プライベートクラウド併用ハイブリッドクラウドを構築
知見を蓄積し、さらなるクラウドシフトを目指す

比治山大学・比治山大学短期大学部は、建学の精神・理念“「悠久不滅の生命の理想に向かって精進する」 人間を育成する”のもと、2学部5学科、短期大学部3学科、大学院・専攻科において、約2,000人の学生が学んでいます。その同学は、サーバのリプレースにあたり、クラウド化を大きなポイントに掲げました。今回、学内に点在するサーバをパブリッククラウドとプライベートクラウドに移行したリプレースの取り組みをご紹介します。
導入のポイント
豊富な経験と分析力をもとに、ハイブリッドクラウドへの適切な仕分け
教育機関に必要なセキュリティ対策を考慮したファイアウォールとバックアップの提案
水準以上の機器選定と高い構築力、優れたコストパフォーマンスによるリプレース
課題
  • 学内に点在する各種サーバをハイブリッドクラウド化したい
  • さらなるクラウドシフトを見据えた知見の蓄積が必要
  • 最新トレンドに対応するセキュリティ対策が必須
解決
  • 各種サーバをハイブリッドクラウド運用
  • 教育機関の支援実績とクラウドシフトの豊富な事例を伝授
  • 業界を牽引するセキュリティ対策提案

定期リプレースのポイントはクラウド化

――リプレースの背景とポイントについてお聞かせください。

鹿江氏 5年に一度のサイクルで行う定期なリプレースとなります。今回のリプレースは、クラウド化を大きなポイントに掲げました。まず、世の中の時流はクラウドの活用がスタンダードになってきていると感じます。しかも、今後はさらにクラウド化が加速していくと予想できます。クラウド化が進めば、大学における業務内容が変わるだけでなく、業務の構造自体も変わってくるでしょう。大学というビジネスモデルが変わっていく可能性もあります。社会からかけ離れた存在にならないために、本学もクラウド化に取り組む必要がありました。

また、校務の情報化を推進する文部科学省は、「大学の革新的な機能強化・イノベーション創出のための学術情報基盤整備について -クラウド時代の次期学術情報ネットワーク(SINET5)の在り方-」のなかで、「クラウド化にはさまざまな側面でイノベーションを創出する効果が期待されることから、大学等は積極的に取り組むべきである」(※https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/031/attach/1348337.htm)と述べています。こうした面からも、今回のリプレースにおけるクラウド化の推進は重要なポイントでした。
学校法人比治山学園 比治山大学 情報メディアセンター長 鹿江 宏明 氏

ハイブリッドクラウドでの運用を視野に

――リプレースの要件と適切なベンダーを選定するためのRFP(Request for proposal:提案依頼書)を作成されたと伺いました。その内容をお聞かせいただけますか。

天野氏 要件としてまとめたのは以下の6項目です。

①クラウド化の推進
②学内に点在する個別のサーバを集約し、仮想基盤で効率的に運用
③データセンター活用によるBCP対策
④ユーザーサービスの維持および機能向上
⑤セキュリティの向上
⑥コストパフォーマンス


①~③は前述したクラウド化に関連する要件です。クラウド化の推進は大前提ですが、一度にすべてのシステムをクラウド化するのは、時間とコストに無理があります。我々としては、いくつかのステップに分けて、費用対効果を考慮しながら徐々に移行を進めるスモールスタートを考えていました。今回のリプレースはそのファーストステップとなります。

今回はデータセンターの仮想基盤をプライベートクラウドと捉え、それを併用するハイブリッドクラウドでの運用を視野に入れていました。具体的には、学内に点在するサーバを洗い出し、精査を行ってクラウドとプライベートクラウドに分けて移行する構想です。BCP(business continuity planning:事業継続計画)対策のため、学内のシステムを外に出すことが重要と考えた部分もあります。
④については、ハイブリッドクラウドに移行してもパフォーマンスに影響がないことを要件としました。⑤はファイアウォールのリプレースとなります。5年前と現在とではセキュリティ対策の状況が変わっていますから、巧妙化するサイバー攻撃を防御できる最新のファイアウォールが必要になります。⑥は①~⑤の要件におけるパフォーマンスとコストのバランスを要件としました。

――リプレースにあたり、ベンダーの比較・検討はされたのでしょうか。

下田氏 当学とお取引がある数社のベンダーにお声がけさていただき、RFPをもとにリプレースの提案をお願いしました。パナソニックISはその1社です。2019年のパソコン教室支援が最初のお付き合いで、2020年にはオンライン英語学習のCALL(Computer Assisted Language Learning)教室を支援していただきました。さまざまな提案や他ベンダーとの調整などを通じて、スムーズに進めていただいたこともあり、良い印象を抱いていました。そこで今回、お声がけした次第です。

