エンタープライズサーチとは?主な機能やメリット・デメリットを解説
エンタープライズサーチとは、社内に存在するさまざまなデジタルデータを検索できるシステムのことです。ファイルサーバやクラウドストレージなどの保管元を問わず、キーワードや検索条件を指定して必要な資料を見つけられるのが特徴です。
情報収集の時間短縮につながるため、複数の場所に大量のデータを保存している企業では、特に大きな効果を発揮するでしょう。しかし、導入を検討しているものの、搭載されている機能や社内ポータルとの違いなどが気になる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、エンタープライズサーチの仕組みや代表的な機能、導入メリットを解説します。エンタープライズサーチの導入を考え始めたら、まずは概要を理解するところから始めましょう。
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目次[非表示]
- 1.エンタープライズサーチとは
- 2.エンタープライズサーチの主な機能
- 3.エンタープライズサーチを導入するメリット
- 3.1.情報収集の時間を短縮できる
- 3.2.社内のナレッジ共有がスムーズになる
- 3.3.セキュリティ対策につながる
- 4.エンタープライズサーチを導入して業務効率化を図ろう
エンタープライズサーチとは
エンタープライズサーチとは、社内に保管されたあらゆるデータを横断的に検索できるシステムのことです。企業向けの検索エンジンとして活用できます。
検索可能なデータの種類はツールによって異なりますが、次のようなものが代表的です。
- Microsoft Officeで作成したファイル(ExcelやWord、PowerPointなど)
- テキストファイル
- 画像ファイル
- HTMLファイル
- クラウドストレージに保存されているファイル
GoogleやYahoo!などの検索エンジンと同じように、該当するキーワードを検索窓に入力すると、条件にあてはまる結果が一覧で表示される仕組みです。
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エンタープライズサーチの主な機能
エンタープライズサーチの代表的な機能は、次のとおりです。
機能 |
詳細 |
|
検索機能 |
横断検索 |
保管先を問わず、社内のあらゆるデータを横断的に検索できる機能 |
あいまい検索 |
類義語による検索が可能な機能 |
|
自然文検索 |
人間が使う話し言葉を理解し、正確な検索結果を表示する機能 |
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絞り込み検索 |
キーワードとともに検索条件を指定できる機能 |
|
サジェスト機能 |
キーワードの一部を入力した時点で、複数の検索候補を表示する機能 |
|
サムネイル表示機能 |
検索結果に資料の画像を表示する機能 |
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OCR機能 |
画像やPDFファイルをテキストデータとして読み取り、検索結果に反映させる機能 |
|
アクセス権限管理・認証機能 |
従業員や部署ごとに資料の閲覧権限を付与する機能 |
|
活用データの取得 |
社内におけるエンタープライズサーチの利用状況を可視化する機能 |
ここでは、各機能の特徴を解説します。
検索機能
検索機能には、大きく分けて次の4つの種類が存在します。
- 横断検索
- あいまい検索
- 自然文検索
絞り込み検索エンタープライズサーチを最大限に活用するためにも、それぞれの特徴を確認しておきましょう。
横断検索
横断検索は、企業内に保存されたすべてのデータを横断的に検索できる機能です。ファイルサーバやデータベース、クラウドストレージといった保管先に関わらず、キーワードからデータを収集できます。
幅広いファイル形式に対応しているのも横断検索のポイントで、Office系やPDF、Zipのような圧縮ファイルなど、あらゆるデジタルデータが対象となります。そのため、目的のデータだけでなく、新たな資料が見つかるケースも珍しくありません。
あいまい検索
特定の資料を検索したい場合に適切なキーワードが思い浮かばず、ピンポイントで検索できないこともあるでしょう。このような場合は、類義語による検索が可能な「あいまい検索」が役立ちます。
あいまい検索は、たとえば次のような表記ゆれに対応できます。
・「データーベース」→「データベース」
・「テレワーク」⇔「リモートワーク」
検索語句と対象データが完全に一致しなくても欲しい情報にたどり着けるのが、あいまい検索のメリットです。
自然文検索
自然文検索は、あいまい検索の技術を発展させたものです。人間が使うような話し言葉を機械が正確に理解し、キーワードに応じた検索結果を返します。
