eneviewを導入
スーパーコンピュータの節電対策に貢献

2015年4月には3.6PFLOPS超の日本でもトップクラスのスーパーコンピュータの稼働が予定されている国立大学法人 名古屋大学 情報基盤センター様(以下、情報基盤センター)では、いち早く消費電力の大きなスーパーコンピュータの正確な電力把握や運用効率化への取り組みを開始。それを支えたのがパナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)の「eneview(エネビュー)」エネルギーモニタリングシステムです。パナソニックISはパナソニック株式会社とともに、その提案から導入までを行いました。
課題
  • スーパーコンピュータの効率運用・経費削減・安定稼働

  • 他部局サーバの電力測定

解決
  • スーパーコンピュータの節電対策、効率運用、さらには経費削減に貢献

  • 他部局サーバの電力測定を開始

情報基盤センターは、全国に7つある学術研究のためのスーパーコンピュータ共同利用施設のひとつです。全国の大学や研究所の研究者に世界で最先端のスーパーコンピュータの利用環境を提供し、利用者支援、研究開発、人材育成、産学連携および近隣大学との連携を含む地域・社会貢献を行い、学術研究の発展 に寄与しています。また、産学連携による共同研究に対する支援や、神戸の「京」コンピュータと連携した革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)を通じて 、民間企業によるスーパーコンピュータ利用の促進も図っています。

2011年の東日本大震災後、「節電」がすべての企業や団体にとって大きな課題となるなか、消費電力の大きなスーパーコンピュータを多数抱える情報基盤センターでは、いち早く省エネへの取り組みに着手。その一環としてeneview(当時Version1)を導入し、エネルギーの「見える化」や、節電対策・効率的運用に貢献しました。また、学内の他部局のサーバを同センターで集約管理することにより省エネにも貢献しました。

2013年10月、スーパーコンピュータシステムのリプレースPhase1をきっかけにeneview(Version2)を導入しました。 これは2015年4月稼働予定のPhase2に向けた大幅な消費電力の増加や他部局サーバの集約化が見込まれ、効率的運用が望まれたためです。「採用のポイントはグループ集計や演算機能など必要な機能が追加されたこと」、そしてパナソニックISのeneviewモニタリングシステムを選択したポイントは「リアルタイム計測とデータの蓄積、GUIによる対話的可視化でした」と情報基盤センターの高橋一郎氏は語ります。 高橋氏は「提案から導入完了までをパナソニックISの協力により、実際の導入作業も非常にスピーディだった」とパナソニックISの対応を評価します。
国立大学法人名古屋大学
情報基盤センター
高橋 一郎 氏

SUPER HIVISION 185インチ 8Kモニター
施設内には、スーパーコンピュータの計算結果や数値データ(CAD、医療、衛星、計測等)を組み合わせて、人間が見てわかりやすいように、さまざまな観点から数値データを表示するための可視化機器が設置されています。

壁一面を占める185インチのSUPER HIGHVISION 8Kディスプレイと150インチの立体視対応スクリーンモニター。8Kディスプレイは大規模メモリを搭載したスーパーコンピュータに直結し、対話形式で大規模データを可視化できます。おそらくこのような可視化環境は世界でもここだけではないでしょうか。その並びにはカメラを搭載したヘッドマウントディスプレイシステム、さらに部屋の一角にはプラネタリウムを感じさせるドーム型ディスプレイシステムと、現実離れした世界のように感じます。

しかし、スーパーコンピュータは、実は意外にも私たちの日常と深く結びついているそうです。NHKの「クローズアップ現代」でも紹介されたように、赤ちゃんが毎日使う紙おむつから最先端のジェット旅客機まで、スーパーコンピュータは今やものづくりに欠かせない存在なのです。さまざまな分野におけるイノベーション創出が期待され、「スーパーコンピュータは、私たちの生活をより豊かなものにしてくれます」と高橋氏は語ります。

その運用を陰で支えるのが、eneviewエネルギーモニタリングシステム。Phase1システムへの導入後も「特に問題が起きることもなく安定運用ができています」ということでした。

情報基盤センターの複数階にわたるサーバルームに設置されている「多回路エネルギーモニタ」ユニットで計測されたスーパーコンピュータや空調機器のエネルギーデータは、LANを通してeneviewエネルギーモニタリングシステムに集約、「見える化」を実現しています。また、旧システムの蓄積したノウハウや環境監視データは、Phase1システムのマシンレイアウトや空調方式の検討にも役立ちました。これらさまざまな面で、「節電効果が得られた」と実感されています。  今回導入したeneview(Version2)では、新たにグループ集計や差分集計ができるようになり、「この演算機能により手作業がなくなり、電力量の計算が非常に楽になった」と高橋氏。またeneviewの帳票機能を活用し、月報も楽に作成できるようになりました。
温度・湿度リアルタイム計測モニター表示画面

今後の展望

情報基盤センターでは次世代を見据えた情報化戦略のもと2015年4月には、神戸の「京コンピュータ」※の1/3もの能力を持つ最新鋭機によるサービスを開始します。今後、このようなスーパーコンピュータの計算規模の増大に伴って、消費電力や計算ノード(部品点数)の大幅な増加が見込まれます。このため、「より一層の効率的運用や安定稼働に努めたい」と高橋氏は語ります。パナソニックISもeneviewのさまざまな機能が、この世界有数のスーパーコンピューティング環境のより高い活用にお役立ちできるよう製品強化を図ってまいります。

※独立行政法人理化学研究所 計算科学研究機構

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当社担当からひとこと

舘 輝之
スーパーコンピュータの運用には、膨大な電力が必要となります。 効率的な運用のためにレイアウトなどの工夫をされており、大変勉強になりました。世界トップクラスのスーパーコンピュータを支える仕事に携われたことを嬉しく思っております。今後、さらに高性能なスーパーコンピュータを導入される予定だとお聞きしております。名古屋大学様の取り組みに対してさらなるご支援を続けていきたいと思います。
取材︓2014年5月26日 
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