デジタルアダプションとは?重要視されている理由を理解して、導入を進めよう
ビジネスシーンで活用できるWebシステムが多様化するなか、「社内での定着化が思うように進まない」「現場担当者に声をかけても使ってくれない」といった悩みを抱える管理責任者の方も多いのではないでしょうか。
このような状況において活用したいのが、デジタルアダプションです。デジタルアダプションとは、ユーザーに対してWebシステムの利用を促し、導入効果を最大化させるための考え方です。
実際にはデジタルアダプションプラットフォームを導入し、各Webシステムにユーザーガイドやチュートリアルなどを実装します。導入直後によくある、「操作方法が難しい」「複雑な機能を使いこなせない」といったユーザーの悩みが解消され、スムーズな定着へとつながります。
本記事では、デジタルアダプションプラットフォームのメリットや、導入時のポイントについて詳しく解説します。
目次[非表示]
デジタルアダプションとは
デジタルアダプションとは、社内に導入したWebシステムを従業員全員が意図した通りに活用し、導入効果を最大化させる考え方です。結果としてWebシステムが組織全体に定着し、形骸化の防止やユーザー満足度の向上につながります。
このような考え方を一つのツールへと落とし込んだものを、「デジタルアダプションプラットフォーム」と呼びます。デジタルアダプションプラットフォームには、チュートリアルやチャットボットなど、ユーザーの利用を支援する幅広い機能が搭載されており、Webシステムの定着化をサポートする役割を担います。
デジタルアダプションが必要とされる理由
デジタルアダプションが必要とされる背景には、企業によるDX推進が加速し、社内で活用するWebシステムが増加したことが一因として考えられます。
Webシステムが多様化するほど、社内の体制整備が追いつかない可能性が出てきます。特に、ユーザーのITリテラシーに比べて操作難易度が高い、あるいは学習時間が確保できないようなケースでは、社内にツールが浸透しないケースも珍しくありません。
一般社団法人日本デジタルアダプション協会が調査を行なった「デジタルアダプション実態調査(※)」によると、Webシステムを活用中の方の約92%が、利用方法や操作方法がわからず困った経験があると回答しました。また、情報システム部門では約40%の方が、全業務のなかで最も時間がかかるのは、Webシステムの導入手続きだと回答したのも特徴的です。
このような背景から、Webシステムのスムーズな定着を図るデジタルアダプションの考え方が重要視されています。
※デジタルアダプション実態調査を実施しました|一般社団法人日本デジタルアダプション協会(外部サイトに移動します)
デジタルアダプションプラットフォームを導入するメリット
ここでは、デジタルアダプションプラットフォームを導入するメリットを解説します。
導入したWebシステムを最大限に活用できる
デジタルアダプションプラットフォームを導入することで、導入したWebシステムを効果的に活用できます。
自社の目的に沿ってWebシステムを導入しても、各ユーザーのITリテラシーやツールごとの操作難易度が異なることから、意図した通りに活用が進まないことがあります。
デジタルアダプションプラットフォームは、ユーザーガイドやチュートリアルなどの機能により、ITリテラシーや操作難易度の個々の差異を最小限に穴埋めする役割があります。
これらの機能を活用すれば、各ユーザーが自身のスキルに左右されず、気持ち良くWebシステムを利用できるでしょう。導入したWebシステムをフル活用できるようになった結果、費用対効果の最大化につながります。
定着までにかかるコストを削減できる
デジタルアダプションプラットフォームを導入すると、定着までにかかる作業に必要な費用や工数を削減できます。マニュアル作成や社内ヘルプデスクの設置などが例として挙げられます。
ユーザーは、ガイドやツールチップなどを参考にしながら操作を行えます。導入直後のユーザートレーニングが実装されていれば、細かい設定方法や機能の使い方も短時間で習得可能です。利用中に不明点が見つかった場合は、FAQやマニュアルを参照することで問題解決へとつながります。
教育コストを削減できる
デジタルアダプションプラットフォームを導入すると、一過性のコスト以外に、継続的に発生する教育コストを削減できるのもポイントです。
