電子カルテや医事会計システムもRPAで自動化
出勤したらルーティン業務が終了していて感謝の声

大阪府吹田市に居を構え、内科、血液内科、内分泌・代謝内科など全29科、431床を有する市立吹田市民病院では、人手不足解消を目指してロボオペレータを導入。パナソニック インフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)の伴走サポートを上手く活用し、導入から短期間で電子カルテや医事会計システムに関わるさまざまなルーティン業務を自動化させることに成功しました。

導入のポイント
プログラムの知識がなくても問題なし。直感的な操作で扱えるRPAツール
医事課が抱えていた10のルーティン業務をわずか1年で自動化
使いこなすにあたって頼りになったのは、レスポンスが早く丁寧な無償の伴走サポート
課題
  • 医療業界全体で逼迫している深刻な人手不足
  • 手間だけど決して省略できない数多くのルーティン業務
  • プログラムが組める職員がいない。システム開発者の不在
解決
  • 出勤したら既にルーティン業務は完了。現場からは感謝の声も
  • 導入からわずか1年で10のルーティン業務自動化
  • 操作は直感的で伴走サポートもあり自動化の実現性の高さが魅力

プログラムの知識がなくても自動化を実現できそうだった点に期待感

――ロボオペレータ導入の経緯を教えてください

今や医療現場全体の課題にもなっている「人手不足」を解消したかったというのが、導入のきっかけです。中でも、データの入出力などルーティン業務の多い事務仕事は、機械化やシステム化をすることで、人の手を借りずに解決できないかという思いがありました。
しかし私たち医療情報部の中には、プログラムなどに詳しい人間がいないため、イチからシステム開発を行うことは難しい。そこで考えたのが「RPAによる自動化」だったのです。まずは「医療系」で実績のあるRPAをネットなどで検索して、複数のRPAをピックアップ、情報を精査しました。また実際にパナソニックISさんからは、リモート会議を通してロボオペレータの操作を教えてもらいながら商品説明を受けました。その結果、プログラムが組めない自分たちでも直感的な操作で自動化を実現させられそうだという期待感が持てたこと、また価格面も競合より安価で、医療情報部の予算内で導入できそうだったことから、ロボオペレータの採用に至りました。
地方独立行政法人市立吹田市民病院 医療情報部 主幹

導入1年弱で医事課が抱える10個のルーティン業務を自動化

――ロボオペレータの活用状況を教えてください。

導入したのは2023年12月ですので、約1年弱ほど使っています。アカウントは「フル機能版」が1つ。それをロボオペレータ専用のパソコンに入れて、医療情報部の3名で共有しています。現在動かしているプロジェクト(自動化プログラム)の数は10本で、例えば次のような医事課に関わる業務を自動化しています。

<例①>
日々のベッドの空きを確認してその情報を各部長にメールで送信

<例②>
電子カルテシステムから医事会計システムに送られてくるデータをダウンロードし、不要なデータを削除してから、医事会計システムに反映

<例③>
医事会計システムの診療報酬マスタに日々追加される情報を自動更新

これらのプロジェクトを夜中、または朝にスケジュール実行しておくことで、スタッフが朝に出勤した時には10個の事務作業がすでに終わっている状態にしています。
「例①」なら毎日10分、「例②」なら毎日1~2時間ほど掛かっていたルーティン業務がなくなっだけでなく、その時間を別の業務に使えること、さらには担当者が休む際にその作業を人に頼む大変さなどがなくなったことから、現場からは「助かった」という感謝の声をたくさんいただいています。
また医事課のスタッフからはもちろん、ロボオペレータの便利さを聞いた別の部署のスタッフからも「この業務を自動化ができないか?」という要望も出て来るようになりました。
地方独立行政法人市立吹田市民病院 医療情報部 主査

