CRMマーケティングとは?重要性の高さと取り組むメリットをご紹介
新規顧客の獲得は、営業やマーケティングの担当者にとって重要な課題です。しかし近年、ビジネス環境の変化により、新規顧客の獲得が以前よりも難しくなったと感じている方が多いのではないでしょうか。
そこで注目されているのが、「CRMマーケティング」という考え方です。CRMマーケティングとは、顧客に関するあらゆるデータを一元管理し、分析結果をもとに顧客一人ひとりに合わせたアプローチを行うマーケティング手法です。
新規顧客を開拓するコストは既存顧客の5倍ともいわれており、最近では、より費用対効果が高い既存顧客へのアプローチを重視する動きがあります。CRMマーケティングは、既存顧客との関係を維持・強化するうえで有効です。
本記事では、CRMマーケティングの意味や重要性、メリットについて詳しく解説します。具体的な施策も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.CRMマーケティングとは?
- 2.CRMマーケティングが重要視されている理由
- 2.1.新規顧客の獲得が難しくなっている
- 2.2.顧客ニーズが多様化している
- 2.3.営業スタイルが変化している
- 3.CRMマーケティングのメリット
- 3.1.リピート率・顧客満足度の向上につながる
- 3.2.業務効率化が期待できる
- 3.3.顧客の声を製品開発やサービスの品質向上に活かせる
- 4.CRMマーケティングの主な施策
- 4.1.顧客情報の管理・分析
- 4.2.顧客をセグメントする
- 4.3.マーケティング施策の立案と実施・効果検証
- 5.CRMマーケティングを通じて顧客との関係性を深めよう
CRMマーケティングとは?
CRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理)とは、顧客満足度やロイヤルティを高めたうえで、売上や収益の向上を目指す管理手法です。CRMの概念をマーケティング戦略に反映させ、顧客と良好な関係を構築するための手法として確立したものを「CRMマーケティング」といいます。
CRMマーケティングを実践する際は、顧客情報を一元管理できるCRMツールを活用するのが一般的です。さまざまな外部システムに蓄積された顧客情報を集約でき、分析することでニーズや課題を深掘りします。CRMマーケティングは、顧客情報を起点に、戦略やアクションプランの最適化を図ることが可能な手法です。
CRMマーケティングが重要視されている理由
CRMマーケティングが重要視されている理由として、大きく次の3つのポイントがあげられます。
- 新規顧客の獲得が難しくなっている
- 顧客ニーズが多様化している
- 営業スタイルが変化している
新規顧客の獲得が難しくなっている
少子高齢化が進む日本では、人口の減少とともに市場が縮小し、新規顧客の獲得がますます難しくなっています。広告費は高騰し、価格競争が激化するなど、企業を取り巻く環境は厳しくなっているといえるでしょう。
また、新規顧客の開拓は、コストがかかる割に利益へつながりにくいと言われています。営業・マーケティング活動においては、新規顧客をターゲットにするよりも、既存顧客との関係を維持・強化しようとする動きがあります。
既存顧客のLTV(生涯顧客価値)を向上させ、より少ないコストで売上や利益の拡大を望む企業が増えていることが、CRMマーケティングに注目が集まっている理由の一つです。
顧客ニーズが多様化している
インターネット社会は、消費者の購買行動の多様化という大きな変化をもたらしました。購入を検討する段階で、消費者がさまざまな情報を得られるようになったことから、経済社会の主体が企業から顧客へと移り変わっているといえるでしょう。
従来のようなマス広告を用いた大規模なブランディングや、画一的な販売戦略は、現代の多様化した顧客ニーズを捉えるのに十分とはいえません。精細な分析が可能なCRMマーケティングは、顧客ニーズが多様化する現代には欠かせない考え方です。
営業スタイルが変化している
近年の営業スタイルは、いわゆる「外回り」を意味するフィールドセールスと、メールやWeb会議システムなどを使って非対面で実施するインサイドセールスの2つに分かれています。
対面で実施するフィールドセールスに対して、非対面のインサイドセールスは相手の顔が見えづらく、正確な顧客選定を行うためには、見込み客の情報を分析することが欠かせません。インサイドセールスの機会が増えたことも、CRMマーケティングの重要性が高まっている要因だといえるでしょう。
