は、新工事管理システムが3か月前に稼働したばかりで未完成な部分もあるため、進捗状況を鑑みながら取り組む予定です。

状況に応じた連携支援に加え、進捗・課題管理もスムーズ

――パナソニックISに対する評価をお聞かせください。

松浦氏 当社からの数々の要望に対し、しっかりご対応いただいている印象です。連携支援はもちろんですが、進捗・課題管理もスムーズで不満はありません。文面でのやり取りでもわかりやすく、かつ不明点があれば適宜電話でのやり取りも行っています。ケースバイケースで柔軟に対応してもらっている状況です。

パナソニックISには当社に合った提案を期待

――今後の展開とパナソニックISへの期待をお聞かせください。

松浦氏 さらに連携させたい部分があります。連携の必要性と可否を検証し、他の進捗状況を確認しながら連携を進めていきたいと考えています。また、OBIC7クラウドソリューションはさらなるカスタマイズ、SAP Concurは使い勝手の改善を行っていく予定ですので、その際はASTERIA Warpの微調整が必要になるかもしれません。
システム導入をする過程で、データ連携が必要なことは多く、引き続き相談をできればと思います。
また、パナソニックISはさまざまなITソリューションを扱っていると伺っていますから、当社に合った提案をいただければ幸いです。引き続きよろしくお願いします。

パナソニックISに相談してみる

当社担当からひとこと

岡本 侑璃
この度はデータ連携開発をお任せいただきありがとうございます。SAP Concur・OBIC7連携を皮切りに活用範囲を広げてられており、その結果、社員の皆様の作業負荷を軽減することができ、大変嬉しく思っております。日特建設様では、業務やシステムの見直しに積極的に取り組まれており、今後もASTERIA Warpのさらなる活用やその他の業務改善に向けて、全力でサポートしてまいります。
取材︓2025年1月28日 
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