
【Salesforce】Sales Cloudとは?主要機能と導入効果を徹底解説
Sales Cloud(セールスクラウド)は、Salesforce社が提供する世界トップクラスのSFA(営業支援システム)/CRM(顧客関係管理)ツールです。顧客情報の一元管理、見込み顧客の効率的な育成、商談の進捗状況の可視化、営業プロセスの自動化といった幅広い営業支援機能を搭載し、営業活動の最適化を実現します。
「顧客情報が散在していて、誰がいつ何をしたか分からない」「見込み顧客へのアプローチが非効率で、なかなか商談につながらない」「商談の進捗が属人化しており、チーム全体の状況が見えにくい」など、Sales Cloudの導入を検討しているものの、営業活動における具体的な課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。また、「他社の製品と何が違うの?」「そもそもSFA/CRMツールってどんなもの?」と、ツールの全体像を具体的にイメージできない方もいるかもしれません。
本記事では、Sales Cloudがどのようなツールなのかを分かりやすく解説し、その主要な機能や導入するメリット、そして効果的な活用ポイントをご紹介します。この記事を読めば、Sales Cloudがあなたの営業課題をどのように解決し、ビジネスに貢献するのか、具体的なイメージが掴めるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
目次[非表示]
- 1.Sales Cloudとは
- 2.Sales Cloudの主な機能
- 2.1.顧客情報管理
- 2.2.見込み顧客(リード)管理
- 2.3.商談管理(営業案件管理)
- 2.4.レポート&ダッシュボード
- 2.5.その他の機能
- 3.Sales Cloudを導入するメリット
- 3.1.「案件の状況」の見える化
- 3.2.売上予測ができる
- 3.3.他の部署との連携が強化できる
- 3.4.教育コストの削減
- 3.5.人事評価への利用
- 4.Sales Cloudを活用するためのポイント
- 5.Sales Cloudを導入して営業活動を最適化しよう
Sales Cloudとは
Sales Cloud(セールスクラウド)は、営業活動の効率化と売上向上を強力に支援する、統合型のSFA(営業支援システム)とCRM(顧客関係管理)ツールです。 Sales Cloudの中核をなすのは、顧客情報の一元管理、見込み顧客の獲得から育成、そして商談の進捗管理まで、営業プロセス全体をシームレスにカバーする機能です。これにより、営業やマーケティングに必要なあらゆる情報がSales Cloud上に集約され、業務効率化と顧客とのより強固な関係構築を可能にします。
Sales Cloudの大きな特長の一つは、その高い連携性にあります。基幹システムや販売管理システムといった社内の既存システムと連携することで、データの二重入力を防ぎ、常に最新の情報をSales Cloudに集約できます。
さらに、SalesforceのMAツール「Marketing Cloud」やコールセンターシステム「Service Cloud」ともスムーズに連携できるため、部門間の壁を越えた情報共有が飛躍的に向上します。これにより、営業・マーケティング・カスタマーサポートが連携して、顧客体験全体を最適化することが可能です。 Sales Cloudに蓄積されたデータは、BIツールなどと連携することで詳細な分析が可能になり、データに基づいた戦略策定を強力にサポートします。
Sales Cloudの主な機能
Sales Cloudには、営業案件情報の一元管理や営業分析といったSFAの機能に加え、顧客との関係構築・強化につながるCRMの機能も充実しています。
Sales Cloudに搭載されている代表的な機能は次の通りです。
顧客情報管理
Sales Cloudの核となる機能の一つが、顧客情報の一元管理です。 Sales Cloudでは、顧客の連絡先、企業情報、過去の商談履歴、通話履歴、メールのやり取り、サポート履歴など、あらゆる顧客接点情報を一つのシステム内に集約します。これにより、営業担当者はもちろん、マーケティングやカスタマーサポート部門も、誰でも最新の顧客状況をリアルタイムで把握でき、顧客対応の質を飛躍的に向上させることが可能です。属人化を防ぎ、チーム全体で顧客理解を深めることで、よりパーソナライズされた顧客体験を提供できます。
見込み顧客(リード)管理
Sales Cloudは、見込み顧客の獲得から育成、そして商談化までの一連のプロセスを強力にサポートします。 Webサイトからの問い合わせ、展示会で得た名刺情報、広告からの流入など、多様なチャネルから得た見込み顧客に関する属性情報や行動履歴を詳細に一元管理します。見込み顧客がどのページを閲覧し、どのような資料をダウンロードしたかといった行動をトラッキングすることで、興味関心の度合いを正確に把握し、効率的なリードナーチャリング(見込み顧客育成)を実現します。適切なタイミングで最適なアプローチを行うことで、商談化率の向上に直結します。
商談管理(営業案件管理)
