各学部・学生のニーズに応えるため、さらなる進化を目指す
――両システムの構築を受け、鳥取大学様としてはどのような展望を描いていますか。
三好氏 データ分析は大学として目指す教育改革に向け、データレイク構築と各システムの連携を進めようというのが出発点でしたが、大学側の構想に加えて各学部それぞれの分析ニーズも数多くあります。今回、全学共通のシステムを構築してきたことで、各学部の細かなニーズにも応えられる体制が出来上がりつつあります。今後はそうしたニーズを吸い上げ、分析の成果を出せるように、パナソニックISの力も借りながらシステムを育成していきます。
レコメンドに関しては、在学生のみではなく卒業生にも活用してもらうことで、たとえば銀行に就職した卒業生のログから銀行で活躍するにはどういったスキルが必要で、そのためにはどういうコンテンツで学ぶのがいいのかというデータを収集し、在学生に還元できます。こういった発展的なログ活用を実践し、将来的には他大学の学生ともログを共有することで、大学を超えた学びを促進できると期待しています。また、県や地域と連携しながら大学の学修コンテンツやレコメンド機能を県民の皆さんや社会で働く企業の方と共有するなど、誰もが学びたい時に学びやすい環境を整備し、鳥取デジタルキャンパスの様な学びの一大コンソーシアムを形成するといった地域貢献も進めていきたいと考えています。
レコメンド機能の人財育成への活用について
――DX推進計画では最新技術活用も挙げていましたが、先進的取り組みとして「Virbela」によるバーチャルクラスルームを導入しているそうですね。
三好氏 はい。当初はコロナ禍で学生が大学に来られない状況でも学びを止めないことが目的でしたが、現在はバーチャル空間での授業やアバター同士のコミュニケーションをはじめ、さまざまな活用を始めています。たとえば医学部のあるサークルでは、学生が入院中の子どもたちへの学修支援や交流をメタバース空間で創造しています。こうした取り組みも教育改善の参考にするため、得られたデータの分析を進めているところです。
――最後に、今後のさらなるシステム活用を踏まえ、パナソニックISへの期待をお聞かせください。
三好氏 本学が目指す未来の実現に向け、何が必要で、どういう取り組みをしていけばいいのか、今後も企業ならではの視点からアイデアを出していただければありがたいですね。引き続きご協力をお願いします。