Smart Attackを導入
タブレットで品質管理の精度向上

株式会社ニチリン白山様(以下、ニチリン白山)は品質のレベルアップとして、軽微な不良の見える化活動を強化すべく、紙で推し進めていましたが「紙がなかなか回収できない」「タイムリーに社内展開できない」などの課題を抱えていました。改善活動のための、紙配布、回収などの付帯作業が製造管理監督者の大きな負担にもなっていたことから、同社ではシステム化を決定。現場報告サービス「Smart Attack※」を導入し、記録方法を紙からタブレットに変えることで、品質管理の精度向上と効率化を実現されました。

※Smart Attackは、株式会社G-Smartの製品です
課題
  • 不良内容を見える化し、即展開・対策できる体制を作りたい
  • 管理監督者には、作業者と共にものづくりに集中してもらいたい

解決
  • のべ38時間/月掛かっていた回収・整理作業がゼロに!即展開可能になった
  • データがどんどん蓄積されるから、高精度な分析を行えるようになった

紙による品質管理は負担大

ものづくりの基盤として、品質は欠かすことのできない重要なもの。ニチリン白山では工場の品質管理の取り組みとして製品不良の内容を見える化する活動を行っていましたが、紙による管理がいくつかの課題を生んでいました。代表取締役社長の小林 真一氏は次のように振り返ります。

「①不良内容を専用用紙に記録し、②用紙回収後にExcelへ入力、整理し、③書類で関係者へ展開するという方法をとっていました。しかし手間が掛かるので、週次ミーティングで『先週分はまだ回収できていません』ということがたびたび起こっていたんですね。とはいえ本来の製造業務+αの要求なので無理に回収させることもできず、ジレンマを抱えていました」。製品品番の書き間違いなどもあったため、集計にはかなりの時間を要していたといいます。
株式会社ニチリン白山
代表取締役社長
小林 真一 氏

タブレットの可搬性と大画面に着目

紙による管理には限界がある。そこで同社が目をつけたのはタブレットでした。導入を担当した株式会社ニチリン GMI推進部の栗本 千鶴氏は「工場内での持ち運びやすさと画面の見やすさ、どちらも両立できますし、不良箇所の写真もデジカメより簡単に撮ることができます。ニチリン白山としては初めてのタブレット導入でしたが、動画マニュアルなど別の用途にも使えるため、コストパフォーマンスは高いと考えました」と語ります。
株式会社ニチリン
GMI推進部
栗本 千鶴 氏

対応OSの幅広さと汎用性の高さからSmart Attackを選定

次に行ったのはアプリケーションの選定です。半年掛けて3,4製品を試しながら検討し、最終的に現場報告サービス「Smart Attack」をお選びいただきました。「決め手となったのは、iOS/Androidの両方に対応している点、テンプレート次第で幅広く活用できる汎用性の高さ、簡単な操作性、そして価格でした」(栗本氏)。

利用促進のコツは、入力項目を絞ること

2017年9月、まずは2台のタブレットで「新・見える化活動」を開始したニチリン白山。利用促進のために工夫したと品質技術部 品質課 係長の石田 克洋氏は語ります。

「まず入力テンプレートを作る段階では、担当者が楽に入力できるよう、項目を必要最低限に絞り込みました。またパナソニックISに提案してもらい、品番やロットなどの情報は、工程管理用の管理カードのQRコードから読み込むようにしました。担当者はQRコードをスキャンし、不良分類を選択し、処置前/後の写真を撮って処置数を入力すれば完了です。入力が大変だと使われなくなってしまうので、ここはこだわりました」。

石田氏は社内へのPRも行いました。「今まで漠然としか分かっていなかった不良事象を数字で言えるようになる、業務が楽になるとプレゼンしました。現場の方々も好意的で、どんどん利用してくれました」。
株式会社ニチリン白山
品質技術部 品質課 係長
石田 克洋 氏
管理カードのQRコードをバーコードリーダーでスキャン
撮影した写真には書き込みも可能

検討・対策が圧倒的にタイムリーに!業務負担軽減にも

数ヶ月ですっかり現場に定着し、現在はタブレット台数を増やして活用されているSmart Attack。現場からの入力内容は、クラウドでリアルタイムに確認できるようになっています。

「入力完了と同時に関係者へ展開できます。これまで1週間、1ヶ月遅れていたのに比べると圧倒的にタイムリーになりました。他拠点からも見られるため、ニチリンのマザー工場とデータを共有しながら処置方法を相談することも簡単です」(小林氏)。 従来は月にのべ38時間掛けて用紙の回収・整理を行っていたそうですが、この作業がなくなったことで、業務負担も大きく軽減。本来の製造業務に集中できるようになりました。

蓄積データをもとに高精度な分析

2018年1月からは、Smart Attackに蓄積されたデータをもとに不良要因の分析を開始。Smart AttackのCSVデータを分析ツールに連携してグラフ化しています。

「今まで不良要因の傾向に確証が持てていなかったのは、元のデータが不鮮明だったから。今はクリアなデータで品番単位、1週間単位など切り分けられるので、重要度の高い事象からピンポイントに対処できるようになりました」(石田氏)。

国内外のさまざまなシーンで活用予定

実は、メキシコの子会社でも既にSmart Attackを活用しているニチリングループ。今後はインドの子会社へ展開するほか、ニチリン白山内でも新たな活用を計画しているといいます。

「インドではマザー工場への相談事を写真付きで送信するといったメモ書きレベルから始めようとしています。また、ニチリン白山では廃棄物発生量の見える化と設備メンテナンスの記録に活用予定です。Smart Attackはさまざまな使い方ができるので、パナソニックISには事例を交えた幅広い提案を期待しています」(栗本氏)。

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当社担当からひとこと

川本 清志
本プロジェクトでは、栗本様、石田様のお力により、スムーズに導入へと運ぶことができました。本番運用を開始してまだ3ヶ月程度ですが、既に効果が出ているとお聞きしております。特にバーコードリーダーと連携して品番入力を行うようにしたことで、入力ミス防止と効率化に大きな効果を感じていただけたことは嬉しく感じております。
今後も、様々な場面でSmart Attackを活用頂き、ニチリン様の経営により一層のお役立ちができればと考えております。
取材︓2018年1月26日 
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