場所を選ばず快適に学習できるBYOD環境実現に向けて
運用管理ノウハウが蓄積可能なPoCでスモールスタート

運用管理の負担やコストの削減に貢献するパナソニック インフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)のネットブートPCシステムOSVを用いてPC教場を構築し、ICT教育を推進してきた駒澤大学。学生が所有するPCを持ち込んだ授業の増加を踏まえ、今回のリプレースではBYOD環境の構築を決断しました。これに対し、より良い運用方法をBYOD教室でのPoCで模索していくスモースタートを提案したパナソニックISとの取り組みの模様をお伝えしていきます。
導入のポイント
教育機関の知見が豊富なパナソニックISに提案により、より良いBYODの運用をPoCで模索
AVDやタブレット&画面共有ツールの導入など、ノウハウを蓄積できるBYOD教室を構築
ネットブートPCシステム OSVをブラッシュアップし、PC起動の高速化や耐障害性向上を実現
課題
  •  多く学生が所有しているPCを活用しBYODを推進したい
  •  目指すべきBYOD環境の方向性が手探りで必要な知識も不十分
  •  月曜日はPC教場のPC起動が遅いため起動速度を改善したい
解決
  • 3つの自習室を1つのBYOD教室に変更し運用管理の負担を軽減
  • 最適なBYOD環境の構築はPoCによるスモールスタートから
  • フルキャッシュの仕組みで速度低下を解消しブートサーバも削減

2005年からネットブートPCシステム OSVを活用

――今回のリプレース前のPC教場は、どのような学習環境だったのでしょうか。

武田 氏 当学はICT教育推進のためPC教場を整備していますが、学年・学部学科ごとに授業内容や使用アプリケーションが異なり、運用管理とコストに課題がありました。教場別に環境を用意すると管理負荷が増大し、統一すると一部専用アプリの全台分ライセンスが必要でした。そこでパナソニックISの支援で、教場別マスターイメージをサーバで一元管理し、そのマスターイメージで起動する仕組みのネットブートPCシステム 「OSV」(2005年導入、前身製品を含む)で起動する方式を採用しました。
必要な教場だけに必要なアプリケーションを提供でき、更新や切替も迅速になり、管理効率化とコスト削減を実現。教育ニーズの多様化にも柔軟に対応できる運用基盤を確立できました。
学校法人駒澤大学 総合情報センター 情報ネットワーク課 武田 亨也氏

学習環境を選ばず、負荷低減も期待できるBYODを推進

――今回のリプレースで求めた要件をお聞かせください。

武田氏 大部分の学生がPCを所有している状況を踏まえ、BYODの推進を大きな要件に掲げました。すでに一部の学部学科ではBYODを取り入れた授業を行っていましたが、最近は他の学部学科でもBYODを利用した授業が増加。学生がPCを持ち込んで授業を行うスタイルが浸透してきたことを受け、今がBYODを推進する適切な時期だと判断しました。

前川氏 学部学科で異なるアプリケーションをどうするかという課題がありましたが、近年はVDI(Virtual Desktop Infrastructure)が普及してきており、課題はクリアできると考えました。もちろん、統一環境が必要な授業やBYODのPCスペックといった諸問題があるため、PC教場をなくすことはできませんが、BYODが定着してくれば、学生が学習する環境を限定する必要はなくなります。また、PC教場の削減も可能になり、運用管理の負荷やコストのさらなる削減が期待できます。
株式会社SRA ネットワークシステムサービス第1事業部 ITインフラ第1部 前川 和也氏
森氏 もう1点、PC教場に設置しているPCの起動時の高速化も要件でした。とくに週始めの月曜日は、週末に行う週次タスクのイメージ更新でキャッシュがクリアされてしまうため、PC起動の速度が低下してしまい、教職員から「かなり待たされる」と声が聞こえていたため、今回のリプレースでこの課題を解決したいと考えていました。
株式会社SRA ネットワークシステムサービス第1事業部 ITインフラ第1部 森 寛通氏

ポイントはBYODの運用方法を模索するPoCの提案

――ベンダーの比較・検討はされたのでしょうか。また、パナソニックISをベンダーに選定した理由もお聞かせください。

前川氏 数社のベンダーにRFP(Request for Proposal:提案依頼書)をお渡しし、それに基づいた提案書をベースに比較・検討させていただきました。そして、最終的には従来通り、コストを加味して選定しました。
パナソニックISを選定したポイントは2点あります。ひとつは「PoC(Proof of Concept:概念実証)を通じてBYOD環境を構築していく」という提案です。当学としてはある程度BYOD環境をつくり込むことを想定していましたが、パナソニックISいわく「安価な買い物ではありませんから、1~2年はあまりコストをかけず、PoCという形で駒澤大学様に合う運用を模索し、その結果を踏まえて本格的なBYOD環境の構築を推進していくことをおすすめします」と提案いただきました。確かに場所を選ばないBYODの学習環境を構築したいと考えてはいましたが、明確な方向性や仕組みまで決めていたわけではありません。我々の知識も十分とはいえない状況でした。ですからパナソニックISの提案は、当学のことを考えていただいたものと認識することができました。

