eneviewを導入
節電意識向上と電力使用状況の関心度アップ

国立大学法人東京海洋大学様(以下、東京海洋大学)では2010年度より、東京都の環境確保条例にもとづいた年8%のCO2削減活動を実施。設備面での取り組みに加え、学内にも省エネ行動を積極的に呼びかけたいとの思いから、2012年3月に消費電力"見せる化"システムを導入されました。お選びいただいたのは、パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)の環境監視ソフトウェア「eneview(エネビュー)」です。
課題
  • 学内の省エネ意識を高めたい
  • 一目で分かる画面で電力使用状況を伝えたい

解決
  • 省エネ活動の新たな一歩を踏み出せた
  • グラフィカルなカスタム画面で、電力使用状況の関心度アップへ

学内の省エネ意識を高めたい

東京海洋大学のキャンパスは品川と越中島の2拠点。それぞれに歴史を持つ旧東京水産大学・旧東京商船大学の校地を引継ぎ、重要文化財に指定されている帆付汽船「明治丸」や登録有形文化財の校舎などをそのキャンパス内に持つことからも、130年を超える歴史と伝統をうかがい知ることができます。東京海洋大学は国内唯一の海洋系大学として、環境への配慮・省エネ活動に積極的に取り組んでおられます。財務部施設課設備係長の寺尾信一氏はその取り組みについて次のように語ります。

「省エネ法にもとづき、大学全体で活動を推進しています。特に品川キャンパスについては東京都の環境確保条例※1により、2010年度から毎年8%のCO2削減が義務付けられることとなりました。これを受け、まずは古い空調機220台をトップランナー※2の省エネ型機器に、その後も水冷式チラー※3をガス空調機に替えるなど、設備面での省エネに取り組んできました」。

※1 環境確保条例:「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」の略称。
※2 トップランナー:省エネ法にもとづいて指定される、最も省エネ性能が優れている機器のこと。
※3 チラー:水や熱媒体を温度管理しながら循環させ、さまざまな種類の産業機器、計測機器、食品加工機器、理化学機器などの温度を一定に保つための装置の総称。

国立大学法人東京海洋大学 財務部 施設課 設備係 係長 寺尾 信一 氏
15%の節電を課する電力使用制限令※4が発動した昨夏は、学内へ節電を大きく呼びかけ、これをなんとかクリアしたといいます。今年はそれがなく「せっかく盛り上がった省エネ意識が薄れてしまった」と寺尾氏は懸念の様子です。

「品川キャンパスには依然CO2削減義務が課せられており、これも決して容易な目標ではありません。また、研究に必要な電力の削減は、先生方が主導で進めなければ実現が難しいのです。先生や学生さんの省エネ意識を高めるべく、現状を自分の目で見てもらわなくては、と考えました」(寺尾氏)。

※4 電力使用制限令:電気事業法にもとづき、電気の供給不足を回避させる目的で、大口需要家(契約電力500キロワット以上)の使用最大電力を制限する措置。

一目で分かる画面で電力使用状況を伝えたい

こうして消費電力“見せる化”システムの検討がスタート。導入に際しては、電力使用状況をWeb照会できることが必須条件でした。「システムログインの手間をとらせず、かつ一目で分かるようなグラフで単刀直入に見せたい。カスタマイズが必要でしたが、“見てもらえること”を重要視しました」と財務部施設課設備係の鈴木隆夫氏はこだわりを語ります。

そのような中、詳細なカスタマイズに応じられる点が評価され、パナソニックISの「eneview」が採用されたのです。性能とコストのバランスに優れていたことも決め手の1つだったといいます。
国立大学法人東京海洋大学 財務部 施設課 設備係 鈴木 隆夫 氏

グラフィカルなカスタム画面で、電力使用状況の関心度アップへ

大学在籍者ひとりひとりに、電力使用状況を自分の問題として捉えてほしい―。2012年3月、省エネ啓蒙を目的とした“見せる化”活動が始まりました。

品川キャンパスと越中島キャンパス、そして両キャンパスの学生寮にも、パナソニック製の「多回路エネルギーモニタ」「LAN対応ユニット」を設置。計測データは越中島キャンパスのサーバルームで一元管理しました。 “見せる化”画面は、各拠点ごとにその日の累積電力量、前日実績の目標比などをリアルタイムで数値表示し、1時間ごとの電力量を前日実績とあわせてグラフ化しました。見やすさにこだわり、1画面ですべての情報を一覧できるようになっています。
「この画面は学内向けとして、eneview本体の画面とは別に作ってもらいました。教職員用ポータルサイト上で見られるようになっています。施設課側からすると本当はいろいろな情報を載せたいわけですが欲張るとインパクトが下がります(笑)。現時点の使用状況と前日との比較、この2点がはっきり簡潔に分かるようにしてもらったのが良かったと思います」と、寺尾氏は笑みを浮かべます。

“見せる化”開始より4ヵ月。学内での手ごたえはいかがでしょうか?

「これまでの取り組みの効果もあり、暑くてもエアコンを我慢されるなど、多くの先生方に協力をいただいています。ただし一方で、魚など生物を飼育している研究室では、生息環境の維持と省エネとの兼ね合いがまだ掴めていないことも事実です。今はスタートラインに立った状態。これからは、より細かな計測を行うなどしてさらなる協力を促していきたいですね」(寺尾氏)。

キャンパスクリーン活動の実施や電池推進船の研究開発など、環境保全へ精力的に取り組んでいる東京海洋大学。環境に配慮する土壌があるなかで、寺尾氏は「さらに“見せる化”を進め、省エネのアピールを強めたい」とその推進計画を語ります。

「計測をキャンパス単位から建物単位に細分化し、棟や学科ごとの分析をしたいと考えています。また、これからは大学会館など学生が集まる場所にモニターを置き、リアルタイムの状況を映し出すこともしていきたいですね。我々は教育・研究のバックアップという立場ですが、後押しという形で今後も多くのことに取り組んでいくつもりです」(寺尾氏)。

省エネ活動の新たな一歩を踏み出した東京海洋大学では、意識啓蒙に向けた大きな期待が膨らんでいます。さらなる効果を生み出すべく、パナソニックISもお手伝いを続けてまいります。

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当社担当からひとこと

岩本 欣也
“見せる化”画面についてはお客さまと何度も打ち合わせを重ね、意見を出し合って形にしていきました。 当社の強みを活かし、電力使用状況のオンライン・リアルタイム監視や、画面カスタマイズでお役に立つことができました。電力監視は、データが蓄積すればそれだけ分析効果が拡大します。大きな目標に向けスタートを切られた東京海洋大学様の取り組みに、全学の詳細“見える化”や公式ホームページなどへの展開で、さらなるご支援を続けていきたいと思います。
取材︓2012年7月27日 
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