旧Moodleの中身を解析し、新たなLMSに載せかえる
――Resonant LMS XPで行ったカスタマイズについて教えてください。
古川氏 細かい箇所を入れると多岐に渡りますが、大きなところでは以下が挙げられます。
<プラグインの解析と整理整頓>
比較・検討でも重視したところです。Moodleには現在全く使われていないプラグインや新旧混在しているプラグインが多く含まれていたのですが、プラグインの利用履歴やバージョン、整合性、代替品などを徹底調査していただきました。移行できるプラグイン、Resonant LMS XPに標準搭載されているので移行の必要がないプラグイン、移行しても動かないプラグインなどに選別し協議した結果、約20個あったプラグインの半分を処分し、本当に必要な約10個のプラグインだけを残すことにしました。とくにMicrosoft Teamsと連携するプラグインは、Microsoft Teams上にコースを作成するうえで非常に重要でしたが、従来はバージョンが古く稼働が止まっていました。これに関しても、新バージョンの検証やパラメータ調整などで対応し無事稼働することを確認。Microsoft Teamsはオンライン授業に欠かせませんが、Microsoft Teamsとの連携プラグインまでサポートすると言っていただけたベンダーはほかになく、とても助かりました。
移行前のMoodleのプラグインを徹底調査し、本当に必要なプラグインだけを移行
<シングルサインオンの実装>
これまでは、パスワード認証でポータルサイトに入り、さらにMoodleに入るには再度パスワード認証が要求されるという二度手間のため、学内からは不満の声が上がっていました。そこで今回は、マイクロソフトのSAML(Security Assertion Markup Language)認証を入れていただき、シングルサインオンのシステムを構築。全システムにひとつの認証情報で入れるようになり、使い勝手が大幅に向上しました。
<学務システムとの連携>
LMSと学務システムとの連携は欠かせません。本学で開発したResonant LMS XPと学務システムとの連携機能を組み込み、本学が利用している「LiveCampusU」(株式会社NTTデータ九州)ともシームレスに連携でき、Moodleコースの作成、履修者の反映などを、すべて自動化できました。外部がつくったプログラムを組み込むとサポートが難しくなると思いますが、それを厭わずフレキシブルに対応していただいたことに感謝しています。
このLiveCampusUとの連携機能は、今後Resonant LMS XPの標準プラグインとして提供される予定です。
――Resonant LMS XPを活用するにあたり、先生方からの理解は得られましたか。
古川氏 インターフェースが大幅に変わるため、多少の混乱はあるかもしれないと思っていましたが、導入前から周知はしていたので大きな問題などは発生していません。利用方法についても、オンライン講習会を開催していただいたおかげで、理解を得られました。