Webシステム導入における教育コストとは、教育者による指導に要する手間や、講習会を開くための会場費・外部講師への報酬などが該当します。定着までにかかるコストは、あくまで一過性のものですが、教育にかかるコストは継続的に必要になります。
デジタルアダプションプラットフォームによって、ユーザー自身の学習をサポートできるため、教育にかかる工数も抑えられます。
業務の効率化につながる
デジタルアダプションプラットフォームに搭載されているユーザーガイドやツールチップなどの機能は、Webシステム利用時の精度向上にも効果を発揮します。
たとえば、特定の情報を入力中にミスが生じると、入力自動制御によって誤った箇所を指摘してくれます。入力ミスや設定漏れなどの回数が減り、手戻りにかかる工数の削減につながります。
また、ユーザーが自ら問題を解消できるようになれば、情報システム部門や社内ヘルプデスクへの問い合わせ件数が減り、組織全体での業務効率化が見込めるでしょう。
デジタルアダプションプラットフォームを導入するときのポイント
Webシステムのスムーズな定着を実現するためには、以下のような導入時のポイントを押さえておきましょう。
- 導入範囲を明確にする
- 活用データを収集して効果を可視化できるようにする
- 自社のニーズに適したツールやベンダーを選ぶ
導入範囲を明確にする
デジタルアダプションプラットフォームを導入する際は、あらかじめ現状の業務や既存のWebシステムの棚卸しを行い、適用範囲を明確にすることが大切です。
また、社内の複数の部門で横断的にデジタルアダプションプラットフォームを活用する場合は、汎用性についてもチェックしておきましょう。幅広いWebシステムに対応していたり、Webシステムとモバイルアプリの両方に適用できたりするタイプは、汎用性が高いといえます。
活用データを収集して効果を可視化できるようにする
デジタルアダプションプラットフォームの導入後、正確な成果を確認できるよう、導入前にKGI(最終目標)やKPI(中間目標)を設定しておくと良いでしょう。
たとえば、Webシステムの定着までのプロセスを、導入期・利用促進期・目標達成期の3つのフェーズに分けるとします。
利用状況をヒアリングしつつ、ツールの操作や機能に慣れ始めたユーザーは、導入期から利用促進期へと移行したものとみなし、その数や割合を指標へと落とし込みます。最終的に目標達成期へと移行したユーザー数や割合が多いほど、デジタルアダプションプラットフォームの効果が現れている証拠です。
ほかにも、アクティブユーザー数やツールごとのログイン頻度、社内ヘルプデスクへの問い合わせ件数などを指標に設定できます。具体的なKGIやKPIが設定できれば、目標と運用中の実績との差をもとに、より正確な効果検証が可能です。
自社のニーズに適したツールやベンダーを選ぶ
デジタルアダプションプラットフォームは、価格や機能の異なる数多くの製品が存在するため、自社にとって最適なタイプをアドバイスしてくれるベンダーを活用するのも一案です。
ベンダーを選ぶ際は、実績だけでなくトラブル時のサポート対応についても確認しておきましょう。電話やメール、チャットといった問い合わせの対応範囲、導入支援に関する具体的なサポート内容など、複数社を入念に比較することをおすすめします。
デジタルアダプションを導入してWebシステムを最大限に活用しよう
社内でのDX推進やデジタル化には、今回紹介したデジタルアダプションの考え方が不可欠です。
複数のWebシステム同士を連携し、データを有効活用するには、まず従業員が自発的にツールを利用する環境を整える必要があります。デジタルアダプションプラットフォームを活用すれば、ユーザーの悩みや疑問を解消したうえで、よりスムーズな定着化が図れます。
なかでも「テックタッチ」は、国内利用者数が200万人を超える、トップシェアのデジタルアダプションプラットフォームです。ユーザーガイドやチュートリアルなどの幅広い機能が搭載されているほか、利用状況の可視化により、客観的な定量・定性評価につながります。
パナソニック インフォメーションシステムズでは、テックタッチに関する導入支援を行っています。導入に関して少しでもご不明な点があれば、ぜひ気軽にお問い合わせください。
デジタルアダプションプラットフォーム「テックタッチ」について詳しく見る >>
▼こちらの資料もオススメです