データ連携にはどんなやり方がある?ツールを活用してスムーズに連携しよう
クラウドサービスの台頭により、社内で利用するデータが加速度的に増加しています。それに伴い、システム間の情報を統合する「データ連携」の重要性が高まっています。
しかし、データ連携が必要・重要だとわかってはいるものの、「ノウハウを有する人材がいない」「オンプレミスやクラウドなどシステムが多様化し、連携のハードルが高い」といった声もあるでしょう。
そこで本記事では、データ連携の仕組みやよくある課題、代表的な連携方法をご紹介します。スムーズなデータ連携を実現させ、社内にあるデータを有効活用しましょう。
目次[非表示]
- 1.データ連携とは
- 1.1.データ連携の手順・仕組み
- 1.2.システム連携との違い
- 2.データ連携に取り組むにあたっての課題
- 2.1.データ形式を揃える必要がある(加工に手間がかかる)
- 2.2.連携先とのインターフェースを把握する必要がある
- 2.3.クラウド・オンプレミス連携のハードルが高い
- 2.4.データが分散しており、管理工数がかかる
- 2.5.手作業で対応できてしまう
- 3.データ連携の方法
- 4.データ連携のまとめ
データ連携とは
データ連携とは、複数のシステムに保存されているデータをつなぎ合わせることです。本来、各システムの情報を参照するためには、それぞれのプラットフォームにアクセスしなければなりません。
データ連携を行えば、一つのプラットフォーム上だけで情報を参照できるため、拠点や部署が違っても容易に情報共有を行えます。また、システム同士の情報が一元的に紐付けられることから、データ入力の工数削減にもつながります。
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データ連携の手順・仕組み
データ連携を実施するための手順は次の通りです。
手順 |
作業内容 |
---|---|
1.データの抽出 |
連携対象となるデータを連携元から抽出 |
2.データの変換 |
抽出したデータに対し、決められたルールやロジックでデータを変換 |
3.データの取込 |
変換したデータを連携先に取り込む |
4.データ連携の実行管理 |
データ連携のタイミング(スケジュールやトリガー等)を設定 |
データを抽出する際は、連携済みのものを除外し、新しく更新されたデータのみをピックアップする必要があります。データ連携ツールのなかには、更新データの識別機能を持ったものもあり、そういったツールを活用すると作業効率を高められます。
その後のデータ変換やデータ連携の実行管理では、利用するツールによって柔軟性が異なるため、選ぶ際に注意が必要です。データ連携のツールを選ぶ際は、データ変換時のルールやロジック、連携時のタイミングなどを、どの程度自由に調整できるかが重要となります。
システム連携との違い
情報システムの領域では、データ連携とともに「システム連携」という言葉を使用するケースもあります。データ連携とシステム連携は、いずれも複数のシステムをつなぎ合わせ、データを統合するという意味では変わりありません。
ただし、企業によっては、両者の言葉を細かく区分している場合もあります。一般的にデータ連携は、CSV・エクセルデータ等のさまざまなデータを、別のシステムに移行することを指します。一方、システム連携は、人事システムや会計システムなど、業務システム同士が連携する意味合いとして使われます。
データ連携に取り組むにあたっての課題
データ連携を実行する前に、よくある課題を理解しておくことで、適切な連携手段を見つけやすくなります。ここでは、データ連携に取り組むにあたっての5つの課題をご紹介します。
データ形式を揃える必要がある(加工に手間がかかる)
データ連携を行う際は、システムごとにデータ形式が異なる点に注意しましょう。連携にあたり、データ形式を揃えるための加工に手間がかかってしまいます。
データ量が少ない場合は手作業でも加工できますが、数多くのシステムを連携させるのであれば、何らかのツールを導入するほうが良いでしょう。
連携先とのインターフェースを把握する必要がある
連携するシステムの種類が増えると、それぞれのインターフェース仕様を確認する手間がかかります。たとえば、API連携やファイル連携など、各システムがどのような連携方法に対応しているのか、事前の確認が必要です。想定していた方法で連携できない場合は、別の手段を考え直す必要があるでしょう。
また、それぞれのシステムが互換性に優れ、問題なくデータ連携を行えるとしても、インターフェースの仕様調査から実装までに、手間や時間がかかるケースも考えられます。
クラウド・オンプレミス連携のハードルが高い
組織内のクラウド化を進めるにあたり、業務の中心となる基幹システムがオンプレミスで構成されているケースも多いのではないでしょうか。社内にあるオンプレミスとクラウドシステムを連携しようとした際、ネットワークセキュリティの課題が生まれます。
