パッケージ間のデータ連携は
マルチベンダーのシステム構築における生命線。
No.1※パートナーのノウハウに基づく構築支援を評価
※パナソニックISは、「ASTERIA Warp Partner Award 2023」において「Partner of the Year 2023」受賞しています

物流生産性向上に取り組むJR貨物では、基幹システムにおけるアドオン開発工数の最小化が、重要な課題の一つでした。複数パッケージによるマルチベンダーのシステム構築で、同社が直面した課題はシステム間のデータ連携です。各パッケージごとに必要なアドオン開発を、ASTERIA WarpとパナソニックISが蓄積するデータ連携支援のノウハウにより最小化でき、基幹システム構築に大きな役割を果たしました。
導入のポイント
基幹システムのベストプラクティス実現に向け、適材適所のパッケージ活用を推進
定評あるデータ連携ツールの採用により、インターフェース構築コストを大幅に削減
20年以上の導入実績に基づくノウハウにより、スムーズなシステム構築を実現
課題
  • ERPパッケージの利用に伴うアドオン工数の増大

  • 業務に即した複数パッケージ間のデータ連携の必要性

  • マルチベンダー化に伴い、ベンダー間のコミュニケーションが複雑に

解決
  • 部分最適の組み合わせでベストプラクティスを実現

  • 実績のあるEAIツール採用で連携開発を省力化

  • ノウハウを持つパートナー選定によりスムーズにシステムを構築

パッケージ活用の徹底化で浮上したデータ連携という新たな課題

――地球温暖化や、物流のトラックドライバー不足の問題で貨物鉄道輸送には大きな期待が寄せられている中、JR貨物の取り組みを教えてください。

齋藤氏︓近年物流業界ではトラックドライバー不足が課題視されていますが、トラック輸送から鉄道輸送へ転換するモーダルシフトは、待つだけで実現するわけではありません。我々は「JR貨物グループ長期ビジョン2030」で掲げた、環境特性と労働生産性に優れた総合物流企業グループへの進化を目指し、日々改善に取り組むことで社会の期待に応えていきたいと考えています。生産性の向上やコスト削減に積極的に挑戦することは、各種業務システム構築・運用においても例外ではなく、当社では日々見直しを行っています。
日本貨物鉄道株式会社 経営統括本部 情報システム部長 齋藤 哲也 氏

――2023年4月に移行を完了した、基幹会計システムをマルチベンダーで構築した狙いを教えてください。

佐藤氏︓当社は2013年稼働の基幹会計システムではじめてERPパッケージを採用しています。しかし当時はパッケージ側の機能に合わせた業務の見直しが徹底できず、多くのアドオンが必要になりました。またERPであればどんな業務にも対応できるという認識のもと、不動産管理など多様な機能を取り込んだこともアドオンが増える要因でした。それにより開発コストやメンテナンス工数が増えてしまったことは、我々にとって大きな反省点でした。
その一方でERPパッケージ導入により、ユーザーが希望する機能を一部妥協することとなりました。そこで今回はパッケージの機能活用を前提に最善の選択を行う共通認識のもと、システムの選定を進めたのです。しかし、やはり一つのERPパッケージで対応しようとするとさまざまな問題が生じます。「この業務にはこのシステムを使いたい」というユーザー側からの強い声もあり、最終的には、ERPパッケージを中核として、不動産管理システム、Web購買システム、グループ会計システム、グループ販売管理システムなど、7ベンダーのシステムが連携する基幹システムを構築することにしました。

日本貨物鉄道株式会社 経営統括本部 情報システム部 システム保全第二グループ 調査役 佐藤 兼彦 氏

実績にもとづき、ASTERIA WarpとパナソニックISを選定

――データ連携基盤として、ASTERIA Warpを採用した理由は何でしょうか。

佐藤氏︓当社では、2018年に導入した人事システムと社内サブシステムとの連携でもASTERIA Warpを活用しており、大きな成果を挙げていました。今回のリプレースでは、連携が必要になるシステムは自社開発を含めて15システムに及んでいたため、スムーズなデータ連携が極めて重要な課題でした。そのため、以前から実績のあるASTERIA Warpであればうまくいくのでは、と考えたのです。
さらに、パッケージ間連携により増加したインターフェースファイル数の集約化も重要な課題でした。以前の基幹会計システムでは、サブシステムとのインターフェースファイル数は約30もあり、その変換がアドオン増加の一因でした。また、今回のリプレースではパッケージ間連携も必要になったことで、インターフェースファイルは約50に増加することが見込まれていたため、より信頼感のあるソリューションを選定しなければなりません。ベンダー各社にデータ連携に関する提案を求める中、当社の目に留まったのが、データ連携ツールとして定評があり、当社でも実績のあるASTERIA Warpだったのです。

――既存の人事システムデータ連携におけるASTERIA Warpの評価をお聞かせください。

松本氏︓人事システムにおけるデータ連携の運用は、我々が所属するシステム保全第二グループの保守担当者が行っています。その運用に携わるメンバーが口をそろえて評価したのは、“ノーコードで開発が行える”点でした。ある程度システムの全体像を理解できていれば、わずかな習得期間で効率的に開発が行えるという話を聞き、今回の会計システムの構築においても大きな役割を果たすのではと考えました。

