ロボオペレータで作成したRPAで2つの業務を自動化
業務増で増員した人員をもとに戻し、コスト削減に成功

英語コミュニケーション能力を公平公正に評価する世界基準のテスト、TOEIC(R)Programを提供している国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)。同法人の情報システム本部 IT運営ユニットは、コロナ禍における試験申し込みの殺到でシステム運用業務がひっ迫。この難局をRPAツールのロボオペレータ導入で乗り切りました。今回はRPA導入の背景と経緯、効果などについて詳しく伺いました。
導入のポイント
コロナ禍にTOEIC申込サイトがダウンして以降、IT運営ユニットの業務がひっ迫するように
コロナ禍で増員を余儀なくされた人員を削減するため、RPAツールのロボオペレータを導入
システムの日報業務とアラート受信のフローをRPA化し、1日あたり約2時間の削減効果を獲得
課題
  • 試験の申し込みに上限を設けたがサイトダウンの事態に

  • 業務のひっ迫で人員を増やした結果、人的コストも増大

  • 時間を要する単純作業がさまざまな業務を圧迫

解決
  • 既存業務をRPA化しコロナ禍で増大した業務の対応時間を捻出

  • RPAで得られた削減効果で人員はもとの数に戻る

  • 日報業務とアラート受信のフローをRPA化し月間約45時間を削減

業務システムの運用に携わる部門

――情報システム本部 IT運営ユニットの部門概要をお聞かせください。

吉田氏 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC:The Institute for International Business Communication 以下、IIBC)の情報システム本部は、いわゆる一般企業の情報システム部門の位置付けです。そのなかでIT運営ユニットは、基幹システムやTOEIC Testの申し込みシステムなど、IIBCの運営に不可欠な業務システムの運用に携わる部門となります。その他、情報システム本部には、DXを推進する部門やシステム開発部門、セキュリティ対策を行う部門などもあります。なお、IT運用ユニットは職員以外に、システム運用をアウトソーシングしている日本テクノス社のスタッフにサポートいただいています。
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 情報システム本部 IT運用ユニット 吉田 竜二 氏

コロナ禍でひっ迫した業務を人員増で対応

――ロボオペレータを導入した背景をお聞かせください。

吉田氏 コロナ禍になり、業務がひっ迫する状況になったのが背景となります。2020年4月の緊急事態宣言当時は非常に混乱しました。その要因は、学校や施設の閉鎖などで会場を借りることができなくなったためです。この状況で試験の申し込みがあっても、すべてに対応することはできません。やむなく、申し込みに上限を設定させていただきました。

その結果、限られた枠に申込者が殺到する事となり、TOEIC申込サイトがダウンしてしまう事態が発生。これが引き金となり、IT運営ユニットの業務はひっ迫しました。申込サイトの復旧や上限設定の調整、申し込み関連データの抽出など、さまざまな業務が一斉に押し寄せてきました。さらに、試験運営のシステムはスクラッチで開発していたため、これも運用コストを引き上げる一因となっていました。

業務が停滞しないように日本テクノスに依頼して人員を増やし、なんとかやり繰りしていましたが、コロナ禍は一向に収束する気配がありません。このままコロナ禍が続くようであれば、人的リソースへの負担を軽減するために何らかの施策を考える必要がありました。

RPAロボオペレータの導入を決定

――ロボオペレータに注目したのはどういったきっかけからでしょうか。

吉田氏 「RPAツールのロボオペレータを導入してみてはいかがですか」という日本テクノスからの提案がきっかけでした。もちろん、我々もRPAについて知らなかったわけではありません。実際、他部門では導入を検討したこともありました。

今回のロボオペレータに関しては、日本テクノスの説明では「社内でも活用している」とのことでしたが、半信半疑だったのは否めません。実は以前、RPAのような考え方で「試験用の複数台のPCを一括操作する仕組み」を用いていましたが、維持管理に非常に手間取ったことがあります。その経験を踏まえると、RPAを導入して本当に業務の負担を軽減できるのか不安がありました。とはいえ、コストは受け入れ可能な範囲に収まる見込みだったため、運用部門で上手く活用できるならと考え、ロボオペレータを導入することにしました。

時間がかかる単純な繰り返し作業を自動化

――どのような業務をロボット化しようと考えたのでしょうか。

大塚氏 それまでRPAを利用したことがなかったため、まずはロボオペレータの説明会を実施していただき、基本的な使い方やシナリオの組み方などの概要をレクチャーしてもらいました。その後は日本テクノスと一緒にロボット化できるところを協議。コロナ禍で増加した申し込み関連の業務は、RPAによる自動化が難しいと考え、既存業務のところで検討しました。単純作業で時間がかかる業務を洗い出し、2つの業務をRPA化することにしました。

