MetaForceを導入

電材卸売業界では、一時期に比べ、需要の伸び率も低くなっており、生き残り競争が厳しくなっている。やむを得ず廃業していくところも少なくはない。株式会社 松尾商行様(相模原市)は、一番競争がデットヒートしている首都圏の中で、衰退するどころか、ますますの勢いを増してきている。新しい基幹システム導入とその活用方法からその秘訣を探る。

新システム導入に望んだものとは?

「これから電材業界は伸びない。“効率化”が図れないとこの業界では生きていけない。」

株式会社 松尾商行様(以下、松尾商行様)代表取締役社長 松尾 秋夫様ははっきりといいます。このような厳しい状況の中、より強い会社にするためには、従来のやり方をから無駄な労力を省き、コストを削減することが経営課題の1つとして上げられます。そのために「情報システムをいかに活用して業務効率化を図れるか?」がポイントとなります。今回、松尾商行様では、新しい販売管理システム『MetaForce(メタフォース)』導入にあたり、業務を主に、次の4つのポイントから改善することを目指しました。
 

  1. 見積業務の効率化
  2. 蓄積データの有効活用
  3. 返品処理によるロス率の低減
  4. 仕入と売先チェックの効率化


「業務効率化とは、時間の省力化のことである。」という松尾社長様の言葉の通り、コンピュータを上手く活用し、キーボード1タイプからFAX機へ歩く歩数(回数)まで、徹底的に、手間や無駄をなくします。さらに、仕入照合のような従来手動でチェックしているものをシステマティックにするように改良し、さらなる業務効率化を目指していきます。

株式会社松尾商行
代表取締役社長 松尾 秋夫 様

業務はどのように変わったのか?

では、実際にどのように変わったのでしょうか?

相模原営業所業務課 課長代理 小林様に伺いました。
 

  1. 見積業務の効率化

従来は、営業担当者のPC上で見積書を作成していました。そのため、拠点の商談状況を把握するためには、電話などで担当者に聞く必要がありました。そこを、MetaForceの見積機能を使い、全社見積情報を一元化・共有することで、いつでもどこでも状況を把握することができるようになりました。
 

  1. 蓄積データの有効活用

売上推移や得意先のABC分析などをするために、MetaForceのCSVファイルへのダウンロード機能を利用しています。また、得意先の債権管理、回収状況や赤伝をどのくらい発行しているか?などMetaForceをフルに活用することで、あらゆる角度から分析することが可能です。
 

  1. 仕入商品に対する売単価チェックの効率化

松尾商行様では、全仕入情報をコンピュータに100%入力し、「仕入に対してどこにどれだけ売ったか」を必ずチェックしています。従来は、仕入一覧表と納品伝票とつき合わせて1件1件チェックしていましたが、現在では、売上伝票明細票に仕入情報を付加できるので、このチェック作業を大幅に簡略化できました。さらに今後は、MetaForceの仕入照合機能を活用し、自動チェックをかけること※で、厳密な管理をしながら省力化の実現を進めていく予定です。

業務効率化への強い思いがベストソリューションを生んだ ~FAXソリューション

松尾商行様では、社長の経営効率化への強い思いが社員全員に浸透しています。社員全員が、コスト意識が高いので、効率化、省力化を推進、実行していく結果、MetaForceとFAXを融合させたソリューションが生まれました。
 

  1. 仕入先への注文書の自動発行

従来は、伝票印刷→FAX送信→ファイリングという手作業でしたが、パソコン上で注文書発行指示をするだけになりました。
 

  1. 得意先への納期回答の送信

未納データ照会→回答用紙印刷→FAX送信という手作業でしたが、MetaForce上にある未納データを納期回答用パソコンへダウンロードし、納期情報を入力して発行指示をするだけになりました。

※納品データがあるメーカのみ対応可能です。

今後の展望

「これからは積極的な出店ができるところだけが伸びていく。」と松尾社長様はおっしゃいます。量をこなし安く仕入れ利益を出さなければなりません。そのためには、拠点展開はもちろんのこと、仕入と納品の照合、件名ごとの粗利、適正在庫など複雑化する管理に対応していかなくてはなりません。しかしそうした取組みの中から松尾商行様のノウハウを生かした新しいMetaForceの使いこなしや新しいソリューションが生まれくるに違いありません。まだまだ松尾商行様の改革から目が離せません。

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取材︓2005年2月1日 
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