ERPパッケージとは?種類や選ぶ際のポイントを解説
ERPシステムとは、会計システムや販売管理システムなど、社内の各部門で使用されているシステムを連携し、各データを統合的に管理するためのツールのことです。
ERPシステムの導入により、データ管理の工数が削減可能で、効果的なデータ活用にもつながります。しかし、要件が複雑で導入のハードルが高いというイメージを持っている方も多いでしょう。
このような悩みを解決できるのが、特定の機能が標準搭載されている「ERPパッケージ」です。
本記事では、ERPパッケージの概要や種類、導入メリットを詳しく解説します。自社に合ったERPパッケージの選び方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.ERPパッケージとは
- 2.ERPパッケージの種類
- 2.1.統合型ERPパッケージ
- 2.2.コンポーネント型ERPパッケージ
- 2.3.業務特化型ERPパッケージ
- 3.ERPパッケージを導入するメリット
- 3.1.業務の標準化による品質の向上
- 3.2.システム統合による業務効率化
- 3.3.管理体制の強化
- 4.ERPパッケージを選ぶ際のポイント
- 4.1.自社の課題や導入目的を明確にする
- 4.2.自社業務との適合性を考える
- 4.3.状況によってはスモールスタートを検討する
- 5.ERPパッケージを活用して業務効率を高めよう
ERPパッケージとは
EPRシステムには「ERPパッケージ」と「スクラッチ型ERP」があります。いずれも会計・人事・生産・物流・販売といった基幹業務を統合し、部門間のデータを一元管理することが可能で、システムの構築方法が異なります。
スクラッチ型ERPは、自社独自の要件に沿ってイチからシステムを開発するタイプで、ERPパッケージは、必要な機能がパッケージ化された状態で販売されています。パッケージ型は、スクラッチ型ERPに比べて導入までの期間が短く、開発工数を抑えられるのがメリットです。
特殊な業務が多い企業の場合は、個別に要件を定義して開発を行うスクラッチ型が適していますが、それ以外の場合はERPパッケージを検討するのが一般的と言えるでしょう。
ERPパッケージの種類
ERPパッケージには、次のような種類があります。
種類 |
特徴 |
---|---|
統合型ERPパッケージ |
会計・販売・人事・給与など、経営に必要なすべての業務システムを管理できるパッケージ |
コンポーネント型ERPパッケージ |
必要な業務システムを選択したうえで組み合わせて導入することができるパッケージ |
業務特化型ERPパッケージ |
人事や労務、会計、生産管理など、ある特定の業務だけに特化したもの |
ここでは、それぞれの特徴を詳しく解説します。
統合型ERPパッケージ
統合型ERPパッケージは、会計や人事、販売など、企業経営に必要なデータを1か所に統合して管理できるタイプです。
ERPシステムの基本的な機能が標準搭載されているため、自社で選択する手間を省けます。また、幅広い種類の外部システムとの連携にも対応しています。
一方で、あらかじめ搭載されている機能が決まっているため、やや柔軟性に欠ける点には注意が必要です。不要な機能が多くなることで利便性が下がることがあり、事業規模の拡大に伴って逆に機能が足りなくなるなどの課題が生じやすくなるため、中長期的な計画を立てて導入を検討しましょう。
コンポーネント型ERPパッケージ
コンポーネント型ERPパッケージは、会計領域や人事領域などの対象範囲に合わせて機能を選択できるタイプです。パナソニックインフォメーションシステムズで提供している「ビズインテグラル」もコンポーネント型ERPパッケージになります。
柔軟性に優れており、事業規模の拡大や縮小にも対応しやすく、スモールスタートでの導入も可能です。ただし、機能を増やし過ぎると統合型ERPパッケージよりもトータルの金額が高くなることがあります。また、導入まで時間がかかってしまうこともあるので注意が必要です。
業務特化型ERPパッケージ
業務特化型ERPパッケージは、人事や労務、会計、生産管理など、特定分野の業務に特化したタイプです。統合型ERPパッケージに比べて適用範囲は狭くなりますが、導入時の費用や手間を抑えられるのがメリットです。
ERPパッケージを導入するメリット
ERPパッケージを導入するメリットは、次のとおりです。
- 業務の標準化による品質の向上
- システム統合による業務効率化
- 管理体制の強化