学校法人比治山学園 比治山大学 法人事務局次長 天野 博司 氏

クラウドの知見とコンサルティング力を評価

――パナソニックISをベンダーに選定した理由をお聞かせください。

<ハイブリッドクラウドにおけるコンサルティング>
天野氏 5年後のセカンドステップに相当するリプレースのさらなるクラウドシフトを見据え、今回はクラウドの知見を蓄積するための試験的なリプレースという側面がありました。本学としては世の中の時流にそってパブリッククラウドの知見を貯めたいということもあって、学内で領有しているサーバの切り分けは、パフォーマンスやコストをもとに、現段階ではどのサーバをパブリッククラウドに持っていくのがベストかを検討し、2割をパブリッククラウド、8割をプライベートクラウドに移行する方針を固めて、提案を募りました。パナソニックIS提案のMicrosoft Azureは、この方針に的確に対応したものであり、高く評価しています

<安心のセキュリティ対策>
天野氏 パナソニックISからは、セキュリティプラットフォームの分野で世界をリードしているパロアルトネットワークス社のファイアウォールを提案いただきました。リプレースにあたっては、他社のファイアウォール製品という選択肢もあり検討していたところ、パナソニックISからパロアルトネットワークス社のSEをご紹介いただき、セキュリティ対策の重要性や製品の特徴など伺う機会を設けてもらいました。さらに、本学の予算を考慮した価格も提示いただきました。セキュリティを重視する本学の方針もあって、今回もパロアルトネットワークス社のファイアウォールを選定することにした次第です。
リプレース前のファイアウォールがパロアルトネットワークス社の製品だったため、移行も円滑に行うことができ、この点も評価しています

さらに、バックアップにおいてはVeeamを提案いただきました。ランサムウェアの侵入を予防・検知監視し、変更できない状態でデータをバックアップするなど、強固なセキュリティ対策機能を有していることに心強さを感じました。

<水準以上の仕様とコストパフォーマンス>
天野氏 本学が必要とする機能やサービス、それを実現するための機器は、一定以上の水準に達していることが必須要件となります。これらに対し、最適なコストで提案いただいたのがパナソニックISです。先ほどのファイアウォールを含め、バランスが良く納得できるコストパフォーマンスだと感じました。

――現在の運用状況とパナソニックISへの評価をお聞かせください。

天野氏 2023年10月から運用を開始し、大きなトラブルもなく安定したパフォーマンスで稼働しています。安定稼働しているが故に、目的の一つである「クラウドの知見蓄積」で、トラブルへの対応方法等の知見が蓄積できていないのですが、トラブルがあっては困りますから、贅沢な悩みですね。
パナソニックISは提案から構築、サポートまで、柔軟かつ適切に対応していただいています。最近、SEの方が代わられましたが、全体をしっかりコントロールできている点に変わりありません。どのSEの方も、高いスキルがあるという認識です。

学校法人比治山学園 比治山大学 法人事務局 図書・情報メディア課 下田 祐司 氏

さらなるクラウド化の推進とネットワークのリプレースを見据える


鹿江氏 次回のリプレースは5年後ですが、今から3年後には検討を開始し、4年後には次の仕様を策定しなければなりません。本学としては、しっかりスピード感を持って対応していきたいと考えています。
また、今後はパソコン教室やネットワークのリプレースも必要になります。2023年にはパソコンを必携化したため、
リプレースの際には「学生自身のパソコンを使った学習に必要な学内環境づくり」「令和の時代における比治山大学の授業スタイル」という観点が求められます。パソコン教室自体の在り方やネットワークのセキュリティなどを考慮しながら、慎重に検討していくつもりです。
本学の特性と規模を見定め、最適な機器やシステムを提案するのは、パナソニックISの得意分野だというのが今回のリプレースで分かりました。それを踏まえ、さまざまな大学のIT基盤に携わってきたパナソニックISには、知見の共有と豊富な経験に裏打ちされた適切なコンサルティングを期待しています。引き続き、本学に寄り添うご支援をお願いします。

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当社担当からひとこと

田籠 彰
比治山大学様が当社にとって初めてのお客様になってから丸5年が経ちました。PC教室のネットブートシステムから始まり、語学教室のCALLシステムや必携PCの導入をお手伝いさせていただき、今回全学サーバ基盤の支援まで出来た事は大変幸せに思っております。今後はITの情報はもちろんのこと、大学経営についてもご参考にしていただける情報提供を行っていきたいと考えております。
取材︓2024年5月20日 
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