CRMマーケティングのメリット
CRMマーケティングを実施すると、リピート率の向上や業務効率化など、さまざまなメリットが期待できます。
リピート率・顧客満足度の向上につながる
CRMマーケティングでは、顧客の属性情報はもちろん、購入履歴やWebサイトのアクセス履歴といった情報まで、統合的な管理を行います。一元的な顧客データを分析することで、顧客が置かれている状況や課題が発生している部分などを、リアルタイムに把握できるのが利点です。
顧客のニーズが明らかになれば、リピート率や顧客満足度の向上につながる施策を立案しやすくなります。また、一人ひとりの顧客に対して、パーソナライズされた提案を行えるようになるでしょう。
業務効率化が期待できる
一元的に管理された顧客情報は、よりスムーズな部門間連携を可能にします。
CRMツールは、部門の垣根を越えて誰でもアクセスできるため、特定の部門でブラックボックス化が起きる心配がありません。担当者が不在でも別の人が代行できたり、引き継ぎの負担が軽減されたりと、業務効率化にもつながります。
顧客の声を製品開発やサービスの品質向上に活かせる
CRMツールには、カスタマーサポートの応対履歴や、商品・サービスに対するフィードバックなど、VOC(Voice Of Customer/顧客の声)を蓄積できます。問い合わせ管理システムやアンケート調査ツールと連携すれば、従来のPOSデータ分析では把握しづらい、購買理由や解約理由といった定性情報を取得できるのがポイントです。
収集したVOCは、新たな製品開発やサービスの品質向上につながるヒントになり得ます。また、ビッグデータを解析することで、顧客自身も認識していない潜在的なニーズを発見できる場合もあるでしょう。
CRMマーケティングの主な施策
CRMマーケティングは概念的な側面が強く、具体的な施策がイメージできない方も多いのではないでしょうか。ここでは、CRMマーケティングの代表的な施策例をご紹介します。自社での施策立案に、ぜひお役立てください。
顧客情報の管理・分析
CRMマーケティングで最も基本的な施策は、顧客情報を管理・分析することです。
顧客情報を整理するだけであれば、エクセルやGoogleスプレッドシートに情報を入力すれば済みます。しかし、この方法では膨大な量の顧客情報を集約するのに工数がかかり、作業が属人化しやすくなります。
CRMツールを導入し、基幹システムや問い合わせ管理システム、名刺管理システムなどを連携することで、情報が管理しやすくなります。多くのシステムを連携するほど、情報を一元管理するメリットを強く実感できるでしょう。
また、CRMマーケティングのデータ分析には、売上上位の顧客の傾向を割り出す「デシル分析」や、顧客の状態からパターンを見出す「CPM分析」などの種類があります。分析結果を施策に反映することで、マーケティング活動の最適化につながります。
顧客をセグメントする
顧客のセグメントは、CRMマーケティングの代表的な分析手法の一つです。年齢や性別といった属性情報に加え、来店頻度や購入金額などの行動履歴をもとに、顧客を細かいグループへと分類します。
同じグループに属する顧客は、嗜好や行動傾向が似通っている可能性が高いでしょう。売上貢献度の高いグループの嗜好や行動傾向を分析することで、ペルソナやターゲットを決める際の参考になります。
マーケティング施策の立案と実施・効果検証
CRMマーケティングで最も重要なのは、分析・施策・改善の一連の流れを繰り返し実行することです。効果検証と改善を行うことで、徐々に施策がブラッシュアップされていきます。
あらかじめKGI(最終目標)やKPI(中間目標)を設定し、目標と実績の差を客観的に確認できるようにしましょう。マーケティングプロセスでボトルネックが生じた場合は、解決策となる仮説を立て、アクションプランの軌道修正を行います。
CRMマーケティングを通じて顧客との関係性を深めよう
CRMマーケティングは、顧客の情報をもとに、ニーズやインサイトを踏まえ、適切な施策を考案・実施するための手法です。顧客起点の施策によって良好な関係を築くことができ、ひいては企業の売上や利益の向上につながります。
CRMマーケティングを実践するには、顧客情報を一元管理するためのCRMツールが欠かせません。なかでも、業界ナンバーワンのシェア率を誇る「Salesforce(セールスフォース)」は、営業・マーケティングの最適化につながる豊富な機能が備わっており、初めてCRMマーケティングを実践する方におすすめです。
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