ネットブートPCシステムを導入
クラウドブートで運用負荷軽減&高速化

国立大学法人一橋大学(以下、一橋大学)では、図書館とPC教室を管理するネットブートPCシステムの基盤として、回線速度の向上を機にクラウドの利用を検討。「SINET5」※や「リンクサーバ」を活用し、「持たないIT」と「高速起動」の両立を実現されました。ネットブートPCシステムには、パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)の「OSV」が採用されています。
※ SINET5:日本全国の大学、研究機関等の学術情報基盤として、国立情報学研究所(NII)が構築、運用している情報通信ネットワーク。
課題
  • 新たなアーキテクチャとしてクラウドを取り入れたい
  • PCの高速起動は維持したい

解決
  • クラウド移行で運用負荷を軽減できた
  • クラウドでも高速化を実現

クラウドブートの検討を開始

一橋大学の図書館とPC教室を管理するネットブートPCシステムは、常に最新のネットワーク技術が投入されています。2011年には当時まだ高価であったSSDをいち早くローカルディスクに採用し、2015年には完全仮想化を実現。その後2019年のリプレースまでの間も、新たなアーキテクチャを模索していたと情報化統括本部 情報基盤センター 助手の松村 芳樹氏は語ります。

「次はクラウドへ移行したいと考えていました。クラウドなら法定停電の際にわざわざ立ち会う必要がありませんし、今後仮にシステムを他キャンパスへ展開することになっても、本拠地の状況に左右されることなく運用できます」。

前回更新時はまだ起動時間に支障があり、授業などでは使えないという判断でしたが、国立情報学研究所(NII)が提供する学術ネットワーク「SINET5」の登場により回線速度が飛躍的に向上し、潮目が大きく変化しました。松村氏は早速、当時から利用していたネットブートPCシステム「OSV」の提供元であるパナソニックISに相談。SINET5のクラウド接続サービスを活用した「クラウドブート」の検討を開始しました。
国立大学法人一橋大学
情報化統括本部 情報基盤センター 助手
松村 芳樹 氏

「リンクサーバ」とSSDがあれば速度に支障はないと判断

検証を重ねた結果、学内にサーバを置くのと同程度の起動時間を実現できるようになりました。その際に利用したのが、OSVのアプライアンス製品である「リンクサーバ」でした。

「学内にリンクサーバを置き、そのキャッシュを利用することで遠隔地間でも問題なく起動ができるようになっており、また検証中にさらなる高速版がリリースされたため、これとSSDのローカルキャッシュがあれば、大元のシステムが学内になくても速度に支障が出ることはまずないと判断しました。検証時のパナソニックISの対応も確かな技術力に裏打ちされたもので、新しいことを精力的に試していくための心強いパートナーだと感じました」(松村氏)。
アプリケーション管理と仮想PCを分離

ディスクイメージ効率化のために言語設定で一工夫

国内でも先駆的なクラウドブートの導入。ネットブートサーバをクラウドに、キャッシュ用のリンクサーバを一橋大学にそれぞれ配置し、両者をSINET5でつなぐという構成を取りました。

またネットブートPCシステムには、ディスクイメージを効率化するためのある工夫を施しました。ログイン前に言語を選択させ、それによってOSのデフォルト言語設定を入れ替えることで、1つのディスクイメージで日本語/英語の両方に対応できるようになっています。

「普通だと日本語と英語でディスクイメージを2つ作ることになりますが、ディスクイメージを切り替えるとキャッシュを入れ替えてしまうので、せっかくの高速起動を十分に活かせない。このしくみなら1つのディスクイメージで済み、サーバリソースも軽量化できます」(松村氏)。
1つのディスクイメージで日本語/英語の両方に対応できるよう工夫したブート画面

シングルサインオンで、既存のクラウドサービスも快適利用

ユーザープロファイル※は環境復元を重視し固定プロファイルを採用しています。プロファイルの保存場所を一橋大学が契約しているクラウドサービス上に置くことで構築の負担を大幅に減らすことができました。

環境復元が適用されているとブックマークなど各ユーザーのデータがPCに残りませんが、一橋大学ではクラウドサービスのメールや個人領域フォルダを最大限に活用しているため大きな問題はないといいます。今回はさらにシングルサインオンのしくみを加え、PCにログインすれば自分のアカウントをすぐ利用できるようにしました。

「構築中にクラウドサービス側の仕様変更が何度かあったものの、パナソニックISは根気強く取り組んでくれました。ユーザーからは見えませんが、『これがあるから快適に使えている』という処理が今回のシステムには多く詰め込まれています」(松村氏)。

※ ユーザープロファイル:ログインユーザー向けの環境個別設定のこと

オンプレミスの頃よりも高速化

こうして、2019年3月にクラウドブートが稼働。システムがクラウドへ移っても、起動速度はオンプレミスの頃と同等、むしろリンクサーバのおかげで高速化していると松村氏は語ります。

「SINET5との親和性が非常に良かったですね。2019年は電源設備の入れ替えが多く、例年になく停電がありましたが、我々が立ち会ったのは1日だけで済みました。学内に設置しているリンクサーバだけは電源が落ちますが、あくまでキャッシュ用なので稼働には問題なく、運用面の負担がありませんでした」。

起動方法を自動選択させたい

次期更新を待たずして、早くもさらなるユーザビリティ向上に意欲的な松村氏。今着目しているのは起動方法だといいます。

「普段はリンクサーバから高速起動させ、不具合発生時はクラウド側から直接起動させるというのを自動で行えるようにしたいです。システム更新は一度終えると4,5年先までそのままというケースが多いですが、その間にユーザーの需要も変わってきます。パナソニックISは普段からちょっとした相談ができ、その都度信頼できる回答が返ってくるので、今後も期待しています」(松村氏)。

パナソニックISに相談してみる

当社担当からひとこと

今井 規善
一橋大学様は以前から新しい技術に対し積極的にチャレンジされており、技術動向を大変深く調査・研究していらっしゃいました。今回の導入に際しても新たな挑戦が多く、技術的なハードルがありましたが、松村様をはじめとする教職員の方々、また関係会社の皆様の多大なるご協力のおかげで無事サービスインを迎えることができました。
学生さんがいかに便利に利用できるかを熟考した案件で、私自身、技術面やユーザを意識した姿勢という意味で多くを学ばせていただきました。今後もさらなるお役立ちができればと考えております。
取材︓2020年7月3日 
※当サイトに記載された社名および商品名などは、それぞれ各社の商標または登録商標です。
※当サイトの記載内容は取材日時のものです。内容および対象商品については、予告なく変更する場合があります。
CONTACT

煩雑で大変な教務・業務を
ITシステムで今すぐ楽にしませんか?

ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください
お役立ち資料は
こちらから

関連記事