ASTERIA Warpを中核に据えた基幹システム構築
前例なき挑戦を パナソニックISとワンチームで実現

管工機材、住宅設備機器を販売・提供する一次卸として、メーカー、得意先、工事事業者と四位一体のスピリットで業務を展開する橋本総業株式会社。同社は将来を見据えて基幹システムのリプレースを決断し、新たな基幹システムのエンジンとしてシステム連携ツールのASTERIA Warpを採用しました。従来の常識にとらわれない構築をパナソニック インフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)の支援を得ながら推進し、見事に基幹システムを完成させました。
導入のポイント
データ連携ツールの枠を超えてASTERIA Warpを活用。基幹システムの中核として構築
既存の画面・操作性をそのまま移行しユーザー教育ゼロ。インターフェースの踏襲で業務文化を継承
ERPパッケージに比べて導入・運用コストを最適化。ノーコードで内製し、コストを抑制
課題
  • 技術者が限られる基幹システムは、柔軟性・拡張性が不足

  • 長年培ってきた業務文化を継承したい

  • ERP導入に伴う、開発・運用面の外部依存はしたくない

解決
  • ノーコードのASTERIA Warpで、柔軟性と拡張性を確保

  • 従来のインターフェースを維持し、業務文化をそのまま再現

  • ノーコードと内製体制で、外部依存せずに運用へ

古い言語が使われたレガシーな旧基幹システムは課題が山積

――基幹システムのリプレースが必要になった背景・課題をお聞かせください。

伊藤氏 導入から40年以上が経過していたメインフレームの旧基幹システムには、さまざまな課題がありました。
そのひとつは、COBOLとJCLという古い言語のレガシーシステムである点です。以前は大活躍しましたが、モダナイゼーションに適さず、加えてエンジニア不足も否めません。

他の業務システムとの連携にも課題がありました。
ベーシックなCSV連携が主体で、 EDIに関しては新しいプロトコルには対応していませんでした。また、メインフレームの仕様上、接続できる端末が990台という制限、数万件のデータが入ってくると検索のレスポンスに影響が生じるなどの課題もありました。

橋本総業株式会社 取締役専務執行役員 伊藤 光太郎 氏

内製可能なASTERIA Warpで開発・運用コストを最適化

――基幹システムというとERPパッケージなどを用いて構築するのが一般的かと思いますが、御社はなぜASTERIA Warpで基幹システムを構築しようと考えたのでしょうか。

平泉氏 当社がASTERIA Warpに注目した理由は、①開発・運用コストの最適化、 ②インターフェースの踏襲という2つの要件を重要視したからです。

<①開発・運用コストの最適化>
まずは比較・検討するため、ベンダー数社に依頼し、ERPパッケージで開発する場合の見積りをもらいました。すると、当社の規模で構築した場合、大きな投資が必要になることが分かりました。
また、本稼働後の改修や新機能追加、問い合わせ対応などの運用面でも、大きなコストがかかります。

そこで新たな選択肢として、内製によるコストの最適化です。ノーコードのASTERIA Warpなら、システム部での運用開発を複数の担当者で実施できるのではと考えました。

<②インターフェースの踏襲>
40年以上使い続けて醸成されてきた操作性や画面イメージなど、当社独自のユーザー体験を継承していきたいという想いがありました。ERPパッケージでカスタマイズが可能であっても、すべてを完全に再現することは難しく、長年培ってきた業務文化を手放す恐れがありました。

そこで、従来のインターフェースを継続することで、ユーザーが戸惑うことなく新システムに移行できる環境づくりを重視しました。モダナイゼーションを推進しながらも、当社の文化と現場の業務定着性を両立するために、ASTERIA Warpによる内製は有効な選択と考えています。

橋本総業株式会社 システム部 部長 平泉 嗣業 氏

ASTERIA Warpの安定稼働と高速な開発環境は基幹システム向き

――とはいえ、ASTERIA Warpで基幹システムを構築する発想には、なかなかたどり着かないと思います。

平泉氏 実は私自身、15年前からASTERIA Warpに携わっており、社内業務の連携や自動化に取り組んできました。その経験を経て、ASTERIA Warpの安定稼働と高速な開発環境は、基幹システムのエンジンとして使っても問題なく稼働できるという自信と確信がありました。それが今回の新基幹システム開発につながっています。


――ASTERIA Warpでの開発において、ベンダーの支援は必要としたのでしょうか。

平泉氏 ASTERIA Warpなら内製も可能とはいえ、開発リソースには限りがあり、信頼できるパートナーの支援が不可欠だと考えていました。いくつかのASTERIA Warpマスターパートナーにお声がけした中で、私たちの要望に迅速かつ前向きに応えてくれたのがパナソニックISです。

常駐支援だけでなく、サポートセンターの対応も非常に優れており、問い合わせに対しても精度の高い回答をスピーディにいただけました。この対応力と信頼感から、迷わずパナソニックISに決めました。