たとえば、「スマホの写真をプリントアウトするには」と検索すると、「スマートフォンで撮影した写真の印刷方法」のような形で認識されるため、正確な検索結果が表示されやすくなります。
自然文検索を活用すると、キーワードを考える手間が省けます。
絞り込み検索
絞り込み検索は、キーワードとあわせて検索条件を指定できる機能です。データの保存先やファイル種別、最終更新者の氏名などの条件で情報を絞り込めます。
保存されているデータの量が多く、顧客やプロジェクト単位で資料が分類されている場合は絞り込み検索機能が便利です。特定のフォルダ内を検索対象に指定することもできるため、情報収集の効率性が高まります。
サジェスト機能
サジェストとは、キーワードの一部を入力した時点で、関連キーワードを表示してくれる機能です。数文字のキーワードを入力するだけで、複数の候補が表示されます。
サジェスト機能は、正確なキーワードがわからない場合や、キーワードに続く語句が思い浮かばないケースに効果を発揮します。
サムネイル表示機能
サムネイル表示とは、検索結果画面に表示されたデータを開かなくても、検索画面上でファイルの内容を確認できる機能のことです。
探しているデータやファイルの名称がわからない場合は、一つずつファイルにアクセスすることになり、手間と時間がかかります。サムネイル表示機能を使えば、目的のデータを効率的に探すことが可能です。
この機能が有効になっていると、検索結果画面に資料の画像が表示されます。また、製品によっては、資料の概要が検索結果画面に表示されることもあります。いずれもリンクをクリックせずに資料の内容を確認できるため、より効率的な情報収集が可能です。
OCR機能
OCR(光学文字認識)とは、画像やPDFファイルからテキストデータを抽出する機能です。この機能によって、テキストによる検索が困難な画像やPDFファイルも全文検索の対象となります。
また、あいまい検索や自然文検索に優れたツールであれば、OCRによってテキストが誤変換された資料でも、正確に内容を読み取って検索結果を表示します。
アクセス権限管理・認証機能
特定の従業員のみに閲覧を許可したいファイルがある場合は、アクセス権限管理や認証機能を利用するとよいでしょう。
閲覧権限が付与された資料のみを検索結果に表示したり、認証情報のない従業員のアクセスを禁止したりすることで、セキュリティ面を強化できます。
活用データの取得
エンタープライズサーチでは、次のようなデータの取得が可能です。
- エンタープライズサーチの利用状況
- エンタープライズサーチの利用頻度が多い組織(部署・支社など)
- よく検索されているキーワード
- 必要な資料が表示されなかった(ゼロ件ヒット)キーワード
このようなデータを分析すると、従業員が抱えている悩みや困りごとを把握でき、システムを適切に運用するためのヒントが見つかります。
エンタープライズサーチを導入するメリット
エンタープライズサーチを導入すると、次のようなメリットがあります。
- 情報収集の時間を短縮できる
- 社内のナレッジ共有がスムーズになる
- セキュリティ対策につながる
情報収集の時間を短縮できる
情報収集は、社内に蓄積されているデータが多ければ多いほど時間がかかります。
エンタープライズサーチであれば、キーワードや検索条件を指定するだけで目的の資料が検索でき、情報収集の工数削減につながります。余った時間を別の業務に割り当てられるので、業務効率も高まるでしょう。
社内のナレッジ共有がスムーズになる
エンタープライズサーチを導入すると、ワンストップで情報収集を行えるナレッジベースが完成します。不明な点があれば従業員が自ら検索できるほか、作成する資料の重複を避けられるため、大幅な業務効率化が可能です。
また、新しく加入した従業員やチームメンバーに対する、教育の負担を抑えられるのもメリットです。
特に、1990年代半ばから2010年頃に生まれたZ世代は、不明な点が見つかった際に、まず自分で情報を調べる傾向があります。エンタープライズサーチによってナレッジベースを構築すれば、Z世代にとっても働きやすい環境が整います。
セキュリティ対策につながる
エンタープライズサーチをはじめ、検索性に優れた情報管理ツールを利用する際は、セキュリティ面を考慮しなければなりません。誰もが容易に必要な情報を取得できる状況は、同時に情報漏洩のリスクが高まることを意味するからです。
エンタープライズサーチには、アクセス権限設定や認証機能が備わっているため、組織規模や働き方に合わせて適切なセキュリティ体制を構築できます。
さまざまなメリットがありますが、具体的な導入効果が気になる方はこちらのページもご確認ください。
エンタープライズサーチを導入して業務効率化を図ろう
エンタープライズサーチは、社内に存在するデータ量が多い企業ほど導入の効果が大きくなります。GoogleやYahoo!と同じ感覚で、社内の必要なデータを検索できるため、情報収集にかかる時間の大幅な削減につながります。
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