日本貨物鉄道株式会社 経営統括本部 情報システム部 システム保全第二グループ サブリーダー 松本 祐輔 氏
――導入パートナーとしてパナソニックISを選んだ理由を教えてください。

佐藤氏︓人事システムで導入したASTERIA WarpのサポートをパナソニックISさんに担当していただいたことがきっかけです。その当時、ほぼ開発が内製化できる状態まで我々を支援いただいたことが印象的で、今回のプロジェクトでもお願いしたいと考えました。
また、もう一つの理由はASTERIA Warpの20年以上の導入実績です。それだけの実績があれば当然ノウハウも豊富ですし、大きな安心材料でした。提案書では、技術や開発体制、作業分担などについて、こちらが気になる情報が漏れなく記載され、安心してお任せできました。


データ連携におけるベンダー間の調整に、パナソニックISが率先して対応

――導入時の苦労について教えてください。

松本氏︓マルチベンダーによるシステム構築では、データ連携が生命線になると考えています。実際、私が最も苦労したのはその点でした。異なるパッケージシステムを提供している企業が、データ連携に積極的に動いてくれるのは難しいのが実情です。こうした中、パナソニックISさんはベンダー各社と積極的にコミュニケーションを取ることでインターフェースの設計を円滑に進める役割を果たし、データ連携の実現に大きく貢献してくれました。私自身、とても苦労したエピソードとして印象に残っているだけに、パナソニックISさんが果してくれた役割の大きさに感謝しています。


――パナソニックISのサポートに関し、そのほか印象に残ったことはありますか?

江島氏
︓実は今回のプロジェクトがスタートする前に、ASTERIA WarpをPCにインストールして触ってみたことがありました。実際に触ってみて強く感じたことは、やはりノーコードでシステムが開発できる利点です。
また、今回のパナソニックISさんに構築してもらったシステム構成を見ると自分達で開発したシステムとのクオリティの違い実感し、より運用しやすい構成になっていました。例えば、システムに編集が必要となった際、 1ヶ所修正すれば全体に自動反映する仕組みが組み込まれているなど、将来的な運用面を見据えた構築になっており、踏んできた場数が明らかに違うと感じます。今後内製化を進めていく上では、そうしたノウハウの吸収も目標の1つであると考えています。

日本貨物鉄道株式会社 経営統括本部 情報システム部 システム保全第二グループ サブリーダー 江島 好輝 氏

コストを維持しながらインターフェース増加を実現

――システム構築コストの観点でASTERIA Warpの導入効果をお聞かせください。

佐藤氏︓今回の基幹会計システムは以前のシステムとほぼ同じ領域をカバーしていますが、複数パッケージを併用した関係上、インターフェースファイル数は以前よりも約20ファイルも増加しています。また近年のインフレは、人件費の10%以上の上昇やパッケージライセンス料の高騰にもつながっています。こうした中、ASTERIA Warpを導入したことでシステム構築費用を抑えて、前回とほぼ同じイニシャルコストで構築することができました。


――メンテナンスコストの観点で効果は表れていますか?

佐藤氏︓これまで対向システムのインターフェース修正では、どちらのシステムを修正するのか、あるいは双方を修正する必要があるのかの検討からはじまり、プログラムの設計、構築、テストに至る作業にかなりの工数がかかっていました。まだ運用を開始したばかりで正確な評価は難しいですが、15のサブシステムがASTERIA Warpを介してERPとデータ連携する仕組みへ移行したことにより、ASTERIA Warpで対応できる部分が多数あり、ERP側や周辺システム側のカスタマイズやアドオン開発が減りました。メンテナンス時の効果として今後表れてくると期待しています。

多様なデータ連携にもASTERIA Warpを活用したい

――今後のシステム運用とASTERIA Warp活用について教えてください。

佐藤氏︓現在計画しているのは、人事システムと会計システム間で別々に運用しているASTERIA Warpの統合です。先行してASTERIA Warpの運用を開始した人事システムは、18システムが連携しており、連携ファイルは約70ファイルに及びます。現在は環境を分けて運用していますが、それは開発やテストが人事システムに影響を与えることを避けるためにとった施策であり、現在は統合に向けた検討を行っている段階です。
また、ASTERIA Warpの運用は会計や人事の領域に留まっていますが、当然ながら当社にはコンテナ運用情報など、さまざまなデータを管理する多様なシステムが存在します。将来的には、これらのシステム間のデータ連携にも活用していきたいと考えています。

パナソニックISに相談してみる

当社担当からひとこと

荒井 貴志
会計システム更新プロジェクトおいて、各システムのアドオン最小化と、全体システム構築・運用の効率化を目的としたデータ連携基盤開発をご支援させていただきました。日本貨物鉄道様の課題と目的が明確だったため、導入テンプレートの活用と連携処理のパターン化で、稼働後の運用を意識したご提案を行い、ご評価をいたくことができました。今後はデータ連携基盤の更なるご活用提案はもちろん、業務効率化・生産性向上に向けた情報提供、ご提案をさせていただきます。
取材︓2023年9月21日 
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