テストドリブンの体制で開発を進め、新基幹システムを構築

――開発プロセスを教えてください。

平泉氏 21年9月にプロジェクトがスタートしました。インターフェースは完全踏襲ですから、要件定義や外部設計・基本設計はスルーし、COBOL・JCLのソースからダイレクトに詳細設計書を作成。それを見ながらエンジニア各自で、テストドリブンの体制でASTERIA Warpによる開発を進めていきました。

開発自体は2023年6月に終了しましたが、ここからの全体テストが大変でした。旧基幹システムで処理した結果と、ASTERIA Warpで構築した新基幹システムの処理結果の完全一致が絶対条件のため、日々高い精度を追及するテストを行う必要がありました。

稲田氏 COBOL・JCLのソースから詳細設計書を起こしていますから、どうしても誤認や抜けが否めません。必然的にテストは、トライアンドエラーの繰り返しとなります。例えば、10項目で1項目しか合っていなかったら、ひたすら改修とテストを繰り返して最終的に10項目すべて合うように精度を上げていきました。

橋本総業株式会社 システム部 IT開発チーム 稲田 佳嗣 氏

浅野氏 ASTERIA Warpの経験があり、理解度は高い反面、社内の業務知識が不足しているところからスタートしたのが大変でした。ただ、今回のプロジェクトを通じ、現場の方々の業務に対する想いを感じることができました。

一例を挙げると、物流の伝票をドットプリンタからレーザープリンタに変更する開発を任された際の、物流の倉庫で業務する方々の向上心や熱量は想像以上。システム部にいると普段見えない現場の熱意に、心強さを感じました。

橋本総業株式会社 システム部 IT開発チーム 浅野 桂司 氏

パフォーマンスが大きく向上した新基幹システムの満足度は200%

――新基幹システムの導入効果をお聞かせください。

平泉氏 テストを終え、本稼働がスタートしたのは2024年8月です。想定範囲内の初期不具合を改修し、快適に動作しています。他の業務システムとダイレクトに連携し、内製で素早く簡単に改修・機能追加できるなど、パフォーマンスは大きく向上。取り組む前の要件だった開発・運用コストの最適化も達成できて、現在の満足度については200%です。

しかも、システム自体の見た目やインターフェースは以前とほぼ一緒ですから、ユーザー教育はゼロです。我々もユーザーも負担は一切ありません。さらに、フローマネジメントサービスというASTERIA Warpの管理画面から、ログの管理、バッチの臨時実行、夜間バッチの事前パラメータ設定などが可能。こうしたモダナイゼーションのおかげで、システム部における運用のオペレーションも飛躍的に向上しています。


汎用的な構造を導入することでメンテナンス性能が向上。従来は、長大な1本のスクラッチモジュールだったが、汎用的な構造を導入し、メンテナンスコストがダウン!


丸山氏
 新基幹システムでは、ペーパーレス化も実現しました。以前は全国50拠点において、帳票を印刷することから業務がスタートしていたため、毎日膨大な紙が消費されていました。それが現在は、社内の帳票はすべてExcelファイルで共有フォルダに保管。印刷は必要なくなり、ペーパーレス化を促進できました。さらには自拠点だけでなく、他拠点の帳票も閲覧が可能。
拠点の業務状況を把握することが刺激となり、業務の活性化を図ることができました。

橋本総業株式会社 システム部 IT運用チーム 課長 丸山 哲也 氏

ワンチームで挑んだ取り組みは本当に素晴らしく、次回も期待

――今後の展開とパナソニックISへの期待をお聞かせください。

伊藤氏 まずは、販売店向けのシステムとの連携を考えており、販売店がリアルタイムで当社の在庫を確認できるようになります。また、今回のASTERIA Warpによる基幹システムを高く評価いただき、お客様から導入したいというご要望があり近々に動き出す状況です。

平泉氏 
当社はメーカー様、得意先様、工事事業者様との四位一体のスピリットで事業を展開しています。今後はスピリットだけでなく、実際にASTERIA Warpで4方向をつなぎ、インフラの部分でも四位一体を目指していきたいと考えています。

伊藤氏
 ASTERIA Warpによる基幹システム構築という壮大なプロジェクトは、当社およびパナソニックISのエンジニアの頑張りがなければ、成立しなかったと思います。実際、メンバーが一体となり、ワンチームで挑んだ取り組みは本当に素晴らしいものでした。
お客様向けASTERIA Warpの基幹システムも、このメンバーなら成功すると期待しています。引き続きよろしくお願いいたします。

パナソニックISに相談してみる

当社担当からひとこと

宮前 陽充
ASTERIA Warpでこの規模の基幹システムを構築されたことは、単なるモダナイゼーションにとどまらず、まさに金字塔といえる成果です。そして業務文化を第一に考えるシステム部の皆様と、ノーコード開発のスピード感の組み合わせは、まさに“虎に翼”。この内製体制とASTERIA Warpを基盤とした新たな基幹システムは、橋本総業様にフィットするにとどまらず、成長の牽引役となることも容易に想像できます。本プロジェクトの成功、そしてお客様の今後の輝かしいご発展を心より嬉しく思います。
取材︓2025年5月28日 
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