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【2025年最新版】大学の情報セキュリティ対策を徹底解説!課題から具体的なソリューションまで

近年、サイバー攻撃は高度化・巧妙化し、企業だけでなく大学などの教育機関も標的となっています。特にランサムウェアによる被害は深刻で、教育・研究活動に甚大な影響を及ぼすケースが増加しています。大学が保有する膨大な個人情報や機密性の高い研究データは、攻撃者にとって魅力的なターゲットです。情報システム部門と経営層が連携し、万全なセキュリティ対策を講じることが求められています。

教育機関が狙われる理由と脆弱性

ネットワーク構造の複雑性

大学のネットワークは研究室、事務部門、学生寮など多岐にわたり、管理が困難です。古いシステムの残存や予算・人材不足も、脆弱性の温床となっています。

個人情報の豊富さ

学生・教職員の氏名、住所、成績、健康情報など、多様な個人情報が保有されており、漏洩すれば法的責任や対応コストが発生します。

ITリテラシーのばらつき

教職員・学生のITリテラシーに差があり、セキュリティポリシーの徹底が難しい状況です。

国内事例から学ぶ:被害と教訓

残念ながら、国内の教育機関でもサイバー攻撃による被害が後を絶ちません。その現状を把握し、危機意識を持つことが重要です。ここでは、実際に起こった被害事例から教訓を学びます。

事例①:フィッシング被害によるメールアカウント乗っ取り

ある大学では、教職員と学生のメールアカウントがフィッシング被害に遭い、外部宛に大量の不審メールが送信されました。被害はメールシステムに限定されましたが、大学の信頼性に影響を与えました。再発防止策として、送信元認証の監視強化やセキュリティ教育が実施されました。

事例②:ランサムウェアによるネットワーク停止

別の大学では、ランサムウェア攻撃により全キャンパスのネットワークが一時停止。オンライン授業や学内連絡が利用出来なくなり、復旧まで数週間を要しました。対策として、バックアップ体制の強化、多要素認証の導入、CSIRTの整備が進められました。

大学が取り組むべき情報セキュリティ対策

サイバー攻撃のリスクを低減し、安全な情報環境を維持するためには、多層的なセキュリティ対策を講じる必要があります。

1.基本的なセキュリティ対策の実践

まずは、情報セキュリティの土台となる基本的な対策を徹底することが重要です。

強力なパスワード設定と管理方法

パスワードは情報システムへの最前線の防御です。推測されにくい長く複雑なパスワード(英大文字・小文字・数字・記号の組み合わせ)を推奨し、同一パスワードの使い回しを禁止するルールを設けましょう。パスワードマネージャーの導入も有効です。特に学務システムや研究データベースなど、重要なシステムには定期的なパスワード変更を義務づけることが望まれます。

定期的なウイルスチェックの重要性

ウイルス対策ソフトの導入だけでなく、定義ファイルの自動更新、リアルタイムスキャンの有効化、定期的なフルスキャンの実施が重要です。学内全体で統一されたセキュリティソフトを導入し、管理者が一元的に監視できる体制を整えることで、感染拡大のリスクを最小限に抑えられます。

OSやアプリケーションの最新化

脆弱性を突いた攻撃を防ぐため、OSやアプリケーションのセキュリティパッチを速やかに適用する体制が必要です。自動更新の設定や、更新状況を可視化する管理ツールの導入により、更新漏れを防止できます。

2.技術的対策

大学の複雑なネットワーク環境を保護するための、より高度な技術的対策も必要です。

ネットワークのセグメント分離のメリット

研究用、事務用、学生用、ゲスト用など、機能や機密性に応じて複数のセグメントに分離することで、万が一どこかのセグメントが攻撃されても、被害が他のセグメントに波及するのを防ぎ、影響範囲を限定できます。特に、機密性の高い研究データや個人情報を扱うシステムは、インターネットから隔離されたセグメントに配置することが推奨されます。

アクセス制御の設定と運用

「最小権限の原則」に基づき、必要な人に必要な範囲のアクセス権限のみを付与します。退職者や異動者のアカウントは即時停止し、アクセスログを定期的に監視・分析することで、不正アクセスの兆候を早期に発見できます。

多要素認証(MFA)の導入

IDとパスワードに加え、スマートフォンアプリや生体認証などを組み合わせた複数の異なる要素を組み合わせて認証を行う多要素認証(MFA)は、パスワードが漏洩した場合でも不正ログインを防ぐ強力な手段です。特にクラウドサービスや学務システムなど、外部からアクセス可能なシステムにはMFAの導入が不可欠です。