プログラムが組めなくても、どんなソフトが対象でも自動化が実現可能

――ロボオペレータのツールとしての魅力を教えてください。

直感的で分かりやすいところです。
例えば「クリック」と書かれたボタンには、マウスがクリックされている様を描いたイラストがアイコンとして描かれています。どんなコマンドなのか一目瞭然なので、プロジェクトを作る時に迷わず操作ができます。
また作ったプロジェクトは、各命令の説明が「クリック」や「条件に応じて実行」など分かりやすく順番に記載されているので、どんな命令を下しているのかも分かりやすい。これが通常のプログラムだったら、英語表記の命令や関数がずらっと並んでいるだけなので、読み解くことはなかなかできません。
プログラムができない人でも自動化を実現できるというのは、ロボオペレータの大きなメリットではないでしょうか。
あとはOfficeのようなマクロが組めるソフトではなくても、マクロのようなことができる点もロボオペレータの魅力です。うちで言えば電子カルテや医事会計システムですね。これらのソフトは通常、人の手で操作するしか方法がありません。しかしロボオペレータはPCを自動的に動かすツールですので、まるで人の手のように操作が可能なのです。病院関係はもちろん、販売管理システムや基幹システムなどを使っている企業さんにとっても、導入すれば色々な業務が捗るようになると思います

ロボオペレータを使いこなす4つのコツ

――使いやすいとはいえ導入1年でたくさんの業務を自動化するというのは、なかなかできることではありません。なにかコツのようなものがあれば教えてください。

私たちが考えるコツは次の4点です。

<手近なこと、小さなとこからやる>
まずは自分が良く理解している業務、その中でも一部分だけ自動化してみることです。いきなり壮大なプロジェクトを作っても、上手くは動きませんし、コマンドが多すぎるとどこが問題かを把握することが大変です。

<イレギュラーを事前確認する>
プロジェクトを作る際、後から条件分岐などの命令を足すのは結構大変です。そのため操作によってオペレーションが変わったり、イレギュラー発生の可能性がある場合は、事前に把握して頭の中に詳細なフローを作っておくことも大切です。

<速い処理にこだわらない>
ロボオペレータはスケジュール実行で、夜中や朝に動かせます。スピードはそれほど重要ではありませんから、画面表示やダウンロード処理に時間がかかると分かっている場合は、少しウエイトを掛けるなど、速さより正確さにこだわることをオススメします。

<無償サポートを上手く活用する>
パナソニックISさんの伴走サポートは無償ですから、分からないことがあればすぐに聞くこともポイントです。問題解決だけでなく、自分たちのスキルアップにも大いに役立つと思います。

―――伴走サポートについての評価を改めて聞かせてください。

とても頼りにさせていただいています。レスポンスは早いですし、教え方も丁寧。さらに私たちの拙い説明、病院ならではの分かりにくいシステムに対しても、高い理解力で的確にアドバイスをくださいます。やり取りもリモートやメールだけでなく、時には直接お越しいただけることもありました。スピード感をもってご対応いただけるパナソニックISさんのサポートはすごくありがたいです。

今後の目標は横展開とRPAならではの活用法

―――今後の展望を教えてください。

今は主に医事課の業務自動化だけに使っているロボオペレータを、来年度は、人事部や総務部にも広げていきたいです。ただRPAは、費用対効果が見えにくい部分があるツールです。そのため「機械だからこそ精度を高められる業務」など、RPAならではの活用法も見出していければと思っています。難しいかもしれませんが、保険請求の自動チェックなどが実現できると、現場はもっと楽になるのではないかと期待しています。
その実現のためにパナソニックISさんには、ぜひ今後も変わらぬ手厚いサポートをいただくと共に、他の医療機関や企業のロボオペレータの具体的な活用例の情報発信もお願いできればと思っています。

パナソニックISに相談してみる

当社担当からひとこと

高田 知紀
吹田市民病院様のRPA導入においては、電子カルテや医事会計システムなど普段のルーティン業務の棚卸からロボットの作成まで二人三脚で推進できたことが成功へのカギとなりました。現在では自部門のみでなく他部門への展開も見据えて、院内全体の業務改善に向け取り組みを進めようとされております。今後もいっそうお客様のDX推進をご支援し、「幸せの、チカラに。」なれるよう尽力してまいります。
取材︓2024年11月14日 
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