海外の現場も隣にいるかのような臨場感
③遠隔メンテナンスには、オプティムの遠隔作業支援サービス「Optimal Second Sight」を活用しました。作業現場にいる若手作業者に対し、ベテラン作業者が遠隔で指示を出すことで、作業の効率化、作業品質の底上げ、技能育成を実現できています。タイ・日本間でも試験利用を行い、まだ実証実験の段階ながら、十分に活用できることがわかりました。
現場にいる若手作業者へ、ベテラン作業者が事務所にいながら遠隔支援できる(イメージ)
スマートグラス
「タイムラグがほとんどなく、隣にいるかのような臨場感でコミュニケーションが取れます。映像もカッターの刃の欠けが見えるほど鮮明で驚きました」と、小林取締役はその映像配信のクオリティに驚嘆します。
大興工業は海外工場の現地スタッフに対する支援も行っていますが、現地スタッフだけで対処できない時は現地へ赴くこともたびたびあったそうです。今回の遠隔メンテナンスなら、日本語がわかる人さえいれば事務所にいながら指示を出せるので、大きな効率化が図れました。
小林社長は、社としての作業品質にも言及します。
「若手作業者は、設備の調子が悪いことはわかっても、なぜ調子が悪いのかはわかりません。それが技能の勘所に当たる部分だからです。でもベテラン作業者なら、噛み合わせが悪いだとか隙間の調整が悪いなど、長年の経験から原因を特定できます。ですから、ここを開けてこのねじを締めなさいと指示すれば、若手作業者でもプロフェッショナルのように作業できる。それは、全員が全員エースでなくとも一定の品質を担保できるということです。作業者個人にとっても、分からない中で右往左往するよりベテラン作業者の指示のもとで確実に正解へたどり着ける方が効率的で、技能のレベルアップにも近道になります。事務所にいながらにして国内工場も海外工場も支援できるというのは大きいですね」。