ASTERIA Warpを導入
クラウド活用とシステム運用負担7割軽減

近畿産業信用組合様(以下、きんさん)は2009年、勘定系システムの共同センター加盟をきっかけとして、勘定系システムとサブシステムを連携しデータを最大限に活用する仕組みを検討。パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)が提案したデータ連携ミドルウェア「ASTERIA Warp」により、データ活用と運用負担の軽減に成功しました。2013年現在も、データ連携による業務改善の取り組みは拡大し続けています。
課題
  • クラウド化した勘定系システムのデータ活用を、最小限の工数で実現したい

  • 誰でも管理しやすい開発基盤にしたい

解決
  • システムの習熟度に依存しない開発基盤を確立

  • システム運用負担を7割軽減

クラウド化した勘定系システムのデータ活用を、最小限の工数で実現したい

勘定系および情報系の業務処理センターである「SKCセンター※」のサービスを、全国約150の組合で共同利用しており、きんさんもこれに参加した組合のひとつです。「従来は自前のホストコンピュータでシステム運用を行っていましたが、共同利用へ移行すれば運用工数や管理費用を大幅に削減できると考えました」と、事務部 副部長の陽川氏は参加の経緯を語ります。

ただしこれに伴い、新たなシステム変更が求められることとなりました。SKCセンターは共同利用システムのため、出力されるデータのフォーマットは全組合で統一されたもの。きんさん内で運用している約30の業務用サブシステムへは、データの変換・受け渡しなどの連携処理が別途必要だったのです。

「勘定系システムをクラウド化したことで確かな恩恵を受けられましたが、このままだとサブシステムをすべて改修しなければならない。それは莫大な費用が掛かるため、サブシステムを改修せずにSKCセンターのデータを活用する方法はないかと模索していました」(陽川氏)。

※SKCセンター:信組情報サービス株式会社が運営する、勘定系および情報系の業務処理センター。金融業の共通業務を一括提供する「業界クラウド」の一種。
近畿産業信用組合
事務部 副部長
陽川 氏

誰でも管理しやすい開発基盤にしたい

この課題に対しパナソニックISが提案したのが、SKCセンターと各サブシステムとをつなぐハブとして、データ連携ミドルウェア「ASTERIA Warp」を導入することでした。SKCセンターのデータをASTERIA Warpで受け、統一フォーマットから従来どおりのフォーマットに自動変換し、各サブシステムに送る。これなら最小限の変更で済ませられます。実はきんさんでは当初、ホストコンピュータをそのまま残し、SKCセンターのデータをホストコンピュータ内で変換するという方法も検討していたといいます。

「この方法をとる組合も多数ありますが、SKCセンターを利用すればシステム要員は削減されるはず。今後を考えれば、データ変換処理も平易な開発言語で行う方が好都合です。視覚的にプログラミングできるASTERIA Warpは開発効率に優れていますし、さらにホストコンピュータを残す方法に比べ、約半分の年間費用で運用できる点も高ポイントでした」(陽川氏)。

システムの習熟度に依存しない開発基盤を確立

導入は約100本の変換プログラム開発からスタート。その本数は多様化する顧客ニーズに合わせたシステムの発展とともに、現在も増加の一途をたどります。データ変換処理にあたり、パナソニックISではきんさん内の誰もが簡単にASTERIA Warpを扱えるような工夫を施しました。それが、Excelファイルを入力画面としたASTERIA Warp制御です。Excel形式の設定ファイルに処理実行のタイミングや変換データの配信先などを入力するだけで、ASTERIA Warpの処理条件設定を変えられるようにしたのです。

例えば、SKCセンターのデータから必要なものだけを選び取る抽出処理。「SKCセンターの月次データは月初数日に分けて送られてきますが、必要なデータが揃ったかどうかの判定を人力で行っていては、手間が掛かる上に精度も落ちてしまいます。そこでデータが揃ったタイミングで自動変換を開始する機能を盛り込み、その条件設定をExcelで作成できるようにしてもらいました」と、事務部 システム開発課 課長の平山氏は語ります。
近畿産業信用組合
事務部 システム開発課 課長
平山 氏

システム運用負担を7割軽減

変換したデータの配信処理も同様に、Excelファイルで制御可能。使い慣れた形式のため、サブシステムを利用する各部署へ難なく浸透しました。

またこのように制御方法を統一したことで、処理後の実行レポートも一定のフォーマットで出力されるため、毎朝のチェックが苦にならないといいます。

陽川氏は「ASTERIA Warpを核とする開発基盤が組合内に確立されたおかげで、どんなシステムの追加・修正も平気。10人体制だったシステム運用を、今では3人で回せています。新任のスタッフもすぐに管理作業を覚えてくれました」と顔をほころばせます。
SKCセンターのデータを最大限活用し、システム運用負担の軽減にも成功したきんさん。2013年現在、ASTERIA Warpの活用範囲はシステム間のデータ連携にとどまらず、各種帳票の電子化へ広がっているそうです。「従来は紙に出力していた帳票を、現時点で約35本、PDF・XLS化しました。要望に合わせたレイアウト変更やコメント追加などが簡単にできるので、配布先の各営業店からも喜ばれています」(平山氏)。

きんさんは2012年2月末に総預金1兆円態勢を確立。さらなる目標として、2021年度には総預金8兆円、2031年度には総預金80兆円の達成を掲げ、“金融革命”をキーワードとした事業成長戦略を展開しています。陽川氏は今後のIT投資について「ITはお客さまへ一歩でも近付くために欠かせないツール。大きな飛躍に向け、さらに活用を進めなければ」と語り、「ASTERIA Warpは今や当組合の中心的なシステムとなりましたが、パナソニックISの提案がなければ出会えませんでした。今後も便利な使い方があれば積極的に提案してほしいですね」と、使いこなしに向けたパナソニックISのサポートについても期待を寄せました。

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当社担当からひとこと

河戸 秀夫
近畿産業信用組合様で構築させていただいたのは、ASTERIA Warpをベースとした開発プラットフォームです。元々、開発効率の良いミドルウェアですが、Excelファイルによる制御機能をプラスすることで、さらに高い開発効率を実現しております。このような開発プラットフォームを提供することができたのも、ASTERIA Warpに関するノウハウ、経験の蓄積のある、当社の強みです。現在も継続的にお付き合いさせていただいており、今後もお客さまのお役に立てる提案を続けていきたいと思っております。
取材︓2013年1月16日 
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