武田氏 もうひとつは、当学のICT基盤を知りつくしている安心感です。20年以上に渡って、私が担当になる前から支援いただいていますから、パナソニックISに任せておけば安心なのは間違いありません。もちろん、ゼロベースで比較・検討しましたが、パナソニックISからの提案は当学が求めているものでしたから、コストが合えばお願いしたいと考えていました。

――リプレースのプロセスを教えてください。その際、パナソニックISの対応はいかがでしたか。

森氏 2025年4月からスタートし5月にキックオフ、9月には無事サービスインとなっています。構築のピークが夏休みにかかってしまい、想定より作業日数が足りない状況でしたが、とくに支障なくスムーズに対応いただきました。また、同じタイミングで事務PCのリプレースもパナソニックISにお願いしていましたが、遅延などは発生していません。フレキシブルなスケジュール調整だったと高く評価しています。

OSVの運用管理における負担を軽減

リプレースの効果をお聞かせください。

武田氏 リプレース前は8つのPC教場、3つの自習室で計11種類のマスターイメージがありましたが、リプレース後は8つのPC教場、1つのBYOD教室(PoC用)でマスターイメージは8つとなり、運用管理の負担が軽減されました。また、リプレース後のOSVは安定稼働しており、教職員からのクレームもありません。

前川氏 PC起動の高速化にも対応いただきました。週次タスクのイメージ更新後にフルキャッシュさせる仕組みに変更したことで、月曜日の朝に発生していたPC起動の速度低下は解消しています。また、フルキャッシュにともない、ブートサーバの台数は4台から2台に削減。運用管理の負担軽減という効果もありました。このほか、サーバ構成をRAID6に変更し、耐障害性も大幅に向上しています。

理想的なBYODの環境をつくるため、1年間はPoCを実施

BYOD教室に構築したPoCの環境を教えてください。

前川氏 パナソニックISとミーティングを重ね、いくつかの提案をいただきながら以下の環境をBYOD教室に構築してPoCを実施しています。

<AVD環境を構築>
前川氏 VDIとしてAVD(Azure Virtual Desktop)の環境を構築しました。まずはPoCということで、シンプルなAVD構成にしてもらい、アクセスした際の見せ方や状況に応じたシステムのON/OFFなどを確認しています。

AV環境の標準化とタブレットの導入>
武田氏 以前、BYOD教室は自習室だったため、授業を行うためのAV環境は整っていませんでした。そこで、吊り下げ式のプロジェクターや天井埋め込みスピーカーを設置するなど、他のPC教場と同等のAV環境を構築しました。また、グループワークを主体とした授業を想定し、教員が教室を動き回りながらでもAV機器を操作できるタブレットを導入。グループ間を異動しながらプロジェクターのスクリーンの上げ下げや画面の切り替え、ビデオの操作などを行えるようにしました。

<WING-NET Cloudで画面共有環境を実現>
PC教場では、WING-NETというツールを使って教員のPC画面や学生のPC画面を共有できるようにしています。しかし、BYOD教室は学生が所有するPCを利用するため、WING-NETは利用できません。そこで、BYOD教室ではWING-NET Cloudを導入し、指定のURLからログインすることで画面共有できる環境を実現しました。

――最後に今後の展開とパナソニックISに対する期待をお聞かせください。

武田氏 まずは1年間、BYOD教室を教職員の方々に触ってもらい、できれば授業も行っていただきます。その教職員の意見をフィードバックしながらノウハウを蓄積し、学習場所を選ばないBYOD環境づくりに役立てていくつもりです。AVD以外にソフトウェア配信システムも試してみたいという意見も上がってきていますから、PoCは順調に進んでいると思います。ロードマップとしては、1年後の令和9年度予算申請のタイミングである程度判断できる状況に持っていきたいと考えています。
このPoCの取り組みを推進するには、パナソニックISの支援は欠かせません。今以上に知見やノウハウの共有が必要になる思っていますので、引き続き手厚い支援を期待しています。

分銅氏 この度、PC教場システムのリプレースが完了し、運用を開始いたしました。旧システムにおいて課題となっていた安定性や運用管理への負担が大幅に改善され、授業・学習環境が大きく向上するとともに、今後のBYODへの取り組みを推進する基盤が整いました。
今回のリプレースにより、学生・教職員の皆様には、より快適で質の高い教育環境を提供できるようになり、本プロジェクトの遂行にあたり、多岐にわたる課題に対し、迅速かつ的確な対応でご尽力いただきましたパナソニックISには感謝申し上げます。
学校法人駒澤大学 総合情報センター 情報ネットワーク課 インフラ係 係長 分銅 淳至氏

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当社担当からひとこと

吉田 進
今回のシステム更新は、①月曜1限の授業開始遅延の解消、②BYOD授業環境の整備の二本柱でした。①について、機能アップしたネットブートソリューションで解決を図り、教員・管理者双方にご満足いただけるものがご提供出来ました。②については、学校様と一緒に模索・検討を重ね第一弾としてご提供できるものになったかと思います。BYODでの授業環境をこれからも進化させるべく、学校様の良きご相談パートナーとなれるよう伴走していきたいと思います。

取材︓2025年10月21日
※株式会社SRAは駒澤大学のPC教場システム運用を担当しております。 
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