消費電力の実データを教材として活用したい
建築学棟を緑で彩るのは、壁面に植えられたさまざまな植物たち。「学内の環境配慮のシンボルとして、2008年の耐震改修工事にあわせ壁面緑化を施しました」と、都市イノベーション研究院 准教授の吉田聡氏は建築系学科ならではの試みを語ります。
「この建築学棟には、フロア全体に自然光が行き渡るガラスの間仕切りや、本棚としても活用できる格子状の耐震補強材など、いろいろなしくみを取り入れました。ただし建築のアイディアには必ず一長一短がありますから、学生にはメリットとデメリットの両方を理解してほしいと考えています。明るさや空調効率など、 実際に体感して学ぶことができるので、建物全体が教材になっていますね」(吉田氏)。
一方、消費電力量を測るため、耐震改修工事と同時に設置されたのがパナソニック製の「多回路エネルギーモニタ」でした。地下1階から8階までの9フロアで細かく計測されたデータは情報の宝庫。もともとは同学の施設部が導入したものでしたが、研究的・教育的な利用を目的に、エネルギー研究を専門とする吉田氏が引き取ったそうです。
国立大学法人横浜国立大学 大学院 都市イノベーション研究院 准教授 吉田 聡 氏