3.利用者へのセキュリティ教育

どんなに強固なシステムを構築しても、利用者のセキュリティ意識が低ければ、そこが最大の脆弱性となります。

セキュリティトレーニングの実施方法

定期的なセキュリティトレーニングは、教職員・学生一人ひとりのセキュリティ意識を高める上で不可欠です。フィッシング詐欺メールの見分け方、不審なウェブサイトへのアクセス回避、安全なパスワードの作成と管理方法など、具体的な脅威と対策について、eラーニングや集合研修形式で繰り返し教育を行うべきです。

メールの取り扱いに関する注意点

攻撃の多くはメールを起点としています。教職員・学生に対し、差出人が不明なメールや不自然な日本語のメールは開かない、添付ファイルやURLは安易にクリックしない、個人情報やパスワードを要求するメールには絶対に応じないなど、具体的な注意点を周知徹底し、学内ポータルや掲示板で定期的に注意喚起を行うことが重要です。

セキュリティポリシーの周知徹底

情報資産の取り扱い、USBメモリの使用、外部クラウドサービスの利用などに関するルールを明文化し、全学的に周知します。違反時の対応も明確にすることで、ポリシーの実効性が高まります。

最新のサイバーセキュリティトレンドと導入すべき技術

サイバー攻撃の手口は常に進化しています。大学の情報セキュリティを強化するためには、最新のトレンドと技術を理解し、その導入を検討することが不可欠です。

AIを活用した脅威検知システム

AIは大量のログデータから異常を検知し、未知のマルウェアや標的型攻撃を早期に発見できます。AIベースのSIEM(Security Information and Event Management)やEDR(Endpoint Detection and Response)を導入することで、従来のパターンマッチングでは検知できなかった攻撃にも対応可能です。
例:ある大学では、AI搭載のEDRを導入したことで、従来見逃されていた不審なPowerShellスクリプトの実行を検知し、被害を未然に防止できた事例があります。

クラウドセキュリティの進化

クラウドサービスの利用が進む中、CASB(Cloud Access Security Broker)による利用状況の可視化、クラウドWAFによるWebアプリ保護、CSPM(Cloud Security Posture Management)による設定ミスの検出が重要です。クラウド環境における責任分界点を明確にし、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。

ゼロトラストセキュリティモデルの導入

「誰も信頼しない」を前提に、すべてのアクセスを検証するゼロトラストモデルは、内部不正やサプライチェーン攻撃にも有効です。ユーザー・デバイス・アプリケーションごとに認証・認可を行い、動的にアクセス制御を行うことで、より堅牢なセキュリティ体制を構築できます。

継続的なセキュリティ対策の重要性

情報セキュリティは一度対策を講じれば終わりというものではありません。常に変化する脅威に対応し、継続的に改善していくことが不可欠です。

定期的なセキュリティレビューの実施

システムの状況や脅威の変化に合わせて、定期的にセキュリティ対策を見直すことが重要です。

システムの脆弱性診断と対応

定期的にシステムの脆弱性診断(ペネトレーションテストや脆弱性スキャン)を実施し、潜在的な弱点を特定すべきです。発見された脆弱性に対しては、速やかにパッチ適用や設定変更などの対応を行い、攻撃を受ける前にリスクを排除する体制を確立します。

外部専門家による監査の活用

学内のリソースだけでは限界がある場合、情報セキュリティに関する専門知識を持つ外部機関に監査を依頼することも有効です。客観的な視点から現在のセキュリティ対策を評価してもらい、改善点や新たなリスクを指摘してもらうことで、より実効性の高い対策を講じることができます。

学内全体でのセキュリティ意識の向上

情報システム部門だけでなく、教職員・学生を含めた全学的な取り組みが不可欠です。セキュリティニュースの定期配信、インシデント事例の共有、緊急時対応マニュアルの整備と訓練などを通じて、組織全体のセキュリティ文化を醸成しましょう。

まとめ:安全な教育環境の構築に向けて

大学における情報セキュリティは、単なるIT部門の課題ではなく、教育・研究活動の基盤を支える大学全体の重要課題です。日々進化するサイバー攻撃の脅威に対し、技術的な対策の強化はもちろんのこと、教職員・学生一人ひとりのセキュリティ意識の向上、そして継続的な改善努力が不可欠です。

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