電子カルテシステムと連携するAI問診用タブレットも導入
――スマートフォンとは別にタブレットも導入されています。その理由をお聞かせください。
篠原氏 問診票と電子カルテシステムとの連携に課題がありました。患者様を診察室に案内する際は、問診内容を電子カルテシステムに反映させる必要があるため、医師事務作業補助者が問診票の文字起こしを行っていました。当院の外来患者様は1日あたり600~1,000人、そのなかで問診票への記載が必要な初診の方は2~3割ほどいらっしゃいますから、医師事務作業補助者には大きな負担になっていました。
その最中、新型コロナウイルスが蔓延。発熱外来では問診の度に筆記用具を消毒する手間が発生していたため、あらためて問診票の入力課題を解決するソリューションを検討し、AI問診にたどり着きました。そこで、パナソニックISにはAI問診用の入力デバイスとしてタブレットの調達をお願いしました。
――タブレットの利用状況と効果についてお聞かせください。
篠原氏 2024年1月から全診療科で利用するため、スマートフォンと同様にMDMで管理された50台のタブレットを導入しました。AI問診は、外来患者様の入力内容がすぐに電子カルテシステムに連携されるため、文字起こしの必要はありません。診察室への案内もスピーディーになり、我々も患者様も大きなメリットを得ることができました。とくに医師事務作業補助者からは好評を博しています。
AI問診の内容が電子カルテシステムに連携される
――今後の展開をお聞かせください。
篠原氏 スマートフォン用のインフラが整備されてからになりますが、スマートフォンでナースコールを受けることができるナースコールシステムを考えています。また、患者様のプライバシーに配慮しながら、見守りカメラの導入も検討していきたいと思っています。
このほか、自宅および自身のスマートフォンでできるAI問診も検討しています。とくにがんの化学療法を行っている患者様の負担を考えると、自宅でのAI問診は効果的だと考えています。例えば、化学療法前に「吐き気はありますか」「手がしびれていませんか」「食欲はありますか」などのAI問診を行うことで、患者様の体調を考慮したスケジュールの調整が可能になります。これらの仕組みの構築には、パナソニックISのサポートは欠かせないと考えています。引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。