担当者にかかる負担とヒューマンエラーの懸念を払しょくしたい
――見積書の手入力作業における具体的な課題をお聞かせください。
縣氏 課題のひとつは、手入力を行う担当者に大きな負担がかかっていたことです。手入力する見積書は年間約2,500枚。月換算では約200枚、1日あたり20枚前後の見積書を手入力しなければなりません。しかも、どの見積書も項目は数行に及びます。見積書によっては30~40もの項目が記載されているため、数名で分担しているとはいえ、1件入力するだけでもかなりの時間を要していました。
小林氏 もうひとつ、手入力はどうしてもヒューマンエラーの懸念がありました。見間違いやタイプミスなどがヒューマンエラーにつながっていきますが、その要因のひとつになっていたのが各社ごとに異なる見積書の帳票レイアウト。同じ会社でも部門によってレイアウトが異なる場合が多々あり、取引先が200社以上ある現状では、少なくとも200以上のレイアウトが存在することになります。レイアウトが異なれば、品名や型番などの位置や順番も異なるため、ケアレスミスが発生しやすい状況でした。
こうした課題を解決すべく、以前から注目していたのがOCRソフトです。見積書の中の必要な情報をOCRソフトでデータ化し、それをCSVファイルで出力して基幹システムに取り込めば、大きく効率化できるのではないかと考えていました。
――OCRソフトに求めた要件がございましたら教えてください。
小林氏 もともと当社には、CSVファイルを読み込んで基幹システムに登録する処理を自動で行う仕組みがありました。ただし、自動処理の仕組みを利用する場合は、それに適したCSVファイルが必要になります。ですからOCRソフトには、自動処理の仕組みに適合するCSVファイルを出力できることを求めました。
株式会社大同ITソリューションズ 総務部 調達室長 小林 克氏