日本ピスコは、クリーンエネルギーについて先進的な取り組みを進めている空気圧機器の専門メーカーです。2009年には、伊那第二工場に長野県でいち早く大規模な太陽光発電システム(400kW)を導入し、これにより長野県環境保全協会の信州エコ大賞を受賞するなど高い評価を受けています。今回エネルギー監視システムの導入を検討した経緯について、株式会社日本 ピスコ 管理1グループ課長の佐々木和実氏は「事業の拡大に伴い工場の増築や新築、設備の更新などを進めたために電力の使用量が増加しました。その結果、2010年に『エネルギーの使用の合理化等に関する法律』※に定められる特定事業者の指定を受け、エネルギー使用量削減の取り組みを進める必要が出ました」と語ります。 その中で、株式会社日本ピスコ管理1グループ係長の中村光宏氏は、エネルギー使用量削減への課題を次のように挙げます。
「エネルギーのうち9割が電力であったため、この削減に取り組む必要がありました。しかし総量としての電力使用量の把握しかできておらず、どこでどれだけの電力が使われているのか詳細に把握できていませんでした。 まずは個別の電力使用量を把握する必要があると考えました。」 電力計測に必要な機器導入などの投資について「社内では慎重な声もあった」(佐々木氏)とのことですが、検討の結果、本社工場を始めとする長野県内の全5工場にエネルギー監視システムの導入が決定されました。数あるシステムの中からパナソニックISの提案する「eneview」を選定した理由について佐々木氏は「既設の計測機器の情報も集計できること、価格面で優位性があったこと、画面操作がわかりやすいことなどを考慮しました」と言います。
※エネルギーの使用の合理化等に関する法律 : 省エネルギーについて定められた法律で、別名「省エネ法」。 “工場等(事業場)”、“輸送”、“住宅・建築物”、“機械器具”の4分野で、エネルギー使用の合理化を進めるための措置が定められており、“工場等”においては原油換算した年間のエネルギー使用量が1,500klを超えた場合に特定事業者の指定を受け、使用状況の届け出や報告書の提出、中長期計画書の提出などの義務を負う。