全12拠点の倉庫と現場作業をクラウドカメラで見守り。
既存の監視カメラを活用し、初期投資を最小限に

山口県、福岡県、大分県に12の拠点を置き、電気設備資材の総合商社として快適な住生活環境を提案している興陽電機株式会社。同社が導入していた監視カメラシステムは、拠点ごとローカルのレコーダーに記録する仕組みのため、運用および保守・メンテナンスの負荷が大きいという課題を抱えていました。そこで今回、パナソニックISが提案したクラウドでデータを保管する仕組みのCameleoにリプレース。その取り組みをご紹介いたします。

導入のポイント
PCやスマートフォンを利用し、いつでもどこでも監視カメラ映像を参照
監視カメラ映像の確認のために現地へ赴く時間・労力が不要になった
クラウド化でレコーダーが不要になり、運用、保守・メンテナンス負荷が軽減
課題
  • 映像を録画するレコーダーは定期的なリプレースが必要

  • 日常業務が優先のため、頻繁な映像チェックが困難

  • 故障の度に現地で行う確認作業は労力と時間を取られる

解決
  • クラウドに録画する仕組みのためリプレースコストは不要

  • PCやスマートフォンを使い、日頃から映像をチェック

  • クラウド化により、現地へ赴く必要なし

防犯対策をメインに、10年以上前に監視カメラを導入

――監視カメラシステムを導入した理由をお聞かせください。

宮﨑氏 導入したのは10年以上前になります。支店や営業所から導入し、本社は8年前の2016年、社屋の建て替え時に監視カメラシステムを設置しました。現在は全拠点に監視カメラシステムを導入しています。導入理由については以下の通りです。

<防犯対策>
基本的に防犯がメインになります。支店や営業所の倉庫には数多くの在庫商品があり、さらに物理的に倉庫に保管できない電柱や街灯ポールといった大きな商品は、入荷から出荷までの期間、野外で保管せざるを得ないため、厳重な防犯対策は必須です。

これまで事件に発展するような盗難被害があったわけではありませんが、限られた人的リソースによる防犯対策は困難ということもあり、監視カメラシステムの導入に踏み切りました。また、監視カメラシステムを導入することで、犯罪の抑止力になればという気持ちもありました。

<オペレーションのチェック>
「商品は出荷しているのに伝票がない」「伝票の宛名が異なる」「伝票と商品が異なる」など、オペレーションにおけるケアレスミスのチェックに監視カメラシステムが適していると考えました。ケアレスミスが発生した際、監視カメラの映像を参照して原因を追跡できれば、今後の対策を考えることが可能です。
興陽電機株式会社 代表取締役社長 宮﨑 憲 氏

オンプレミスは運用、保守・メンテナンスの負荷が大きい

――この既存の監視カメラシステムには、どんな課題があったのでしょうか。

木村氏 運用および保守・メンテナンスにかかる負荷が課題でした。監視カメラの映像はレコーダーに録画する仕組みのため、5年に一度のリプレースは行っていましたが、やはり機械ですから予期せぬ故障は防げません。故障にすぐ気づけるわけでもありませんから「気づいたら映っていなかった」という事態も起こりえますし、故障に気づいたときは、我々が現地で確認作業を行うフローとなるため、現地に向かう時間や労力が必要になります。このように、監視カメラシステムの運用、保守・メンテナンスは負荷が大きく、既存の監視カメラシステムに置き換わるソリューションを模索していました。
興陽電機株式会社 取締役 政策本部長 木村 幸二 氏
――Cameleo導入の経緯を教えてください。

宮﨑氏 ある拠点のレコーダーが故障しリプレースを迫られていたとき、いつも通りに入れ替えるかどうかの話になりました。とはいえ、入れ替えるだけでは負荷は軽減できません。そこで、監視カメラシステムの販売実績がある社内のSE部隊に相談。提案されたのが、監視カメラをクラウドで管理するソリューションです。監視カメラの映像をクラウドに保管できれば、レコーダーは不要。さらに現場に行かなくても映像を参照できるなど、クラウドの高い利便性をフィードバックしてくれました。これが、パナソニック コネクト株式会社製「Cameleo」導入のきっかけとなりました。

対応カメラ機種の幅広さと高い映像品質で選定

――ソリューションの比較・検討はされましたか。

木村氏 当社はパナソニックグループの会社ですから、Cameleoは第一候補でした。ただ、パナソニック以外のメーカーの商品も多数扱っているため、比較・検討は行いたいと思っていました。実際、いくつかのソリューションをリストアップし、比較・検討を実施。その結果、以下の理由からCameleoを選定しました。

<対応する監視カメラの機種が豊富>
Cameleoはネットワークカメラの業界標準規格ONVIF S準拠であれば、事前の接続確認が必要になるものの、ゲートウェイボックスを通じて利用できるとのこと。当社の監視カメラはONVIF Sに準拠しているため、設備投資を節約できるかもしれないと考えました。

