Resonant LMS XPを導入
「ここまでのサポートをすると言ってくれたベンダーは
他になかった」
Moodleのプラグインを徹底調査し最適な形で移行

市が設置する公立大学としては最大級の規模を誇る公立大学法人北九州市立大学。大学全体のLMS(Learning Management System)としてMoodleを利用していましたが、プラグイン(追加機能)の独自開発を続けるうちにシステムは陳腐化し、ガラパゴス化していました。この課題を解決すべく、同学は新たなLMSとしてResonant LMS XPを導入。その導入背景と経緯、効果などについて詳しく伺いました。
導入のポイント
内製のMoodleをResonant LMS XPにリプレースし、運用を一元化
本稼働後も一貫して任せられる、他社にはないサポート・保守に安心
学務システムとの連携が自動化し、利用者からの問い合わせが大幅減少
課題
  • 幾度もの独自開発により、プラグインが陳腐化

  • 学務システムからのデータ不一致が多く問い合わせが絶えない

  • 標準のMoodleは、文字ベースの分かりにくい操作画面

解決
  • ガラパゴス化していたMoodleのプラグインを徹底調査

  • 学務システムとの連携が自動化し問い合わせが激減

  • Resonant LMS XPは直感的に分かる操作画面

独自開発していたMoodleのプラグインが陳腐化・ガラパゴス化

――Resonant LMS XP導入前の背景および課題をお聞かせください。

古川氏 これまでMoodleプラグインの独自開発と運用を行ってきましたが、システムの陳腐化に伴ってガラパゴス化し、継続的な運用・保守が困難になったことがMoodleのリプレースの背景となります。仕様や各種設定、バージョン管理、セキュリティの担保状況など、それらを完全には把握できていない状態でした。
公立大学法人北九州市立大学 情報総合センター 准教授 古川 洋章 氏
古川氏 運用上の課題もありました。ひとつは学務システムとの連携が手動という点です。時間割が変更されたのにそれが反映されていない、学生の履修登録状況が反映されていないなど、データの不一致やデータ反映のタイムラグに起因する情報の錯綜で、先生方や学生からの問い合わせが絶えませんでした。

また、マニュアルもなく、問い合わせ対応や操作方法の確認などに日々疲弊していました。前任者が2020年3月に退職したこともきっかけとなり、こうした運用上の課題を解決するため、新たなLMSの導入を目指すことになりました。

現状のプラグインをどこまで運用できるか、サポート・保守を任せられるかが選定要件

――LMSを導入するにはあたり、製品の比較・検討はされましたか。

古川氏 LMSの業界標準であり、使い慣れたMoodleをベースに考えていました。そこで、日本ムードル協会の公式サイトに掲載されているプラチナ・スポンサーやゴールド・スポンサーのベンダー数社にお声がけし、詳しくお話を伺って比較・検討しました。その際、我々が重視したのは以下の2つです。

1)現状のMoodleを解析しプラグインの整理整頓を行いたい
ガラパゴス化している現状のMoodleを解析し、使わない(使えない)プラグインを削除、必要なプラグインだけを残す整理整頓作業をお任せできることを要件としました。

2)移行して終わりではなく、継続的なサポートや保守を任せたい
情報総合センターは十分なリソースが確保されているとは言い難い状況です。本稼働後、我々だけでは対応できないところが出てくるはずですから、継続的なサポートや保守をお願いしたいと考えていました。

この2つを満たしていたのがレゾナント・ソリューションズでした。とくに保守まで一貫して担ってくれるところは少なく、レゾナント・ソリューションズのサポート力は大きな魅力でした。また、フロントのベンダーとしてご紹介いただいたパナソニック インフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)は本学とお付き合いがあり、安心感がありました。そこで、まずは2022年8月にレゾナント・ソリューションズが展開するMoodleベースのLMS、Resonant LMS XPをパナソニックISにプレゼンしてもらいました。その後、正式に発注させていただき、カスタマイズをしながら構築。2023年4月からResonant LMS XPを利用しています。

