eSmileCallを導入
顧客対応業務を効率化

株式会社デアゴスティーニ・ジャパン様(以下、デアゴスティーニ・ジャパン)が日本市場へ参入したのは1988年、1997年に現在のデアゴスティーニ・ジャパンに社名変更を行いました。総本社はイタリアのノヴァーラ、創設の地はローマ、そしてその起源は1901年までさかのぼります。そんなデアゴスティーニ・ジャパンでは、自社基幹システムの刷新プロジェクトを開始。パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)がその提案から導入までを行いました。
課題
  • コールトラッキングシステムの統合

  • コールトラッキングシステムとフルフィルメントシステムの統合

解決
  • コールセンターの統合、システムの一本化を実現

  • システム間連携、リアルタイムでのデータ連携を実現

急速に売り上げが伸びる中、お客さまへのサービスレベル向上のためには、今までサポート拠点ごとに導入していた「コールトラッキングシステム」 (お客さまからのお問い合わせや電話での受注を管理するシステム)や「フルフィルメントシステム」(お客さまの受注~在庫管理~出荷~請求~入金までを一括管理するシステム)を一元化し、 情報の統合化や業務スピード向上を実現する必要がありました。そこで、主に2つの課題について、課題解決に向けて取り組みました。

「当社では2拠点のコールセンターを運営、それぞれ別々のコールトラッキングシステムを運用していました」とデアゴスティーニ・ジャパンの松尾氏。 2拠点間にはシステム連携の仕組みがなく、それぞれのお客さま情報や問い合わせ情報を共有することができないため、同じお客さまが別拠点のコールセンターへ連絡をした場合、重複した内容を改めて伺うという問題がありました。 また、コールトラッキングシステムとフルフィルメントシステムのデータ連携がないため、Microsoft Excel(以下、Excel)を介してデータの受け渡しが行われていました。「お客さまのご注文をいただくECの仕組みは完成されていたにも関わらず、電話で受けたご注文を処理する受注の仕組みがニーズに合わないものとなっていました」と下里氏。

例えば、アフターサービスで、パーツの再出荷手続きを行う際、Excelに一旦データ入力し、さらに受注システムへ手入力で登録するために、配送遅れや配送ミス等の問題が発生していました。下里氏によると、以前のシステムでは「各データを人間が手作業で1件1件チェックし、重複注文など問題がないことを確認し、初めてフルフィルメントシステムに受注データを流し込むという処理を毎日夜間に行っていたのです」。しかも、Web注文→受注登録→出荷の手続きをお客さまごとに進めるのではなく、手作業でのチェックが完了したものより順次、各処理をバッチ処理で行っていたのです。また、「バッチ処理中は契約入力が停止するため、電話でのご注文データ入力作業が遅れ、商品配送が遅延することも度々発生しました」と松尾氏。

コールセンターのシステムを一本化してお客さまの利便性をあげたいという強い思いと、データをリアルタイムに連携し作業の効率化を図りたいという狙いの元、2009年から、新システム導入に向けた取り組みを開始。システム選定に当たり最も重要視したのは「お客さまへ安心をお届けできるシステムであること」だったと下里氏は語ります。それに加えて、パナソニックISが提供中の「コールトラッキングシステム+ERP+EAIツール」を組み合わせた提案モデルが、「当社のニーズを最大限に満たしていました」と下里氏。そして2011年11月、パナソニックISの提案する、「eSmileCall」(コールトラッキングシステム)、「GRANDIT」(フルフィルメントシステム)、そして「ASTERIA」(システム間連携ツール)を統合した基幹システム“Phoenix”が稼働しました。
株式会社デアゴスティーニ・ジャパン
CDM部 カスタマー・データベース・マーケティング コントローラー
松尾 一大 氏

「Phoenixと名付けられた新システム稼働まで、数々の課題が立ちはだかりました」と松尾氏は当時の状況を語ります。 とりわけ、コールセンターで受け付けた問い合わせを分析するために、カテゴリをどのように分類すれば良いか悩んだと言います。最終的にはeSmileCallが標準機能として持つ3階層のカテゴリを作成、「結果として、問い合わせ内容を分析しやすい仕組みにすることができました」(松尾氏) eSmileCallの画面で、GRANDITが持つお客さまの契約状況や請求状況をリアルタイムに確認できる仕組みの仕様決定にも、かなりの時間を要したとのことです。

「パナソニックISのSEとともに、“見やすい”、“直感的にわかりやすい”ということを念頭に、より良い画面作りに多くの時間をかけました」と下里氏。 また、「コールセンターのシステムを一本化し、リアルタイムでのデータ連携を実現することにより、お客さまの利便性を向上させたと同時に、オペレーションコストの大幅な削減を実感できた」と松尾氏は言います。また、新システムを導入するに当たり、今までシステムごとに管理していたお客さまコードや商品コードをシステム間で統一。商品在庫の効率的な運用を実現できたとともに、商品の出荷ミスが激減したとのことです。「やっと時代のニーズに当社のシステムが追いついたと感じています」と下里氏は手ごたえを感じている様子でした。
株式会社デアゴスティーニ・ジャパン
IT ビジネス アナリシス マネージャー
下里 信二 氏

今後の展望

当社が求める要件を満たした、完成度の高いシステムを短期間で導入していただいたパナソニックISに感謝しています。また、導入後のサポートについても業務面にも踏み込んだ対応を行っていただき大変満足しています。引き続き、お客さま視点でのサポートをよろしくお願いいたします。(下里氏)

日常的な対応もさることながら、課題発生時の解決策立案など当方では考えが及ばない点を指摘いただくパナソニックISには感心しています。現在のシステムは満足していますが、お客さまのニーズは日々変化していきますので、これからもお客さまニーズにあった更なるシステム拡張を期待しています。(松尾氏)

パナソニックISに相談してみる

当社担当からひとこと

島田 久資
本プロジェクトは、システム統合と同時にシステムごとにコード体系が異なるマスタ情報を整理・統合する、パナソニックISとしても非常にハードルが高いプロジェクトでしたが、デアゴスティーニ・ジャパン様の強力なプロジェクト牽引力のもと、目的を達成できたことの達成感をお客さまと共有できた事を大変嬉しく考えております。これからも、デアゴスティーニ・ジャパン様のビジネスに貢献できるシステムのご提案・ご支援を継続して実施していきたいと思います。
取材︓2014年7月28日 
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