Web EDI連携の半自動化でシステム利用価値が向上
多様な連携によるシステムの活用推進で業務改革

国内各地にネットワークを広げ、最前線で活躍する数多くのパティシエやブーランジェの方々に製菓・製パン材料、各種包装資材、機械・機具を提供する株式会社ヒラタ。同社は受注業務効率化に向けて、2020年に導入したWeb EDIと基幹システムを連携するため、ASTERIA Warpを導入しました。既存システムの仕様で課題に直面しましたが、パナソニックISの知見を活かし連携を実現。その解決策や導入効果などを詳しく紹介します。

導入のポイント
データ連携の実現により、Web EDIの活用率が50%まで急増
難航していたWeb EDIと基幹システムの連携では、経験に基づくアドバイスが解決の糸口に
データ連携ツールは受注以外の業務にも応用し、単価データ訂正や発注業務も効率化へ
課題
  • 受注業務で基幹システムの手入力が常態化

  • 周辺システムとの多様な連携の対応

  • 継続したシステム活用推進に向けた内製化への備え

解決
  • 既存の基幹システムを活用しながら半自動化で手入力解消

  • 豊富なアダプターによる多様なシステム連携が可能

  • 豊富な連携実績があるパナソニックISの充実した内製化サポート

Web EDI導入するも活用率は低迷
状況を変える一手は既存システムとの連携

――ASTERIA Warp導入に至ったきっかけや課題を教えてください。

神社氏︓受注業務の効率化を目指し、Web EDIを導入したのが始まりでした。基幹システムを新システムへ移行しようとしており、同時にWeb EDIとの連携による業務自動化を計画していましたが、移行作業の検証を進める中で、すぐに実行するのは難しいと判断しました。理由としては、お客様の要望に応じた個別最適化された業務が多数存在し、システムへの反映が難しい状況があったためです。これらの業務を解きほぐして新システムに移行するには時間が足りず、無理に移行すると現場での業務が滞る可能性がありました。このため、まずは業務プロセスの見直しを優先し、新システムへの移行は今後実施する決定に至りました。

基幹システムの移行は先送りとなりましたが、受注業務の効率化を進めるために、Web EDIと以前から使っている基幹システムの連携を改めて検討することにしました。当時、Web EDIで受注した注文データは一度PDFに変換し、紙に出力していました。そしてFAX受注と同様に、基幹システムに手入力するという、非常に手間のかかるフローになっていました。このため、Web EDIを効果的に活用できず、お客様への利便性訴求も不十分となり、活用率が低い状況だったのです。

そこで、Web EDIと基幹システムのデータ連携によって既存システムを最大限に活用できる環境を整え、業務効率と活用率の向上を目指すため、EAIツールの導入を検討し、ASTERIA Warpにたどり着きました。

    株式会社ヒラタ 総務部 神社 亮平 氏


選定の決め手は使いやすさと難航していた課題を
解決する支援

神社氏︓EAIツールの情報収集を開始し、最終的に3製品をピックアップしてトライアルを実施しました。その結果、以下の理由でパナソニックISから提案いただいたASTERIA Warpを選定いたしました。

<使いやすく、分かりやすい>
トライアルはWeb EDIからデータを受け取り、基幹システムに連携するまでのフローを確認するもので、3製品とも同じ条件で実施。そのなかで直感的に操作できたのがASTERIA Warpで、「これを触ればこう動くだろう」が予測通りの動きをするツールでした。
日本製ということもあり、操作感が我々の感覚に合うと感じています。また、分かりやすいマニュアルや動画が用意されている点も好印象でした。

<連携先のアダプターが豊富>
ASTERIA Warpは、システム連携させるためのアダプターが100種類と豊富に用意されており、自分たちが今後連携を予定しているシステムにも対応しています。基幹システムだけでなく、業務アプリケーション作成ツールで構築したSFA、仕入先のEDI、クラウドストレージなど、検討していたシステム以外にも社内のさまざまなシステムとのデータ連携を目指していたため、このアダプターが豊富さはさらなる活用の可能性を広げる要素として、選択のポイントでした。

<パナソニックISの実績>
ASTERIA Warpはノーコードツールということもあり、導入する場合は内製を考えていました。
もし内製が難しい場合でも、連携やサポートの相談先として、豊富な連携実績を持つパナソニックISのバックアップがあるのは、非常に心強いと感じました。

<何度も重ねた打ち合わせで、難航していた課題を解決>
ASTERIA Warp導入の決め手となったのは、パナソニックISのサポートでした。
内製化にあたり、何度も壁打ちのような打ち合わせを実施してもらい、多数のASTERIA Warp導入支援経験に基づいたアドバイスをいただきました。そのなかで、当社が利用しているものと同じ基幹システムと連携した事例や、具体的な技術事例などは、実際に内製で構築する過程で大いに参考にさせてもらいました。