営業チームの生産性を高め、売上予測の精度を向上させる上で不可欠なのが、商談(営業案件)の見える化と管理です。 Sales Cloudでは、営業案件ごとに、取引先名、担当者、現在のステータス(初回接触、商談中、提案済みなど)、成約確度、受注予定金額、次のアクションといった必要な情報をすべて整理・管理できます。常に最新情報が反映されるため、商談の進捗状況がリアルタイムで把握でき、営業チーム全体でボトルネックを発見し、迅速なフォローアップが可能になります。これにより、見積もり作成から契約締結までのプロセスをスピーディーに進め、成約率を高めるとともに、正確な売上予測を立てる基盤となります。
レポート&ダッシュボード
Sales Cloudに蓄積された膨大な営業案件情報や顧客データは、 瞬時に分析され、視覚的に分かりやすいレポートやダッシュボードとして自動で出力されます。 受注金額の推移、目標達成率、各営業活動(商談数、架電数など)の進捗状況を、時系列で詳細に確認できます。これにより、営業チーム全体のパフォーマンスや個々の担当者の活動状況が一目で把握できます。 また、モバイルアプリに対応しているため、外出先や移動中でも、スマートフォンやタブレットから最新のダッシュボードを閲覧できます。これにより、急な会議や顧客との商談前など、いつでもどこでも必要な情報にアクセスし、タイムリーな意思決定や戦略の調整が可能になります。 このレポート&ダッシュボード機能は、営業活動のボトルネックを早期に発見し、データに基づいた迅速な改善策を講じるための羅針盤となります。感覚や経験に頼るだけでなく、客観的なデータに基づいて営業戦略を立案・実行することで、組織全体の売上向上と生産性向上に大きく貢献します。
その他の機能
機能 |
詳細 |
---|---|
メールの連携 |
・OutlookやGmailなどのメーラーとの同期 |
売上予測 |
・チーム全体の売上予測や目標額などを確認可能 |
営業パイプライン管理 |
・営業プロセス全体をフローチャートで可視化 |
ワークフロー自動化 |
・営業パイプライン管理で作成したフローチャートをもとに 定型業務や承認プロセスを自動化 メールのアラートやTodoリストの作成を設定可能 |
ファイルの同期と共有 |
・ファイルの同期、共有、条件による絞り込みが可能 |
モバイル対応 |
・モバイルデバイスからSales Cloudにアクセス |
ただし、利用できる機能は、契約する料金プランによって異なります。費用対効果を考えながら、必要な機能を備えたプランを選びましょう。
Sales Cloudを導入するメリット
ここでは、Sales Cloudの5つのメリットを紹介します。導入を検討する際の参考にしてください。
「案件の状況」の見える化
Sales Cloudには、営業案件ごとに営業活動の進捗状況を可視化できる機能が搭載されています。そのなかでは、取引先名や担当者名、ファーストコンタクトや商談中といったステータス、成約率、受注金額などの情報が一目で把握できます。
このような営業活動の進捗状況をチーム内で共有することで、チームメンバーを的確にフォローすることができ、短期間でスムーズに成約へとつなげられるのがメリットです。保留状態になっている取引先に、時間を空けて再度アプローチするなどの対応も可能になります。
また、Sales Cloudには、「Chatter(チャッター)」と呼ばれるコミュニケーション機能があります。Chatterには、案件情報が更新された際に関係者へ自動的に通知する機能があるため、対応漏れやコミュニケーションロスの回避につながります。
売上予測ができる
Sales Cloudには売上予測機能(※)が搭載されており、売上予測番号順に目標額と達成額が画面に表示されます。また、売上予測期間やカテゴリ別に目標達成率をトラッキングすることも可能です。
目標に対する実績の差異に応じて売上予測データを調整したい場合は、担当者別・期間別・集計値別に情報をリアルタイムに修正できるのもポイントです。調整を加えても、売上予測データのベースとなる案件情報には影響しません。
自動で詳細な売上予測データを導き出せるのは、Sales Cloudの大きなメリットだといえるでしょう。
※Professionalプラン以上が対象になります
他の部署との連携が強化できる
他部署とのスムーズな連携につながるのもSales Cloudのメリットです。
たとえば、SalesforceのMAツールである「Marketing Cloud」や、コールセンターシステムの「Service Cloud」との連携により、営業・マーケティング・カスタマーサポートの3つの部門が連携できます。顧客と接点を持つ部門同士の情報を一元管理することで、業務効率化や顧客体験の向上が期待できるでしょう。
また、経理部門の会計ソフトや請求書発行システム、製造部門の在庫管理システムとの連携など、社内のさまざまなシステムと連携することでつながりを強化することも可能です。
教育コストの削減
Sales Cloudは、営業のノウハウ構築にも活用できます。蓄積されたデータをもとに、より効果的なマニュアルや研修プログラムを策定することで、教育コストの削減につながります。
そのほか、失注要因から営業プロセスのボトルネックを特定したり、KGI・KPIの予実管理にもとづいてアクションプランの軌道修正を行ったりと、収集したデータはさまざまな方法で活用できます。
また、業界トップシェアを誇るSales Cloudは、利用者数の多さゆえに利用方法やトラブルシューティングといった情報がWeb上に数多く公開されているため、導入後のレクチャーや教育マニュアルの作成にかかる手間やコストの削減も可能です。