クラウド・オンプレミス連携のハードルが高いと感じる場合は、包括的なデータ連携を実現するツールやプラットフォームを活用すると良いでしょう。後ほどご紹介するEAIツールやiPaaSは、クラウドとオンプレミスを問わず、柔軟なデータ連携が可能です。
データが分散しており、管理工数がかかる
データの分散によって管理工数が増大してしまうのも、課題の一つです。必要なデータがシステム間で分散すると、誰がどのような情報を管理しているかを逐一把握しなければなりません。特に、各部門で複数のシステムを最適化して利用する場合、データベースに保存された情報のサイロ化(孤立)につながることもあります。
また、データベースの情報が孤立した状態は後々、部門同士のシステムが連携不足である「システムのサイロ化」や、他部門の業務内容がブロックボックス化する「組織のサイロ化」へと発展する恐れがあります。
手作業で対応できてしまう
処理すべきデータ件数が少ない場合、担当者が手作業でも対応できるため、そもそもデータ連携の必要性を認識していないケースもあります。
データ処理が煩雑化している場合、担当者しか対応できないようなケースが多々あり、担当者不在時にトラブルが発生するようなことがあります。重要な連携処理を優先して、システム化を検討すべきでしょう。
データ連携の方法
ここまでにお伝えしたデータ連携の課題を解決するには、社内の基盤構築が重要です。ただし、独自のシステムをスクラッチ開発しようと思えば、専門的な知識や技術が求められます。そこで、次のようなツールやプラットフォームを活用することで、より手軽にデータ連携の基盤を構築できます。
- 1対1のデータ連携
- ETLツール
- EAIツール
- RPAツール
1対1のデータ連携
1対1のデータ連携は、仕様が異なる一つひとつのシステムに合わせ、専用のプログラムを作成して連携をはかる方法です。さまざまなデータ連携ツールが登場する以前までは、データ連携の主流の方法として活用が進んでいました。
ただし、独自プログラムを構築するには、開発のためにリソースを確保する必要があります。同時に、EAIツールを導入するハードルが高い場合は、iPaaSを導入するのも方法の一つです。
iPaaSとは、オンプレミスのシステムやクラウドサービスで管理しているデータを、包括的に連携させるプラットフォームです。やや高価なツールが多いEAIツールに比べ、比較的安価に導入できるため、小規模のシステム同士を1対1で連携する場合に向いています。
ETLツール
後述するEAIツールと同様、ETLツールも、仕様の異なるシステム同士のデータ連携を行うためのツールです。EAIツールと異なる点は、ETLツールは、データの加工機能(抽出・変換)に特化したものが多い傾向にあります。
たとえば、データ連携を実行するにあたって、データ形式を柔軟に変更できない、整形作業に時間や手間がかかるといった課題がある場合、ETLツールを使えば解決可能です。ETLツールには主に、必要なデータのみの抽出や条件に則ったデータ変換、大容量データの書き出しなどの機能が含まれています。
EAIツール
EAIツールは、アダプターと呼ばれるモジュールを使い、システム間のデータ連携を実現するツールです。製品によって「Salesforceアダプター」や「kintoneアダプター」などが提供されており、アダプターを実装することで該当システムとのデータ連携が可能になります。
本来、データ連携を行う際は、システム同士の仕様や互換性を確認する必要があります。その点、EAIツールは、アダプターの種類を確認するだけで、連携先との互換性や実現できることが素早く把握できます。
また、ドラッグアンドドロップのマウス操作のみでデータ連携を実行できるのも特徴です。エンジニアがいなくても自社システムを構築できるため、連携手段のなかでは特に導入のハードルが低いといえるでしょう。
RPAツール
単純作業を自動化できるRPAツールを活用する方法もあります。
たとえば、基幹システムから別のシステムへとデータを移行する際、情報入力や形式変換といった作業をロボットが自動的に行ってくれます。担当者は、データ連携フローのシナリオを構築するだけで済み、コア業務に集中できるのがメリットです。製品によっては、エラー発生時のログ監視や画面キャプチャなどの機能が搭載されているものもあります。
データ連携のまとめ
社内にある複数のシステムに保存されたデータを連携することで、よりスムーズな情報共有やデータ入力の工数削減につながります。本記事でご紹介したデータ連携方法を参考に、さっそくチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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