特に課題となっていたのは、自動化に必要なシステム課題を解決することでした。
当社の基幹システムは旧来の商習慣に基づき「受注即売上」の仕組みであり、「受注」というステータスが存在しないため、EAIツールの導入前から直接連携が難しい状況でした。注文データが入力されると在庫の有無に関わらず即時に売上計上され、在庫確認ができません。また、売上入力時には担当者が単価や在庫、数量のチェックを行うため、受注データをそのまま売上として登録することはできません。

このため、確認する環境を維持しつつ、受注データ連携を実現するアプローチを検討する必要があります。この課題について、パナソニックISと何度も打ち合わせを重ねました。

受注業務のシステム連携図

 

最終的にはパナソニックISのアドバイスをもとに、完全自動化の新たな仕組みを構築するのではなく、現行システムとアナログのチェック業務を一部残したデータ連携方法を採用しました。Web EDIからのデータを基幹システムのエントリー画面に連携し、その画面上で人による確認を経て、処理を進める仕組みとしました。

これにより、1件ずつ人の確認作業は必要になるものの、手入力作業は不要になります。この方法でWeb EDIと基幹システムの連携を構築することとし、信頼できるパートナーとしてパナソニックISとともにASTERIA Warpの導入を決定しました。

受注業務の半自動化で、Web EDIの利用価値が向上

――ASTERIA Warp導入後の効果をお聞かせください。

濵口氏︓2024年1月から、ASTERIA Warpと基幹システムを連携させる現在の仕組みをスタートさせました。これまで活用してきた中で、以下のような業務効率化を図ることができています。

<受注業務の半自動化で、環境が変化>
当社の各営業所で受注業務を担当する約60名のスタッフは、Web EDIの導入により手入力作業が不要になりました。特に、週末の注文により受注処理が多くなりがちな月曜日は、以前では早めに出社して対応していましたが、現在はその必要もありません。
また、業務の質が上がり、入力時のヒューマンエラーの心配もなくなり、スタッフの負担やストレスの軽減にもつながっています。今後は、削減できた工数で生まれた時間を営業サポートやサービス品質の向上などにあて、当社の付加価値をより向上させることに繋げていきたいと思っています。

<データ連携後、社内外でシステム活用率が向上>
スタッフがWeb EDIの利便性を実感したことで、さらに多くのお客様に対しWeb EDIで発注する利点をお伝えし、利用を促進する活動が活発化しています。
実際、ASTERIA Warpの導入後、Web EDI経由の注文が急増し、現在は注文全体の50%を超えました。直近の目標では70%を達成したいと考えています。

<システム連携のおかげで、二重入力が不要に>
これまで手入力で更新していたWeb EDIの商品マスタは、現在はASTERIA Warpが基幹システム側の商品マスタと自動で連携する仕組みにできたため、二重入力の手間がなくなりました。

<単価履歴の自動削除はASTERIA Warpでできる>
市場の状況変化により、数カ月・数年前と現在で単価が異なる商品が多数存在します。
この状況に対し、受注から次の受注までの日数などの一定の条件に基づいて履歴単価を自動削除したり、アラートを出すことができるようになりました。ASTERIA Warpの導入により、数千件・数万件ある顧客や商品アイテムの単価管理のメンテナンス工数をEAIツールを活用して低減し、複雑な条件でのメンテナンスもツール上で構築できるようになりました。
この仕組みは基幹システムの改修でも実現可能ですが、時間とコストがかかるため、なかなか着手できていませんでした。ノーコードで簡単に設定できるASTERIA Warpは、さまざまな面で業務効率化を促進していると実感しています。

 株式会社ヒラタ 経理部 濵口 秀和 氏


――今後の展開をお聞かせください。

神社氏︓さらなるデータ連携を視野に入れています。具体的には帳票の改善が決まっていて、ドットインパクトプリンターによる複写式伝票から、汎用性の高いA4サイズの伝票に切り替えたいと考えています。現在、基幹システムと帳票変換サービスをASTERIA Warpで連携させる仕組みをまとめているところです。また、仕入先への発注業務のEDI化を進めています。

在庫管理については、倉庫管理システムを導入し、ASTERIA Warpを使って基幹システムと連携するイメージを持っていますが、まだ構想を固めている段階です。在庫管理は長年の課題である業務効率化や省力化にも関わるため、しっかり検討していきたいと考えています。
こういった具合にASTERIA Warpで連携したいシステムが多数ありますので、パナソニックISには今後も知見や事例、ノウハウに期待しています。よろしくお願いします。

パナソニックISに相談してみる

当社担当からひとこと

亀井 一生
株式会社ヒラタ様の業務改善において、データ連携の強化が重要なポイントとなりました。今後、蓄積されたデータの分析ニーズが一層高まることが予想されます。パナソニックISには、パナソニックグループでのデータ連携および分析基盤構築に豊富な経験を持つエンジニアが多数在籍しております。今回のデータ連携支援を通じて、将来的には弊社の知見をさらに活用いただき、ヒラタ様のさらなる事業成長を継続的に支援できるよう、全力を尽くしてまいります。
取材︓2024年9月18日 
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