一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 情報システム本部 IT運用ユニット IT運用チーム 大塚 正行 氏
――RPA化した2つの業務を教えてください。

<1:各種システムの稼働データを収集し、まとめて日報化>
さまざまなシステムの稼働状況を収集し、それをExcelの日報ファイルにまとめるという業務をロボオペレータでロボット化しました。それまでは、各システムにログインしリソース情報や画像をひとつひとつ集め、Excelの日報ファイルに手入力するという作業を、毎日約1時間かけて行っていました。非常に手間のかかる作業だったため、以前から自動化したいと考えており、RPAには最適な業務でした。

<2:システムアラートを受信しチケットを起票>
日々の運用のなかでシステムを監視する業務があり、月換算で400~500ほどのアラートがメールで通知されてきます。このアラートはひとつひとつ精査し、専用ツールでチケット起票を行いデータとして蓄積していきます。これらはすべて手入力のため、非常に時間がかかっていました。そこで、アラート受信から起票するまでのフローをロボット化し、効率化を図りました。

RPAで自動化を実現した業務

「直感的に操作できる」ロボオペレータ

――ロボオペレータによるロボット作成の感想をお聞かせください。

吉田氏 RPAツールによってはコーディングが必要な製品もありますが、ロボオペレータはノーコード開発のユーザーフレンドリーなツールです。まず「直感的に操作できる」ことが第一印象でした。実際、前述した2つのRPAは、あまり時間をかけずに作成することができました。

佐々木氏 ロボオペレータの苦労はありませんでしたが、IIBCがインターネットにつながる区画とつながらない区画に分かれているシンクライアント環境のため、RPA用の環境づくりに多少苦労しました。この問題に関しては、メーカーから解決策をサポートしていただき、無事にロボオペレータを利用することができました。

株式会社日本テクノス 運用サービス事業本部 第3グループ プロジェクトリーダー 佐々木 健太 氏

4つのロボットで月45時間の削減効果

――ロボオペレータの導入効果をお聞かせください。

吉田氏 まず、日報に関しては1日1時間かかっていた作業がロボットによって約10分で済むようになりました。正直、この削減効果には驚きました。そして、アラート受信に関しても、同等の削減効果がありました。現在はこの2つから派生したロボットを加え、計4つのロボットが稼働しており、トータルすると月換算で45時間前後の削減効果。1日あたり約2時間の削減効果を得ることができました。

この削減効果により、コロナ禍で増員していた運用ベンダー体制をもとの体制に戻すことができました。これによって、人件費の削減という効果も得られています。約2時間の削減効果で1名の人員を削減するのは無理があると思うかもしれませんが、現在はコロナ禍の収束が見えてきたこともあって業務全体が落ち着ています。これらが相まって、現在は通常体制で問題なく業務に従事できています。

RPAの展開で限られたリソースを最大限に活かしたい

――RPAにおける今後の展開をお願いします。

吉田氏 部門内の業務のなかでロボット化できる業務に関しては、継続して検討しきたいと考えています。また、シンクライアント環境で難しい部分はありますが、IIBC全体におけるRPAの推進も取り組んでいかなければならないと思っています。冒頭で申し上げたように情報システム本部にはDXを推進する部門もありますから、RPAは検討すべき重要なツールとなってくるでしょう。

RPAを上手く活用し、ロボットが代行できる業務を任せて人的リソースを再配置できれば、業務は大きく効率化できると考えています。ただし、我々だけでロボット化は推進できませんから、まずはDX部門と連携し、いつでも検証できる体制や環境を構築しておくことが肝心です。そのためにも、日本テクノスとの協業体制を維持し、パナソニックISのサポートを得ながら、ロボオペレータによるRPAづくりを継続してまいります。これからも、引き続きよろしくお願いいたします。

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当社担当からひとこと

松尾 和世司
松尾 和世司
今回、取材を担当させていただきました。新型コロナウイルスによるお客様の需要の変化に伴い変革を迫られたビジネスにおいて、システム運用業務の作業品質向上・負荷軽減にロボオペレータがお役立ち出来ていることが印象的でした。これからますます人手不足が叫ばれる中、同様のニーズを抱えるお客様は多く、ポテンシャルを感じます。今後もロボオペレータをはじめとするソリューション提供を通じ、お客様の「幸せの、チカラに。」なるため、貢献してまいります。
取材︓2023年7月14日 
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