人事評価への利用
Sales Cloudは営業担当者のパフォーマンスが一目で把握できるため、人事評価に活用することも可能です。受注金額やアプローチ数、目標達成率など、定量的な視点にもとづいた公平な人事評価につながります。
また、各担当者の具体的なアクションやタスクの進捗具合、チーム内でのコミュニケーション履歴といった定性データもあわせて可視化。営業の成果とは異なる視点を人事評価に組み入れることで、マネジメント層からの評価が数字以外の面も含まれていることがわかるため、現場担当者のモチベーション向上にもつながります。
Sales Cloudを活用するためのポイント
Sales Cloudを活用するための主なポイントは次の2点です。
- 営業活動を止めない!「いつでもどこでも」アクセスできる環境整備
- データの価値を最大化!他システムとのシームレスな連携
導入前に具体的な活用方法を想定することで、よりスムーズに運用体制を整えられるでしょう。
営業活動を止めない!「いつでもどこでも」アクセスできる環境整備
現代の営業活動は、オフィス内だけでなく、顧客先、移動中、そしてテレワーク環境など、多岐にわたる場所で行われます。Sales Cloudの情報を「いつでも、どこからでも」ストレスなく利用できる環境は、営業チームの生産性を飛躍的に向上させる鍵となります。
この環境を整備することで、以下のようなメリットが生まれます。
- リアルタイムな情報共有: 営業担当者は外出先からでも最新の顧客情報や商談状況をSales Cloudに入力・確認でき、チーム全体での情報共有が迅速になります。迅速な顧客対応: 顧客からの問い合わせに対し、移動中でもSales Cloudから必要な情報を引き出し、的確かつ迅速な対応が可能になります。
- 移動時間の有効活用: 電車での移動中や待ち時間など、空き時間を活用して日報の作成や見込み客の確認を行うことで、業務効率が向上します。
具体的な準備と運用ルールの整備を進めましょう。
- デバイスとアクセス環境: 社用スマートフォンの支給、Sales Cloudモバイルアプリのインストール、VPN(仮想プライベートネットワーク)の対応確認など、安全かつスムーズなアクセス手段を確保します。
- セキュリティと権限設定: どこからでもアクセスできるからこそ、アカウント別の適切な権限設定や二段階認証の導入など、情報セキュリティ対策を徹底します。
- 明確な運用手順: オフィス外からのデータ入力ルール、日報の提出方法、緊急時の対応フローなど、具体的な手順を定め、営業担当者が迷わずに利用できるよう周知徹底します。
データの価値を最大化!他システムとのシームレスな連携
Sales Cloudに蓄積される営業データはそれだけでも大きな価値がありますが、他の基幹システムやマーケティングツール、会計システムなどと連携することで、その価値は飛躍的に高まります。データの一元化は、営業活動の効率化だけでなく、経営戦略の策定にも不可欠な要素です。
他システムとの連携がもたらす主なメリットは以下の通りです。
- データ入力の重複排除と業務負荷軽減: システムごとに同じ情報を入力する手間がなくなり、担当者の業務負担を大幅に削減。入力ミスも減少し、データの正確性が向上します。
- 全社的なデータの一元化と可視化: 顧客情報、購買履歴、マーケティングデータ、売上データなど、散在していた情報をSales Cloudに集約することで、顧客の360度ビューが実現し、より多角的な分析が可能になります。
- データに基づいた多角的な分析と精度の高い予測: 統合されたデータにより、顧客行動の深い洞察や、より精度の高い売上予測が可能となり、戦略的な意思決定を支援します。
- 経営層の迅速な意思決定支援: 各部門のデータが連携されることで、経営層はリアルタイムでビジネス全体の状況を把握し、迅速かつ的確な意思決定を下すことができます。
このような連携を実現するための強力なツールの一つが、18年連続国内シェアナンバーワン(※)の実績を誇る「ASTERIA Warp(アステリアワープ)」です。アダプターと呼ばれるモジュールを導入するだけでシステム同士のデータを同期でき、ノーコードで利用できるため、プログラミングの知識がなくても簡単にデータ連携を実行可能です。
※参照:テクノ・システム・リサーチ「2024年ソフトウェアマーケティング総覧 EAI/ESB 市場編」(アステリア社のWebサイトが開きます)
これらの2つのポイントを戦略的に実行することで、Sales Cloudは単なるSFA/CRMツールに留まらず、貴社の営業力を飛躍的に向上させるための強力な戦略的パートナーとなるでしょう。導入前に具体的な活用方法を想定し、最適な運用体制を構築することが、Sales Cloudの成功を左右する鍵となります。
Sales Cloudを導入して営業活動を最適化しよう
Sales Cloudは、単なる営業支援ツールではありません。営業の案件管理からダッシュボードによる状況可視化、そして営業パイプライン管理まで、幅広い機能で営業活動のあらゆる側面を強力にサポートします。チーム全体で営業活動に必要なデータを共有し、データ分析によって効果的な戦略策定に結び付けることで、貴社の営業力を飛躍的に向上させることが可能です。
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