<高い映像クオリティ>
すべてのソリューションの映像を比較・検討したわけではありませんが、クラウドに保管されているCameleoの映像は鮮明でスムーズ。レコーダーの映像よりも高いクオリティの映像だと感じ、Cameleoに入れ替えてもまったく問題ないと判断しました。
Cameleoのポータル画面から監視カメラ映像を確認可能

既存の監視カメラ38台をすべて再利用できた

――導入プロセスと現在の稼働状況をお聞かせください。

木村氏 2024年4月から本稼働しています。Cameleoの領域は12拠点の監視カメラ計48台。既存の監視カメラ38台はパナソニックISと連携しながらチェックを行い、すべて動作することを確認できました。また、「もっと手元を見たい」「外の出入口を見たい」「倉庫の死角をなくしたい」といった現場の意見を汲み取り、48台中の10台は新規の追加となります。

現在の稼働状況についてですが、全拠点のライブ映像とクラウドに保管している映像は、パソコンあるいはスマートフォンやタブレットから、時間・場所を問わず参照することができます。クラウドに保管できる期間は14日間に設定。1~2カ月間の保管も可能ですが、防犯でそこまで気付かないことはないので、14日間が妥当と判断しました。また、ポータル画面のアクセス権限を階層ごとに管理できるのもCameleoの優れた点です。現在は、経営層とSE部隊は全拠点の監視カメラ映像を参照可能、各拠点の責任者は担当拠点のみと設定しています。
倉庫内をはじめ、全48ヵ所に監視カメラを設置

今後は社員にプレッシャーをかけない程度にCameleoをフル活用

――CameleoおよびパナソニックISをどのように評価されていますか。

木村氏 以前よりも、格段に運用がしやすくなりました。そもそもレコーダーのときは、本社であればサーバルームに再生装置を設置していたため、管理者から鍵を借りて入室する手間がありました。各拠点も同じような環境でしたから、監視カメラを参照する頻度自体が低かったと思います。現在は自席でPCでもスマートフォンでも参照できますから、今後は社員にプレッシャーをかけない程度に随時チェックするようになるでしょう。

また、保管期間や解像度、管理者設定はポータル画面から変更が可能。当面は必要ないと思いますが、要望があればいつでも変更できる環境があるのは心強いと感じます。ほか、Cameleo導入の取り組みを通じ、IPアドレス入り監視カメラ一覧表を作成することができました。監視カメラシステムの全体構成を可視化できたことは、今後の運用においてプラスになるのは間違いありません。

コスト面については、レコーダーのリプレース費用がなくなりました。ただ、月々の費用が発生するため、長期にわたって利用し続けるとコスト増になる試算になります。しかし、単純計算だけでは測れない部分があります。とくにCameleo導入後は人にかかる負荷が大きく軽減。さらに、いつでも参照できる環境が整ったことで、防犯対策が強化されています。何かあったときのことを考えると、Cameleoのコストは安価と捉えることができます。

宮﨑氏 パナソニックISに対しては、Cameleoをスムーズに導入できたことに感謝しています。我々が今回のポイントと考えているのは、当社のソリューショングループの責任者がパナソニックISのSEと随時リモートで会話をさせてもらい、適切なアドバイスのもと進めることができたことです。クラウドの利点を生かし、SEの遠隔地から監視カメラの動作チェックが可能だったことも大きなプラスでした。これにより、不具合などの原因は早々に特定できました。

Cameleoを当社のお客様に提案していきたい

――最後に今後の展開をお聞かせください。

宮﨑氏 今回のCameleo導入を通じてクラウドによる監視カメラシステムの知見を蓄積することができました。そこで、今後に期待しているのは、Cameleoを当社のお客様に提案していくことです。自社でCameleoを利用しているわけですから、会社全体がショールームみたいなもの。山口支店においては、人の出入りがある場所に55インチのモニターを設置し、監視カメラの映像を参照できる仕組みを構築中です。当社にお越しいただければ、Cameleoの利点を理解してもらえるのではないかと考えています。もちろん、そのためにはパナソニックISとの連携は欠かせません。引き続き手厚い支援を希望します。今後ともよろしくお願いいたします。

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当社担当からひとこと

波田野 大輔
今回は、短期間での導入が必要でしたが、Cameleoシステムの設定の容易さ、お客様の迅速な意思決定、各営業所への機器設置・テストの際のご支援により、予定通り導入いただけました。また、映像チェックがスムーズになり、保守・運用性の向上も達成でき、お役に立てたのではないかと感じております。今後もCameleoはアップデートされますので、引き続きご活用いただければと思います。
取材︓2024年6月26日 
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