旧Moodleの中身を解析し、新たなLMSに載せかえる

――Resonant LMS XPで行ったカスタマイズについて教えてください。

古川氏 細かい箇所を入れると多岐に渡りますが、大きなところでは以下が挙げられます。

<プラグインの解析と整理整頓>
比較・検討でも重視したところです。Moodleには現在全く使われていないプラグインや新旧混在しているプラグインが多く含まれていたのですが、プラグインの利用履歴やバージョン、整合性、代替品などを徹底調査していただきました。移行できるプラグイン、Resonant LMS XPに標準搭載されているので移行の必要がないプラグイン、移行しても動かないプラグインなどに選別し協議した結果、約20個あったプラグインの半分を処分し、本当に必要な約10個のプラグインだけを残すことにしました。とくにMicrosoft Teamsと連携するプラグインは、Microsoft Teams上にコースを作成するうえで非常に重要でしたが、従来はバージョンが古く稼働が止まっていました。これに関しても、新バージョンの検証やパラメータ調整などで対応し無事稼働することを確認。Microsoft Teamsはオンライン授業に欠かせませんが、Microsoft Teamsとの連携プラグインまでサポートすると言っていただけたベンダーはほかになく、とても助かりました。
移行前のMoodleのプラグインを徹底調査し、本当に必要なプラグインだけを移行
<シングルサインオンの実装>
これまでは、パスワード認証でポータルサイトに入り、さらにMoodleに入るには再度パスワード認証が要求されるという二度手間のため、学内からは不満の声が上がっていました。そこで今回は、マイクロソフトのSAML(Security Assertion Markup Language)認証を入れていただき、シングルサインオンのシステムを構築。全システムにひとつの認証情報で入れるようになり、使い勝手が大幅に向上しました。

<学務システムとの連携>
LMSと学務システムとの連携は欠かせません。本学で開発したResonant LMS XPと学務システムとの連携機能を組み込み、本学が利用している「LiveCampusU」(株式会社NTTデータ九州)ともシームレスに連携でき、Moodleコースの作成、履修者の反映などを、すべて自動化できました。外部がつくったプログラムを組み込むとサポートが難しくなると思いますが、それを厭わずフレキシブルに対応していただいたことに感謝しています。
このLiveCampusUとの連携機能は、今後Resonant LMS XPの標準プラグインとして提供される予定です。

――Resonant LMS XPを活用するにあたり、先生方からの理解は得られましたか。

古川氏 インターフェースが大幅に変わるため、多少の混乱はあるかもしれないと思っていましたが、導入前から周知はしていたので大きな問題などは発生していません。利用方法についても、オンライン講習会を開催していただいたおかげで、理解を得られました。

使いやすさが格段に向上、運用の負担は大きく軽減

――Resonant LMS XP導入の効果や評価をお聞かせください。

古川氏
<洗練されたインターフェース>
これまでのMoodleはオープンソースのソフトウェアということもあり、文字ベースの白黒画面というシンプルなインターフェースでした。先生方のなかには、どう操作していいか分からない場面もあったと思います。その点、Resonant LMS XPはグラフィカルで見た目もUIも洗練されています。実際、使い勝手が良く、直感的に操作することが可能です。

<LMSにまつわる稼働が平準化>
履修登録が集中する約2カ月の繁忙期は、時間割変更・履修登録変更の対応などで1日あたりプラス3~4時間ほどの稼働が必要でした。しかし、Resonant LMS XP導入後は学務システムと自動連携できるため、稼働を平準化できました。

<安心のサポート・保守>
セキュリティやプラグインのアップデートなど、保守に関する部分はすべてお任せしています。今までは自分で取りに行かないとMoodleに関する情報が得られませんでしたが、Resonant LMS XPにリプレースしてからは、必要な情報がレゾナント・ソリューションズやパナソニックISから届きます。我々はそれをもとに判断するだけですから、運用の負荷は大きく軽減されました。

<利用者からの問い合わせが激減>
以前は、日々何らかの問い合わせがありましたが、Resonant LMS XP導入後は1週間に1件あるかないかのレベル。問い合わせへの対応も時間を取られますから、こういった面でも業務の負荷は軽減されています。

知見・ソリューション豊富なパナソニックISの提案に期待

――今後の展開とパナソニックISへの期待をお聞かせください。

古川氏 パナソニックISには、いくつかトラブルに対して丁寧に対応・解決していただいており、非常に満足しています。今後に期待するのは、さまざまな提案です。パナソニックISは知見もソリューションも豊富だと伺っていますから、新たなソリューションの提案をお待ちしています。これからも、よろしくお願いいたします。

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当社担当からひとこと

福山 俊宏
LMSシステムとしてResonant LMS XPを大学様の仮想環境に導入させていただきました。Resonant LMS XPはSaaSですが、お客様のご要望によりオンプレミス環境への導入も賜っております。北九州市立大学様では導入環境を弊社テスト環境と合わせていただくことにより、不具合やセキュリティ情報を素早くご提供できるようになりました。今後はResonant LMS XPのデータを利用したアナリティクス環境もご利用いただければと考えております。
取材︓2023年8月2日 
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