それぞれのポイントを詳しく解説します。
業務の標準化による品質の向上
ERPパッケージは、あらかじめ機能が決まっています。そのため、運用時には自社の業務フローにERPパッケージを合わせるのではなく、ERPパッケージに合わせて自社の業務フローを変えることになります。
このような考え方を「Fit to Standard」といい、ERPパッケージに合わせて業務を整備することで標準化を図れるのがメリットです。その結果、業務品質の向上や属人化の抑制につながります。
既存の業務フローに課題を抱えている場合は、ERPパッケージの導入によって根本的な解決が期待できるでしょう。
システム統合による業務効率化
部門によって異なるシステムを利用している場合、他部署との情報共有に手間がかかります。
ERPパッケージを導入することで、それぞれの部門で個別に使用されている業務システムのデータを統合できます。部門を問わず、誰でもリアルタイムの情報にアクセスできるため、業務効率化が可能です。
また、システムの種類が異なる場合でも、ERPパッケージの導入でデータの共有をスムーズに行うことができます。
管理体制の強化
ERPパッケージで情報を一元化することで、管理体制を整えられるのもメリットの一つです。
経理部門では会計システム、販売部門では販売管理システムなど、部門間で異なるシステムを利用していると、システム管理が煩雑になります。セキュリティポリシーの統一も困難となり、情報漏洩や不正利用のリスクが高まるでしょう。
ERPパッケージなら、情報だけでなくセキュリティの一元管理も可能なので、ガバナンスの強化につながります。
ERPパッケージを選ぶ際のポイント
ERPパッケージには、価格や機能が異なる幅広い製品が存在するため、選び方のポイントを押さえることが重要です。次の点を参考に、自社に合ったERPパッケージを探してみてください。
自社の課題や導入目的を明確にする
ERPパッケージの対象範囲は多岐にわたるため、事前に対象範囲を特定し、その領域での課題を明確にしたうえで適切な目的を設定しましょう。
例えば、商品に関する販売状況や在庫情報、財務情報がうまく連動していない場合、販売・物流・経理部門が、ERPシステム導入の主な対象範囲となります。三者間のスムーズなデータの共有・連携を図るなら、特定の領域で使用できる機能を備えたERPパッケージが必要です。
自社業務との適合性を考える
ERPパッケージのなかには、製造業や物流業、製薬業など、特定の業界に特化している製品もあります。
例えば、製造業に特化したERPパッケージには、生産管理・原価管理・部品管理などの製造業に必要な機能が標準搭載されていますが、製造業以外の事業を行なっている企業には不要な機能になってしまいます。
ERPパッケージを選ぶ際は、その製品の実績や信頼性を評価することも大切ですが、自社業務との適合性から機能性を検証することも重要です。
状況によってはスモールスタートを検討する
企業が抱えている課題や導入目的によっては、いきなり統合型ERPパッケージを導入するより、コンポーネント型ERPパッケージや業務特化型ERPパッケージからスモールスタートするほうが適していることがあります。
例えば、対象範囲が広く、大々的な組織体制の変更が求められるようなケースです。将来的に幅広い部門にERPシステムを導入するとしても、最初は販売と会計といった小規模の領域から始めて、段階的に範囲を拡大することで、ツール導入後の失敗を最小限に抑えられます。
そのほか、ERPシステムの選び方や注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ERPパッケージを活用して業務効率を高めよう
ERPパッケージには、会計や人事、販売などに関するデータを一元管理するための機能が揃っています。イチからシステムを構築するよりも費用や手間を抑えられるため、よりスムーズな導入が可能です。
パナソニック インフォメーションシステムズでは、クラウド対応型ERPパッケージ「ビズインテグラル」を提供しています。独自要件に沿って、共通の基盤にアプリケーションを構築できるのが特徴で、ポータル画面に必要な情報をリアルタイム表示できます。
会計や販売、人事給与、申請管理など、パッケージとしてさまざまな業務プロセスに対応でき、スモールスタートで特定の領域から導入を進めることが可能です。
ERPシステムの導入なら、60年以上の実績をもとにコンサルティングから構築まで幅広い支援を提供しているパナソニック インフォメーションシステムズに、ぜひご相談ください。