RPAソリューションを導入
50業務を自動化、月400時間の削減

ミツワ電機株式会社様(以下、ミツワ電機)は、働き方改革のためにRPAによる自動化を実現されました。RPAツールには、ヘルプデスクの対応と操作性が優れていることからパナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)が提案した「ロボオペレータ」が採用されました。
現在、管理業務を中心に50業務をロボオペレータで自動化し、人間の処理時間に換算して月400時間を削減されています。落とし穴の多いRPA導入を成功に導いた秘訣について、詳しく伺いました。
課題
  • 働き方を変えるために業務を効率化する
  • 自社に合ったRPAツールを選定する

解決
  • 50業務を自動化
  • 月400時間を削減

効率化できそうな業務が85業務あった

ミツワ電機がRPAの検討をスタートさせたのは、働き方改革に資するテクノロジーとしてRPAが脚光を浴び始めた2017年のこと。きっかけはITベンダーからRPAの提案を受けたことだったと情報システム部 主任の須田千晶氏は語ります。

「いくつかのITベンダーからRPAの提案を受け、ミツワ電機グループでも利活用できるか情報収集から始めていました。当時プロジェクトとして発足されていた生産性向上プロジェクトの中で意見交換をしたところ、管理部門の中で効率化できそうな業務が85業務上がりました。RPAツールの検討とともに業務の可視化を進め、3種類のRPAツールを利用し効果測定を行いました。その結果、ロボオペレータを導入することに決めました」。
ミツワ電機株式会社
情報システム部 主任
須田 千晶 氏

業務ごとに作業人数、頻度、処理時間を算出

管理部門のうち、他部門と比べ残業時間が多く人員不足だった経理部からRPAを試験的に運用することになりました。経理部の抱える業務は、それぞれの処理時間や実施頻度もさまざまでした。須田氏は確実に効果が出る、導入効果の高い業務からロボット作成に取り掛かったといいます。

「業務ごとに作業人数、頻度、処理時間を算出し、開発する優先順序を決めました」(須田氏)。

「ロボオペレータなら開発・運用・推進を同時に行っていける」と確信

次はRPAツールの選定です。実担当が1人だったため、いくつかの製品を検証するなかで重視したのは「ヘルプデスクの対応」と「開発のしやすさ」でした。

「ツールによってはヘルプデスクに質問しても回答に1週間近くかかったり、違う回答が返ってきたりと歯がゆく感じることがありました。その時期にパナソニックISからロボオペレータを紹介してもらいました。ヘルプデスクの対応が非常に早くすぐに問題を解決することができ、操作性もよく開発スピードが上がると感じました。ロボオペレータなら、開発しながら日々の運用と社内への推進を同時に行っていけると確信しました」(須田氏)。

50業務が自動化、月400時間を削減

こうして2019年7月にロボオペレータを導入。2年経つ現在では、経理部だけでなく営業部門にも展開されました。業務手順の見直しも並行して行いながら、積算見積書作成ロボット、商品画像抽出ロボットなど、管理業務を中心に50業務がロボオペレータで自動化されています。

月にのべ8,000分ロボットが稼働しています。ロボットの処理速度は一般的に人間の3倍と言われていますので、人間の処理時間に換算すると月400時間が削減できています。また、処理時間が短い業務でも自動化することにより、処理漏れを防ぎ、利用者の負荷軽減へと繋がっています」(須田氏)。

RPAの落とし穴を回避するには?

まさに魔法のような導入効果が出ているわけですが、RPA導入には落とし穴も多いといいます。成功の秘訣はどこにあるのでしょうか?

各部それぞれ、RPA担当者を選任したことです。そのRPA担当者に現場と情報システム部の橋渡し役になってもらいました。RPAの説明やエラー連絡は必ずRPA担当者に説明しています」(須田氏)。

こうすることで担当者のシステム理解が進み、スムーズに開発できるそうです。

「そしてもう1つはアジャイル型開発を理解していただくことです。開発段階では、作成したロボットを何度も実行し、分岐やエラーにその都度対応しています。そのたびに、現場にヒアリングを行い進めていきますので、RPAを利用して便利になる、自分の仕事が楽になると理解していただけると忙しい中でも協力していただけています」(須田氏)。

「共通処理」や「全体最適」も重要

さらに詳しく話を伺うと、「共通処理」や「全体最適」といったキーワードも出てきました。

「ひとつの業務に対して1体のロボットを作るのではなく、何体かに分け作成しています。ログイン処理など、複数業務の中で『共通している処理』は1体にまとめ、システムの変更時などすぐに対応ができるよう工夫をしています」。

「そして、例えば見積書の書式が営業所ごとにあった場合、見積書ごとに別々のロボットを開発するのではなく、見積書の書式を統一し全社で運用できるよう全体最適を考慮しています」(須田氏)。

全社展開でさらなる効果を出していきたい

現在は2名体制でRPAの推進・開発を同時に行っているとのこと。今後もロボットの台数・利用部門ともに増やして業務効率化を目指していくと教えてくださいました。

「全社展開できる積算見積書作成ロボットや商品画像抽出ロボットを全国の営業所へ広めたいと計画中です。弊社は取扱いメーカー、商品が多いこともあり、特に見積書の書式は全国で統一されていないことが課題です。常に全国利用できるかを念頭におき、業務統一をしながら確実に効果を出していきたいです。また、8月に基幹システムが新しくなるので、安定稼働をしたらルーチンワークの繰り返し作業の部分はロボット化していきたいと考えています」(須田氏)。

パナソニックISに相談してみる

当社担当からひとこと

古谷 峰一
様々なRPAソフトがありますが、ロボオペレータは、どのRPAソフトよりも簡単で使いやすく、導入のしやすい製品だと思います。
現場ユーザーで利用もできる製品ですが、ミツワ電機様は、情報システムの方が推進し、現場に寄り添ってアジャイル開発されている点が、50もの業務を自動化できている理由だと感じております。
今後は、更なる働き方改革のご支援ができるよう、ご提案できればと思っております。
取材︓2021年6月22日 
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