eneviewを導入
データ計測からレポート出力までをワンストップで実現

「一歩先を行く」企業が選んだ、環境監視システムとは?
グリーンITにもいち早く取り組むなか、新設した環境配慮型データセンターを「gDC」(後述)とネーミング。その第1号である「心斎橋gDC」に導入されたのが、パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下:パナソニックIS)の環境監視・電源管理ソリューションです 。
課題
  • データセンターでの消費電力量を計測したい

  • お客さまに新しい付加価値サービスを提案したい

解決
  • データ計測からレポート出力までをワンストップで実現

  • データセンター事業のさらなる効率化を実現する基盤ができた

採用の決め手は、製品の多彩な機能とグループ総合力を 活かした柔軟な提案力

「心斎橋gDCは第3世代のデータセンターです」と、今回企画を担当したIT基盤サービス事業部IT基盤サービス企画部の程嶋(ほどしま)直樹氏は語ります。「データセンターは、業務システムにおける電算センターの役割を担う第1世代から、プラットフォームのオープン化やインターネットの普及により第2世代であるIDC型のデータセンターへ変革していきました。今後の第3世代では、お客さまに新しい付加価値を提供するため、クラウドコンピューティングなど次世代型のサービスを提供するとともに、安全・効率性にも優れた環境配慮型のデータセンターを構築していきます。この第3世代のデータセンター第1号として2009年5月にグランドオープンしたのが心斎橋gDCです。gDCの”g”はグリーン、つまり環境に配慮したデータセンターを意味しています」(程嶋氏)。これは昨今、国をあげて環境配慮、CO2削減をめざすなかで、データセンター事業者として、環境への配慮が必要だという考えに基づくものだそうです。

一方TISでは、データセンターのエネルギー利用効率を図る指標としてPUE※を採用しています。PUEは、データセンターの総電気量をIT機器の総電力量で割った結果を数値で示すもので、レベルアップのためには、どの設備・機器にどの程度の電力が使われているかを詳細に計測・分析をしたうえで、最適に諸設備を稼働させる必要があります。そこでTISでは昨年末、次世代型である心斎橋gDC構築を契機に環境監視システムを導入することにしました。

機能・コストの両面から数社のソリューションを検討した結果、パナソニックの多回路エネルギーモニタを活用したパナソニックISの環境監視・電源管理ソリューションが選ばれたのです。パナソニックが提供する多回路エネルギーモニタは消費電力量だけでなく、電圧や電流の監視、異なる電源系統の計測も可能です。また、パナソニックISのソリューションは、製品提供にとどまらず、システムカスタマイズから工事まで総合的に提供できることもポイントだったようです。

※PUE:データセンターのエネルギー効率を示す指標の1つで、データセンター全体の消費電力をサーバなどのIT機器の消費電力で割った値で示される。数値が1.0に近づくほど、IT機器が消費する割合が高くなり効率が高い。一方、数値が1.0より大きくなるほど、空調設備等、IT機器以外で電力を消費していることになり効率が悪い。

データセンターを利用するお客さまにも好評。さらなる進化への第一歩を踏み出す

「データセンター事業者としては、使用電力の管理はお客さまごとやエリアごとなど多面的な管理が必要ですが、計測機器の導入からレポート生成・出力といった運用システムの構築までを1社で対応してもらえる製品・ソリューションはあまりなかったのです。パナソニックISには、多面的管理に必要なカスタマイズも柔軟に対応してもらえました」と、データセンターの運用を担当するIT基盤サービス事業部アウトソーシング統括部の篠田公宏氏は語ります。データセンターを利用するお客さまに高水準のサービスを提供するため、計測したデータを自動的にレポートにまとめて出力する機能などを付加。さらに、設置にあたっては、パナソニックISの経験やノウハウが活きたといいます。「多回路エネルギーモニタの設置場所は、分電盤内の空きスペースをうまく有効活用し設置してもらいました。」(篠田氏)、「施工上の工夫をいろいろ凝らしてもらいましたね」(程嶋氏)とのこと。

データ計測は2009年7月にスタート。「お客さまへのレポート提供はすでに開始しており、好評をいただいています」と篠田氏。現在は電流値の計測・闘値監視ならびに実績レポートの提供までですが、今後は多面的な管理・監視を行っていきたいとのこと。また、程嶋氏からは次のようなコメントが。「電力量の管理は実測値がベースですが、設備設計時はカタログ値(定格消費電力値)を元にこれまでの運用実績から需要率を加味して、サインジングしているのが現状です。そこで、今後は環境監視システムで蓄積したデータを元に実測値を細分化して管理できるため、定格値と実測値の相関関係を検証・精査することでより最適な設備実装ができると思います。

その結果、諸設備の稼働もより効率よく環境に優しいデータセンターへ進化していくのではないかと思います。」

今後の展望

TISでは今後、グリーンITの実現に向け、PUEを指標にデータセンターのエネルギー効率を高めていくため、環境監視システムで計測したデータを活用した動的な諸設備の稼働をめざしていきます。「ポイントは、空調にかかる消費電力の削減ですね。データセンターでは、IT機器の次に電力を消費するのが空調なのです」と程嶋氏。篠田氏も「IT機器にも今後、省エネ型も出てくると思うのですが、こうした機器が登場したときに評価・分析するためにも、環境監視システムがリアルタイムにモニターしている数値を活用したいですね」と語ります。

IT技術の進化によるデータセンターにおける電力の使われ方の変化にも注目しているとのこと。「たとえば今後仮想化技術が進んでいくと、実際にシステムが使用するコンピュータリソースはサーバ等の物理環境への依存性が低くなると考えられます。システムの稼働状況にあわせてデータセンターの諸設備を動的に制御できるような仕組みを考えたいですね。

そういった場合にもどのタイミングでどれだけ電力を使っているかが重要になってきます。また、TISは次世代型データセンターで、お客さまに訴求できる新しい付加価値サービスを実現したいという思いがあります。お客さまに満足いただけるサービスを提供するためにも、その土台となるデータセンターにおいて、環境監視システムは大きな役割を果たしていくものと考えています。」と程嶋氏。将来構想は着々と進んでいる様子です。

「パナソニックISにはカスタマイズ要件をいろいろお願いましたが、これからどう運用するかが大事です。品質面や運用上での変更も出てくると思うので、柔軟な対応を希望します」(篠田氏)
パナソニックISも、時代や環境の変化に対応しながらサポートしてまいります!

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取材︓2009年9月1日 
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